第12話

マティー神父がケイトが泣き始めたので、必死になって、あやしていると、バード達が戻って来た。


「ケイトに何かしたのですか? あまり泣かない子なのに、マティー神父に抱かれると、泣きますね。」と睨みつけている。

マティー神父膝の上に居るケイトは、レスに向かって、手を出し、レスの腕の中に納まった。


「何もしていないよ。今、ケイトが泣き始めたんだ、寂しかったのだろうね。子供達も帰ったし、2人がいない事に気づいたのではないかな。ケイトが2人を探す事は、親として認められてるんでなないかな。」


「そうなの?」レスが嬉しそうにしている。


「そうだよ、ケイトは君たちが、必死で、育てているからこそ、親だと思って、探すし、見つけて欲しいから、泣いているんだよ。」マティー神父は口角を上げながら語った。


「ケイトが、俺たちを認めたと言うことですか。」


「産む事だけが、親になることでは無いよ、愛しみ、育てる事が大事な事だよ。君たちは、ケイトの事を、大事に育てている事はみんな知っているし、ケイトも、解ってるよ、だから、その証拠に、レスに抱かれたら、泣き止んでるじゃないか。」と、マティー神父は、ケイトの頭を撫でている。


「バード、君たちは、立派な親だよ、多少、ケイトが泣いても、慌てず、状況をしっかり把握をする事も大事だよ。」


「ケイトが、泣く事は、滅多にないのに、泣くと心配になるし、

何かあったのか?とね。頭の中では、何もない事も分かってるんですよ。でも、心が追いつかないからつい、口や態度に出てしまうです。」


「君たちは、出来るだけケイトを、ここへ連れて来ないか?

村の子供達もここに来て、本を読んだり、字を教えたりするから、ケイトもここに連れてきて、子供たちと遊ばせるといいよ、

他の子供の様子もわかるからね。それに、毎週連れてくる約束だったろ。」


(マティー神父、何もしていないって、嘘つきだ、子供達がいなくなった後、身体中に何かが流れて、気分が悪くなったんだもの、神父が嘘を言ってはいけないはずよ。

でも、後で、謝ったから、許すけれど・・・・、魔力量を調べてたって言ってたわね、村の水晶でも分かってしまうって何が?

あたしが、知らないことがあるのね。

神父と2人になった時、また、話してくれるといいのだけど)


レスの腕の中にいると、だんだんと眠くなって寝てしまった。

やはり、体は赤ん坊のままなのだ。

眠りから、覚めると、家に戻っていた。


「バード、明日も教会に、ケイトと一緒に行ってくるわ、

村の子供達と一緒に遊べる機会だのも、ケイトも成長するけど、私たちも成長しないとね」


「そうだな、俺たちも、少しずつ、成長していかないと、ケイトに、心配かけてしまうからな。

おっ ケイト、眼が覚めたのか。」


「あら、ケイト、ご飯待っててね、今用意するから、お腹すいたでしょ、ほら、お手て、なめないのよ。」


「ぶー ぶー だー《大丈夫よ》」


大丈夫って教える為、寝返りをし、はいはいをして、バードの足を叩いた。


「ケイト、どうした。お腹空いたの催促か、もう少し待ってろ

お母さんが、用意してるから、それまで、お父さんと遊ぼう」

と言いながら、ケイトを抱き上げて、高い高いをしたり、膝に乗せて、遊び始めた。


きゃ きゃ 面白い

(子供をあやすの大変なのよね、高い高いも体力入りし、膝の上に乗せて、遊ぶのも大変よね。

だけど、面白いわ、中身は40歳のおばさんだけど、はじめての経験・・・・ 赤ちゃんの頃あったのかもしれないけれど、覚えていないもの、はじめてと言うことよね)


「お父さん、ケイト、ご飯できましたよ」とレスが声をかけてきた。


いつもと同じ様に、食事とお風呂と済ませたら、ぐっすりと寝てしまった。


次の日から、レスとケイトは、教会で、村の子供達と一緒に、本の読み聞かせや文字を教てもらい始めた。その間、レスはケイティのお墓に行った後、教会の手伝いをしたりして過ごした、半月過ぎた頃からは、昼は、畑の手伝いも始めた。


そして、あたしは、昼寝、夜は早く、寝てしまう。何せ、体が赤ん坊の体力しかなく、持たない、条件反射なのだから、仕方がない。


マティー神父とケイトと2人になると、魔力を流してくる。最近では、慣れてきたので、泣かなくなった。


魔力を流しても、泣かなくなった頃、マティー神父が、

「魔力を流しても泣かなくなったのは、慣れてきたのかなぁ?

ケイト、君の魔力量は多分多いんだよ、この村の水晶でも、魔力ありの判定になるだろうね。

この判定は、僕の力ではどうしようもないんだよ。

ケイトは、バードやレスとずっと一緒に居たいだろう、魔力判定までには、魔力を隠す練習をしないといけないんだ、僕と一緒に練習をしようね。

まだ、ケイトには言っても、解らないだろうけどね。

早く、僕の言っていることが、解って、練習出来るといいのだけれどね。」

マティー神父は、ケイトに向かって、優しく語り聞かせてくれた。


(魔力判定の為に、魔力を流してたの?魔力判定って?村の水晶って?一体何?

多分、あたしが、体力が無くて、寝ていた時の話なの?

誰が、知っているのかしら? バードやレスは多分知っているから、教会に連れてくるよのね。

魔力量を隠す練習って、早く言葉を話すようにして、練習ができるようにならないと、判定の時に魔力を持っていたら、バードやレスと離れて暮らす事になるのよね。言葉を話したいわ)







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る