第11話

「来てくれてありがとう。」

マティー神父が、後ろに立って声をかけてきた。

(いつの間に来ていたの?この間もだけど、足音がしなかったわ)


驚きながら、バードも、レスも後ろに振り向いた。

「ケイトが、みんなを連れてきてくれたのかな?」


「お久しぶりです、中々、ケイトを連れて来ると約束していていたのに、来なくてすみませんでした。」バードがマティー神父に向かって口を開いた。


「やあ、バード、久しぶりだね。君達が、約束を忘れた訳ではない事は知ってるてるよ。昨日、君の家に行って、レスに、連れて来てくれと言ってたんだ、こんなに早くに連れて来てくれるとは思ってもいなかかったけどね。ありがとう」

マティー神父が、後ろを振り向いた。そこには、村の子供達が集まっていた。


「子供達も、一緒に、来てくれたんだね」と目を細めてる。


「村の子供達にケイトの紹介をしながら、教会に行くことを知って、一緒について来たんだ。」とバードが答えた。


マティー神父が、子供たちに手招きをした。

「これからね、ケイトに本を読み聞かせをするんだけど、みんなも一緒にどうかな?」と声を掛けてる。


(はー マティー神父何を考えてるの、ケイトは5カ月位よ、本に興味がある訳がないじゃない。中身の40才のおばさんは、早く文字を早く覚えて、話せるようになりたいから良いけど、他の子供達はどうするのだろう)


「神父様、ケイトも一緒に本を読んで貰うの?」

「ケイトに読むのなら、俺にも読んでよ」

「えー、ケイトに本読んであげるの?」

子供達が、次々にマティー神父の言う。


「そうだね。ケイトに、本を読んであげようと思うよ。みんなも、一緒に聞いてみるかい、ここに来たら、いつでも本を読めるようになるよ。」とほほ笑んでいる。


「マティー神父、ケイトに本ですか?」少し、眉を顰めてる。

「バード、本を読んであげてる間、ケイトを僕に抱かせてもらえるかな?」

「・・・・はい」渋々返事をすると

「本を取ってくる。みんなそこに座って待ってて」と言い、本を取りに行った。


「マティー神父に抱かせるのか。」


「バード、そういう言い方、変よ、仕方がないじゃない、約束なんだし、抱っこさせて、みんなと一緒に本を読んでもらっうだけじゃない。バード、その間に、ね。」レスが、バードと目配りをしていた。


「ああ、そうだな。本を読んでいる間、行こうか」と目を伏せた。


(ケイティのお墓に行くんだ。そうよね。ずっとケイトと離れなかったから、ケイティのお墓に行っていなかったもの、ゆっくり、お墓に言って、ケイティと話してきてね。)


マティー神父が戻って来て、ケイトを受け取り、そして、膝の受けに置き、村の子供達は、マティー神父とケイトを囲む様に座った。


ゆっくり本を読み始める、マティー神父は、子供達が文字に興味を持つように、読み進めた。


(文字、読めない、単語は、何となく解るけど、最初だもの、これから徐々に覚えればいいわね)


マティー神父の膝の上で、手をしゃぶりながら、本を読んで貰ったいる。

1冊、本を読み終わった。

「今日はこれで、お終い」と優しく言うと


「えー まだ、読んで欲しい」

「続きは?」

「今度はいつ」

と子供達からの催促の言葉が、来る。


「そうしたら、明日も来るかな?続きの本を読んであげるよ」


「ケイトも明日来る?」

「ケイトが来なくても読んで貰える?」

「明日も、来るから読んで」

子供達は、大きな声で、催促してくる。


「ケイトが来なくても、読んであげるよ。だから、明日も教会においで」と和かに目を細めて答える。


「神父様、明日も本当に読んで貰えるの、俺達がきてもいいのか?」子供達のリーダーが聞いて来くる。


「毎日、君達が来ることは、問題ないよ。それにね、本を読む事は、とても大切な事だよ。そしてね、君たちが、自分で本を読める様になる事が一番いい事なんだよ」と諭す様に話し始めた。


「俺達、文字が読めないから、本は自分で読めないよ」不貞腐れて言い始めてきた。


「そうだね、始めから文字を知っている人はいないよ。

最初はね、ケイトの様に何も知らない所から始めるんだ。

一文字ずつ覚えれればいいんだよ。

覚えれば、本を自分で読める様になるからね、

明日も本を読むから、来たついでに少しでも、文字を覚えないか?」


「毎日、俺達は来るようにするから、神父様、本を読んだ後に文字を少し教えて貰える?」とマティー神父に向かって真剣に聞いて来た。


「勿論、歓迎するよ。毎日、本も読んであげよう。そして。毎日少しずつでも、文字を覚えようね。」にこやかに笑っている。


「神父様、俺達は帰ってから、お父さん達に話をするから帰るね明日また来るね。」

とリーダの子が言うと、子供達は次々に挨拶をして、帰っていった。


残されたのは、マティー神父とケイトだけだった。


「ケイト、バード達が、戻ってくるまで、少しの時間だけど、魔力を流すけど、泣かないでね。」と語り掛けて来ると、両手をしっかり握ってくる。


(わー 何かが、身体中に流れる、気分が悪いわ、泣くなって、我慢するわよ)


心と身体が一致していない。どうしても条件反射で、

オギャー オギャー我慢できない」と声を出してしまった。


「ケイト、ごめんね。君の魔力量を調べていたよ、やはり、多いよ。村の水晶でも、確実に分かってしまうね。 もう、しないから、泣き止んでくれないかな? また、バードに睨まれる」

と眉を顰めて、あやし始めた。



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