ヤラセ番組
●「お前ってテレビ番組のヤラセってどう思う?」
▼「バラエティーならあり。ドキュメンタリーとかニュースとかはあんま見ねえけどその辺は良くないんじゃね?」
●「そっかー。俺はバラエティーでもちょっと嫌だわ。裏切られた気持ちになって悲しくなる。」
▼「かわいい」
●「でも確かにそういう考えはあるよな。バラエティーだったら面白ければ良いみたいな感じ。」
▼「ちょっと語弊ないかそれ?・・・まあ、要は企画力の話だよな。そもそもヤラセだからといって面白くなるとは限らねえし。」
●「あと出演者も大変だよな。自然に見えるようにしないといけないわけだし。」
▼「あーそれは確かに。そうなると演技力とかも必要だな。自然に驚くのとか俺だったら無理だわ。」
●「俺ちょっと自信あるかも。」
▼「へぇー。・・・あ、そういえばお前課題やった?」
●「いや聞けよ。今完全に『じゃあやってみて』の流れだっただろ。」
▼「知らねえわ。どうせ微妙なクオリティの驚きでお前が恥かくだけだろ。」
●「純粋な悪口。いいじゃん、お前が損すること無いわけだし。」
▼「いや俺共感性羞恥だから。誰かが恥かくとこっちまでいたたまれなくなるから。」
●「骨の髄まで日本人め・・・!」
▼「そうだよ。で、課題やった?」
●「頑なに聞いてくるじゃん。あ、じゃあこうしよう。俺が課題の存在知らない体で行くから、お前から課題の事を初めて聞いて驚くって流れで。」
▼「シンプルな茶番。」
●「いいじゃん、付き合えよ。」
▼「はぁ・・・そういやお前課題やった?」
●「え、課題?何それ。」
▼「あー、世界史の課題あっただろ?」
●「えーっ、ちょマジで!?ちょ、嘘だろ?知らんかったわー!マジで!?」
▼「・・・マジで。」
●「ちょ、マジかよー。えー、やってねえわ、マジかー」
▼「・・・・・・・・(ドゴッ)」
●「ぐふっ、突然の腹パン・・・!?」
▼「すまん、シンプルにムカついた。にしても語彙力死んでんのか。『ちょ』と『マジ』使いすぎだろ。」
●「えー、でも本気で驚いた時ってそんなもんじゃね?」
▼「そうだとしても茶番に付き合わされた上にクオリティの低いリアクション見せられた俺としては純粋に時間の無駄だったわ。」
●「手厳しいなぁ・・・自信あったんだけど。」
▼「まあお前にヤラセ番組の出演者は無理ってことだな。・・・んで、結局課題はやったのか?」
●「いややってねえけど。いつまでだっけあれ?」
▼「次の授業で提出だぞ。」
●「・・・・・・・・・・・・・・へ?」
▼「お前本気で驚いた時に『ちょ』も『マジ』も言わねえじゃねえか。」
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