第2章 魔力検定後
第35話
魔力検定の結果を事前にマティー以外は、知らなかったから、判定は、魔力なしの結果を聞き、3人は、今までと変わらずに、過ごせる事を喜んでくれた。
ドミニク神父だけは、腑に落ちなかった様で、
「ケイトちゃんには、魔力があると思ったんだけどな。」と最初の頃は言っていた。
あれから、一年、もうすぐ6歳になる。
マティーの執務室で、魔法の本を読み、生活に便利な魔法を少しずつ、教えて貰い、魔道具の魔石の魔力量を考えながら、使っている。
エマが、髪留めの魔石とペンダントの魔石は
どちらかの魔力量が、急激に減ると、片方が補充し、同じ量の魔力量に調整をしている事を話してくれた。
だから、魔力を使う時は、どちらかを触れば、問題はないと教えてくれた。
一番最初に覚えた、回復魔法『ヒール』は使える様になっている。
「ケイト、ヒールは使えるだろ。」
「・・・・うん、使えるよ。」
「最初に教えたからな、まだ小さくて、言えなかったから、安心していたんだが、ケイト、ヒールを無詠唱で、使えてたんじゃないか?」
(言葉を言えなくて、心の中で、唱えたら、使えたのよね。髪留めを付けて、使えなくなってからは、諦めて、無詠唱での魔法を使わずにいたから、使えるか、どうかわからないわ。)
「判らないよ。使ってないもん。」と少しだけ拗ねながら、マティーに言った。
「ケイト、最初の頃にヒールが言えなくて、練習をしても、言えないから、安心をしていたら、ケイトは、何も言わないで、膝の擦り傷を治していたよ。それを無詠唱というんだ。
無詠唱は、魔力量が多い事と骨を掴む事なんだよ。」しっかりと、
(マティーには敵わない、ヒールを使って、擦り傷を治していなの知っていたのね。たまに、治らない時もあったんだけど、それも知っているのかな?)
「うん、膝を指すったら、怪我が治る事もあったよ。でも、治らない時もあったもん。」
「そうだね、治らない時は、魔力量が足りなかったんだろうね。
無詠唱で、魔法を使うのは、魔力量を使うからね。」
「無詠唱で、使う魔力量って、詠唱を言った時とどれ位違うの?」
「そうだね、全ての魔法でないけどね、大体、詠唱を唱えて使う魔法を10回とすると、無詠唱の魔法は1回しか使えないくらいの魔力量だろうな。」
「マーぷは無詠唱の魔法を使えるの?」
(そうよ、多分、防音結界と移転魔法は使えるわ。詠唱を聞いた事がないもの。覚えて使えるようになろう。)
「それは、いくら、ケイトでも、内緒だよ。人それぞれに、魔法の属性がある。持っている属性によって、魔法の特性もあるんだよ。それにね。無詠唱で使う魔法で、その人の魔力量が解る時もあるからね。」とにっこりと微笑んでくれた。
「マーぷは、狡い、
「そうだね、狡いか〜、じゃあ、僕は防音結界だよ。」にっこり笑って、久しぶりに、人差し指を口に当てた。
私も同じように、人差し指を口に当ててた。
「ケイトと内緒が多くなっていけないな。」目尻を下げながら、にっこり笑っている。
「無詠唱は、便利だけど、魔力量を考えないといけないよ。使いたい時に、使えないって事も起こり得るからね。」少し強い口調で言った。
「うん、大丈夫だよ、だって、
「先の事は、判らないからね。ケイト、もうすぐ6歳の誕生日だね。
これは、誕生日プレゼントだよ。」と言って、本を渡された。
「これは・・・・」
「魔法の初期に覚える本だよ。マナーを覚えたら、魔法の基礎を覚えないとね。」
「マーぷの本で、十分だと思うけど。それにマーぷに教えて貰ってるもの。」
「この本は、基礎の基礎の部分がないんだよ。ケイトは、このまま魔力なしで、この村で、生きるのだから、僕が居なくなった後に必要になるかもしれないからね。」
「マーぷ、この村を出て行くの?」
(そんなの嫌よ、まだ、マティーには、習わないといけない魔法が、残っているし、それに、マティーが、居なくなる事を考えた事無かった。)
「いや、今は、出て行かないよ。まだ、仕事が残ってるから、もう少し、先の事だよ。
でも、僕は、ケイトの様には、ずっとこの村には、居ないんだからね。」
「そうなんだ・・・・でも、まだ先よね。」
「そうだよ、まだまだ、先だね。」
「マーぷ、本しっかり読むね。」と言って、去年、空間魔法で中が広くなった、バッグに入れた。
(マティーの仕事、この村の子供達に文字を教える事だったよね。文字の読み書きができる子供も増えて来たから、言っているのよね。
家に帰ると、バードとレスが誕生日祝いを準備していた。
かわいい、ワンピース。
全体が、薄いブルーに裾には、縁取りは、グリーン。
胸の所には、ワンポイントで、赤いバラの刺繍が、施してあった。
「ケイト、おめでとう。6歳になったんだね。」バードとレスがそれぞれに、お祝いの言葉をくれる。
「ありがとう、お父さん、お母さん。
そして、ワンピースを着て、回ってみせる。
髪留め、ペンダント、肩掛けバッグ、そして、今年のワンピース。全て、バードとレスの子供と判る色に包まれている。
「とっても、可愛いわ。」
「当たり前だろ、俺達の自慢の娘なんだから」
二人とも目を細めて微笑んでいる。
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