第14話

水晶が、赤、青、黄、茶、と点滅したと思ったら、白く光り始めると、マティー神父が慌てた。


「ケイト、水晶から手を」というと、ケイトの手を取って、水晶から、手を離させた。


「闇属性だけ、持っていないのか。」とポツリとマティー神父が言う。ケイトを見つめてながら、


(闇属性以外の魔法を使えるって事なのよね、魔法を早く使ってみたいわ。魔力判定の時だけ、魔力が無ければ良いんでしょ、

簡単な事じゃないの、それとも、闇属性があった方が良かったの?)


「君は、何処の貴族の子供なのだろうね。これほどの属性を持っているのだから、高貴な貴族の子供だと分かるんだよね、どうして、森にいたのか?この国の子なら、すぐに分かるはずなのに、何の情報もなのは、隣国の子供という事だろうな。

僕には、このくらいしか解らないよ、ケイト、君は、今の生活を望むなら、魔力を隠し通す事だよ。」


マティー神父は言葉を止め、暫く、ケイトをじっと見つめて、口を開いた。


「ケイトは、簡単な事は解って貰えるけど、何故だろうね、難しい話だから、理解出来ない事くらい、分かっいるにも関わらずに、君に、聴いてもらいたくなったよ。」


まーぷ わたマティー神父 解ったよ」と笑って答えた。


「ケイト 解ったのか? そうっか。魔力を隠す事だけ分かればいいよ」と にっこり、微笑んだ。


「人前で、魔法を使ってはいけないよ。」マティー神父は念を押した。


わた解った」と返事をする。マティー神父が、目を細めながら、また頭を撫でくれた。


「今日は、これでお終い、今度は、魔法を教えるよ。

でも、ケイト、内緒だよ。シーだからね」人差し指を口に当て、内緒だよ、との仕草をした。


それから、レスと一緒に家に帰った。

その日は、珍しく、バードが家に戻っていた。

帰ってから、声はかけるけど、立つ気配がない、それに、レスも少し遠い所で、ケイトを下ろした。

下されてから、伝歩き、それから、手を離して、よちよち歩きだが、バードの所に辿り着いた。

「ケイト、凄い、凄い。歩けたね。」バードが、すぐに抱き上げて膝の上に乗せた。

「上手。歩けたわ。転ばなかった。」と喜んでいる。


(2人とも、私の歩行の訓練の為に、遠くで、下ろして、歩かせたのね。

バードは、いつもなら、すぐに、抱き上げにくるのに我慢したのね。)


おと すきお父さん すきよ」と頬に口を寄せる仕草をすると、バードは、目尻を下げながら、顔を口の側まで、持ってきた。

「ケイト、お父さんも大好きだよ、こんな可愛い子をお嫁になんか絶対にやらないからな」と良いなが、ぎゅっと抱きしめ、額にキッスをした。


おか すきお母さん すきよ」と言って、レスに助けを求めた。


「お父さん、ケイトは、お母さんも好きだって、お父さんだけで、無くて残念ね。」と言って、バードから、ケイトを受け取り、額にキッスをした。


その日の夜、「ケイト、誕生日のお祝いだよ」と言って、可愛い靴を履かせてくれた。


「明日、教会に行く時、靴を履いて、みんなと遊んでおいで、転ぶんじゃないよ。」


「はーい おと」バードから言われた事をしっかり返事をした。


「ケイトもお喋りが上手になってきたわね、みんなが褒めてくれるのよ。女の子は言葉の覚えが早いからと言ってたわ。」


(話せる時期が早いの?まあ、意思疎通が出来るから、早くても助かるからいいわ、いつまでも、赤ちゃんは嫌なのよね。

この身体になって、1年経つけど、どんなに頑張っても、行動も、仕草も年相応なのよね、でも、最近、年齢を忘れて、楽しんでいる自分あたしがいるのよね、多少、色々な事が早く出来てもいいでしょ、個性って事でね。)


次の日、靴を履いて、教会に行った。

「ケイト、靴履いてる。歩けるようになったのか?」

「ケイト、お外で一緒に遊ぼう」

次から次へと声がかかってくる。

そこへ、マティー神父がいつものように、本を抱えて、みんなも目の前で、立ち止まった。

「みんなどうしたのかな?今朝は、賑やかだね」と優しく声をみんなに掛けてきた。


「神父様、ケイトが、靴を履いてきたんだ。みんなで外で遊ぼうと思って」とジャンが言った

ジャンは教会に来ている中で、一番年上で、みんなをまとめている存在だ。


「ケイトも、よちよちだけど歩けるようになったんだね。

でもね、ケイトは歩き始めたばかりだから、すぐに、転ぶから、まだ、外は、怪我をしやすいから、もう少しだけ、待ってあげよう 今日は、何のお話がいいかな?」


いつものように、マティー神父は、本を読む準備を始めると、皆んなもいつもの様に座り始めた。

本を読み終わって、マティー神父は、ジャンに、

「ここで、少しくらいなら、ケイトの歩いている所をみれるだろ、転んでも、怪我はしないから、大丈夫だよ」と伝えた。


ケイトを中にして、両端に、男の子と女の子の二手に別れて、名前を呼んでいる。

「ケイト こっちにおいで」「ケイト 女の子はこっちだよ」と両方から、声がかかる。

ジョンの後ろにマーティ神父を見つけたので、マーティ神父に向かって、歩いて行った。


「やった、あっ 神父様に行った。」ジョンが残念そうにしている。

「神父様には勝てないって事だよね」と女の子達が、ジョンに向けて言っている。


「しょうがないな、ケイトは神父様が大好きだものな。今日は、もう、みんな帰ろうか」とジョンがみんなを連れて帰って行った。


マティー神父が「ケイト、みんなが帰ったから、内緒の練習をしようか」と執務室に連れてきた。


「ケイト、最初だけど、君は治癒魔法を教えるね。歩き始めて、転んだ時に、人に分からないように、自分にかけるんだよ。

出来るかな?」と問いかけて来る。


いつものように「はーい」と返事をする、そして、今回は、人差し指を口に当てた。













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