S4 白雨事件ファイル:縊死 1月26日

――白雨市 裏路地紅葉――


灯風「よっと。そろそろ夜用に切り替えないとな。ガキ共ー、はいいか。たまには俺がやらんとな」


紅花「ボクも手伝いますよー」

骸「トーカ えらい」


ラウラ「ご主人様すごい!偉いですよ!!!」


ウール「いやー今日もよく働いたなぁ!9時間も寝ちゃった!」


灯風「やめろやめろ……。なんか俺が日頃適当に顎でガキ共こき使ってるみたいじゃねえか」


上ノ瀬「えっ?」

骸「シンラ いつも えらい」


灯風「いやお前はペットだから」


上ノ瀬 「あぁ!?なんでだよ!」

ウール「森羅くんお手!」


▶骸は期待した目で森羅に手を出しています


上ノ瀬「しねえよ犬じゃねえつってんだろ!?いつになったら覚えてくれんだよ……」


灯風「――よっと。はー毎日とはいえ紅葉の経営ブラックだよな。10時間労働とか普通になってきたわ」

ラウラ「人手が……」


紅花「はっはー、ボクはほぼほぼ調理のみだから楽だけどねー」

清浦「はーい救世主真帆さんですよー」


▶鷹見が入り際に提案をかけてきます


鷹見「それなら雇うかい?依頼とは別で報酬もらえるなら喫茶店のバイトでもやるぜ?」


灯風「わるかないな。履歴書……はでっちあげりゃいいか。免許か保険証かなんかあるか?」


鷹見「今までフリーターで生計立ててたんだぞ。普通に働けるくらいの信用はあるさ」


灯風「そうじゃねえって。”こっちの”履歴書がいるんだよ」


曜灯「こんばんは。いつもどおり、皆さん楽しそうですね」


ラウラ「女性は申し訳ありませんが……。これ以上ご主人様の酒池肉林を増やすわけには……」


紅花「酒池肉林(笑)」

ウール「けどほら、曜灯ちゃんも森羅くんのお手見たいって!」

骸「ヒカリ いらっしゃい」


▶骸は再度森羅に手を出します。それとほぼ同時に笠岡も入ってきます


曜灯「え?え?」


笠岡「邪魔するぞ。適当にグロでも嘔かない人間をよこせ」


紅花「だそうですよ」

清浦「私もここに雇ってくれま……」


灯風「せん。ちょうどいい感じにグロ耐性あるピチピチのギャルならいるぞ」

笠岡「こいつはいらん……。まあ取り敢えず話だけは通すか。奥借りるぞ」


清浦「なんでよ! 私も楽しい甘い時間を見てたいのに」


灯風「犯罪を起こされそうなのはちょっとな……」


清浦「見るだけなのに!」

骸「マホ ……ごめん」


ラウラ「皆様も奥へどうぞ……。鷹見様は履歴書をでっち上げるので少々お待ちを……」


鷹見「はいよ、むしろあれと一緒に居ずにすむってのならいくらでも待つさ」

上ノ瀬 「助かった、早く話聞かせてくれよ」

ウール「いらっしゃいませご主人様!奥1名様入りやしたー!!」


――白雨市 裏路地紅葉:奥の部屋――


笠岡「――またまとも枠はいないのか。仕方ない。取り敢えず概要を話すぞ」


ウール「森羅くんまともじゃないって!ぷーくすくす」

上ノ瀬「全員だろ全員。俺だけじゃねーよ」

清浦 「こういうところなんでしょうねえ」


笠岡「今回の通報者はえっと……。アリサカだ。アリサカと言うやつが裏山で怪奇音を聞いたとか言って警察に通報してきた」


曜灯「アリサカさん……って、この間郷土資料館にいた蟻坂さんでしょうか?」

清浦「怪奇音ねえ……」


笠岡「するとえーっと……。裏山で川上の旦那と思われる靴が出てきた。潜伏しているかもしれず、怪異の可能性もあることからこっちに調査を回したわけだな」


紅花「怪奇音……?具体的にはどういう感じの音ですかね」


灯風「情報が足りねえんだよ直情ボケ。とりあえず、わんころこっちこい」


ウール「いってらっしゃいわんころ!」

上ノ瀬「繰り返さなくていい。んでなんだよ」


灯風「お前ら。今更の話だが、このわんころはうちのペットだ。よく来たな。はいジャーキー」


紅花「あ、ボクもやりたいなあそれ。いいなあ」

上ノ瀬「やめろやめろそんなんじゃないからな!」

曜灯「ペットだったんですか。今度わたしもジャーキー買ってきたほうが良いでしょうか?」

骸「コーカ ヒカリ はい」


▶骸は上着からジャーキーを1つづつ渡します


曜灯「ありがとうございます。普段から持ち歩いてるんですか?」

骸「シンラ 遊ぶ 楽しい」

紅花「はっはー、ほーらジャーキーだよー」

曜灯「どうぞ~」

上ノ瀬「離せー俺はペットじゃないー餌付けなんてされなーーーい!」


▶紅花は森羅を抱きかかえて食べさせようとします


灯風「こっちのけたたましいうさぎはうちのマスコットだ。ほら一発ギャグ」


ウール「ウールちゃんはウールちゃんだよ!普段はウールちゃん探検隊をやりながら、ここの灯風おじさんのお家で奴隷みたいに扱われて費用を捻出してるの!」


灯風「そのとおりだ。俺の奴隷だ奴隷。まあこんな感じで人じゃないやつを紅葉は保護という建前で監視をしている」


清浦「そーだったのかー」

ウール「否定してよ!!!!」


灯風「ついでに人間社会への順応も兼ねているわけだ。わかりやすいのがむーくんとかだな」


曜灯「あの、その説明は今更なのでは……?」

骸「ムクロ わかりやすい?」


灯風「ああ。とってもいいやつだぞ。――それで、順応していない、もしくは人間社会へ反抗的な層もいる」


ウール「森羅くんも反抗的な態度取ってたら保健所に入れられちゃうよ!」

上ノ瀬「知るか!俺を保健所に入れようとした奴が捕まれ!」

紅花「忘れてるかもしれないけどボクも紅葉の一員だからねー……。まあ、あんまり戦いには向いてないけど」


灯風「てめえは人間だろうが……。一番人間味ねえけどな。それで、そういった敵対層の気配を感じた場合、軽い事象であっても紅葉に回される」


骸「それが 今?」


笠岡「そのとおりだ。今回はその選抜を借りようと思ってきたのだ」

笠岡「じゃあ、このピチピチのギャルをくれ」


灯風「そいつはダメだ。そのまま牢屋行きになるロリコンだから戦力が減る。取り敢えずわんこを連れてけ。匂いとかあるだろ」


清浦「ちょっとまって牢屋って何?」


笠岡「こっちのギャルは?」

灯風「そっちはいい。あわよくばそのまま帰ってこなくしていいぞ」


紅花「ギャル……」

清浦「若く見られているから良いじゃないですか……。たぶん」

紅花「――あれ!?ひょっとしてボク!?ボクがギャルってこと!?」


笠岡「後はツッコミか……。羽川探偵!」

ウール「しょうち!」


▶ウールはハリセンと刀と拳銃を持ち出してきます


清浦「絶対その人ボケですよ!」

曜灯「あの、人選ミスでは……?」


灯風「知らん……俺は知らん……」


▶骸は曜灯の肩を叩いて首を振ります


笠岡「では行くぞ。ギャルと犬と探偵とは……まともなのは俺しかいないのが不安だ」


上ノ瀬「選んどいて何言ってんだよ」

曜灯「えぇ……」

ウール「なんでやねん!」

曜灯「あいたっ。もう、そういう事すると森羅くんにジャーキーあげませんよ!」

清浦「その3人を指名して自分がまともだといえるのはすごい」

紅花「ってことは帰ってこなくていいってボクの事かな!?ええ……?なんでボクそんな嫌われてるんだ……?何かしたっけかなあ…?」


▶笠岡は不満げに車に乗り込みました


ウール「あ、ウールちゃん助手席ね!今日はワトソンの服着ようかなーっ♪」

上ノ瀬「よーしじゃあいくかぁ山狩りだ山狩り」


灯風「いろいろとやばい気がするが……。まあいい。ボケが減るのは楽でいい」

ラウラ「遅れました……。履歴書を偽造してご主人様の嫁にするのに手間取りまして……」

灯風「……鷹見?」


鷹見 「知らんぞ、俺は見てない」

紅花「そ、そういう関係だったんだ……」

曜灯「えっ、鷹見さん鷲羽さんのお嫁さんになるんですか?」

紅花「……おっと、笠岡さんを待たせてる場合じゃないか。じゃ、行ってきまーす」


ラウラ「冗談です♪それで、城跡公園で川上さんの旦那様の目撃情報がありまして」

灯風「心臓に悪い……ツッコミキャラの自覚を持ってくれ鷹見。ってことは川上旦那が妖怪かなんかってことか?」


鷹見「はー、あんな訳のわからん冗談を真に受けるのか。それにツッコミなんて期待されても困るぞ、関西人でもないのにできるわけ無いだろう」


灯風「冗談じゃない時があるんだよなぁ……」

灯風「まあいい……。とりあえず残りの連中で調査するか……。」


▶灯風は秋枝に電話をかけます


秋枝「あっ灯風さんですか?いきなりラウラさんすごいぞマシーンが急に動き出して……」


骸「おけまる いこう ヒカリ」

曜灯「えっ、あ、はい」


灯風「あっ……先に行きやがった。まあいいか。俺はむーくんのサポートに回る。ラウラは神社に行ってくれ」

ラウラ「はいはーい!妾様とハーレムに入りたい人は私と一緒に神社にごあんなーい!」


鷹見「――人数的に俺は神社に行ったほうがいいやつだろ?」

清浦「……じゃあそっち行きますかね!」


――白雨市 城跡公園――


▶18時を過ぎたくらいの公園です。スーツを着てベンチで寝てる人や、一人寂しくブランコを漕ぐ学生。散歩中の主婦などがいますね


灯風「おかしいな……。旦那が妖怪か何かだと思ってたんだが……」


曜灯「最後の目撃情報がここだからと言って、ここでなにかあったわけではないんじゃないでしょうか。裏山からも遠いですし」

骸 「ここから 消えた?」


灯風「それもそうか……。困ったな、妖気がないならそのへんの男を見つける作業か……。おおぅ……」

灯風「俺は一応妖気の確認をする。聞き込みとかは頼んだぞむーくん」


曜灯「そもそも川上さんの旦那さんって、どんな人なんですか?顔もわからないとどうにもならないと思いますが……」


灯風「知らん……。だから妖気方面で探ってみる」


曜灯「えぇ……。地道に探してみるしかないですね……」

骸「名前 聞く いい」


▶骸 質問

 成功

▶曜灯 客観視

 成功

▶時計台の場所でふらふらとしてると、見たことのある黒髪の女性が寄ってきます


主婦「川上さん?あー最近見てないわねぇ……。お嫁さんが災難になってからずっとこのへんで黄昏てたのは見てたんだけど……」


骸「黄昏 悲しみ 辛い」


樋爪「えっと、白死蝶ガール!――じゃなかった。黄楊さん、しばらくぶりね」


曜灯「あ、樋爪さん。こんばんは」


樋爪「ボディーガードのお兄さんはいないのかしら?それで、黄楊さんは何をしているの?」


曜灯「ムーさんなら近くにいると思います。うーんと、川上さんの旦那さん?について調べてるんですけど、何か知りませんか?」


樋爪「もしかして遊一さん?それなら有意義な情報交換ができそうね!むーさん?を呼んできてくれるかしら?」


――白雨市 朱鷺森狐火宮神社――


秋枝「あっこんにちは鷹見さんと清浦さん!――後ラウラさん」


清浦「こんにちは~この前はありがとうございましたー」


ラウラ「もー!!!妾様と一緒に来たのにー!冷たいなー」


▶ラウラは珮未のほっぺたをスリスリしています


鷹見「久しぶりだね。……仲は良い、のか」

清浦「そんな仲だったんですか……?」


ラウラ「仲いいに決まってるじゃないですか~~~~妾様もすりすりします?」

秋枝「た、助けて……」


清浦「ほらほらダメですよラウラさん」

鷹見「はぁ……俺らは何をしに来たのか知らないんだから、しっかりしてくれ」

清浦「そうですよ! うらや……じゃなくてやることやらないとだめです」


秋枝「ありがとうございます……」


――白雨市 朱鷺森狐火宮神社;本殿――


秋枝「これです。ラウラさんすごいぞマシーン1号が故障してるみたいで……」


▶機械が無意味にガタガタと動いていますね


鷹見「それの修理をすればいいのか?」

清浦「なんというか、不気味だ……」


秋枝「そうなんです。ずっとガタガタしてて怖くて……」

ラウラ「ふっふっふ……任せてください!このスーパーラウラさんにかかればちょちょちょいのちょいですよ!!」


鷹見「お前の名前がついているマシンが壊れかけてるんだぞ。その言動は不安しかない」

清浦「今は、ラウラさんすごくないぞですからね」


ラウラ「てやーい!!!」


▶ラウラは思いっきりラウラさんすごいぞマシーン1号を蹴り飛ばすと、機械は動かなくなりました


清浦「えっ」


秋枝「すごい……!」

ラウラ「ドヤヤヤヤヤァ……!」


鷹見「どう考えてもだめな方だろ。完全に逝っちまったんじゃないか……」

清浦 「単に破壊したんじゃ……」


ラウラ「そんなわけありません!チョーッップ!!!」


▶ラウラは思いっきりラウラさんすごいぞマシーン1号を右斜め45度ではたき落とします


清浦「なんでこいつ遣わせたんだ……」

鷹見「よし、一旦離れろ。このままやらせるとまじで爆発するかもしれない」


▶機械がガガガ……と動き出し始めます


清浦「うっそ」


秋枝「わわわ……え、えっと……」


▶秋枝は九字を急いで切り出し始めます


鷹見「ストップストップ!何しようとしてるかわからないけどコレ以上はやめてくれ!」


秋枝「動き出したら止められないんです……!」


清浦「もはやなんなんだか……」


▶機械から若い男性がゆっくりと浮かび上がってきます


秋枝「術式を維持するので後はお願いします……」

ラウラ「あっ、聞き込みはご主人様の専門で黙ってろって言われてて……」


鷹見「……はぁ?」

清浦 「はあ?」


???「どこだ……?俺は公園にいたはず……」


清浦「こんばんはーー、まずはお名前を聞かせていただいてもよろしいですか?」

鷹見「いや、ちょっとなんでそんなに平然と……。えぇ、もしかしてついていけてないの俺だけ?」

清浦「最近わかったんです、考えても無駄なことは考えないって」


川上「あ?ああ……。俺は川上遊一かわかみ ゆういち。会社員だ。――いや、こないだやめたんだったな」


鷹見「はぁ……。それで、会社辞めて公園で時間つぶしてたんっすか、お兄さんは」


川上「いや違う。俺の嫁が殺されてな……。ずっと犯人として疑われてたんだ。会社にな」


鷹見「あー……。そう、か。――辛いことがあったんだな」

清浦「そういえばニュースになっていましたね。それは本当にお辛かったんですね……」


川上「俺にとって嫁は全てだった……。そんな彼女を俺が殺すわけがない……!」


▶清浦 嘘発見器


清浦「疑われていたなんて本当にひどい……。私もあなたが殺すだなんて信じていません……」


川上「同情はいい……。それでここはどこだ?」


鷹見「神社だよ。――疑われるってことはその場に居合わせたとかか?」


川上「いや、俺はその時日雇のバイトをしていた。今どきSEなんて金にならんから休日にも出てたんだよ」


鷹見「大変だな。しかし、それならなんで疑われたんだ?その場に居ないんじゃ犯行は無理じゃないか」

清浦「たしかに無理です」


川上「いや、城跡公園の上の立浪工事で日雇してたんだが、それが会社にバレてな。副業禁止だから会社に正直に自白したんだ。――だが、会社は立浪工事なんてないっていうんだよ」


▶鷹見 ローカル知識

 成功

▶清浦 ローカル知識

 成功

▶よくよく聞くと聞き覚えありますね。その会社は冬泉コーポレーションです


鷹見「ない……?そんなことないだろ、立浪工事って聞いたことあるぞ」


川上「いや逆だ。うちは冬泉の孫請けなんだが、立浪工事がないって言われたんだよ……」


清浦「工事っていつやってたんです?」


川上「ずっとやってたぞ。えーっと……。そう、イオンの誘致してる頃から、今年のクリスマスくらいまで」


清浦「去年の暮れまでですか……。ではなぜ会社に疑われたんです?警察にじゃなくて……」


川上「それが……立浪工事はな、郷土資料館の上に住所があるって言うんだよ。俺が働いてたのは城跡公園でさ」

川上「確かに立浪工事って書いてたはずなんだが……」


鷹見「あーつまり、バイト先の会社をデタラメに言ってごまかそうとしたって思われたってことか」


川上「そうなんだよ。俺は確かにあそこで働いてたんだが……。どうなってるかわからん。気づいたらクビって言われるし、嫁も死んだし……」

川上「――不倫もされてたみたいだし」


清浦「ふりん……」

鷹見「全部不倫相手の陰謀だったりしてな」


川上「俺は相手の顔も名前も知らないんだがな……。というより俺はなんで神社に?」


鷹見「なんで神社にいるのかなんて聞かれても困るなぁ。俺たちもたまたま神社に来ただけだからな」


川上「そういえ――」


秋枝「もう……限界……」


▶突然川上の姿が掻き消えます


清浦「あ、消えた……」


秋枝「私の……力が……限界で……」

ラウラ「ふふふー!とりあえずご主人様に報告ですかね。私はすりすりするので先に行ってください妾様!ハーレム未遂の人!」

秋枝「抵抗が……」


▶ラウラはぐったりとしている秋枝にほっぺすりすりをしまくっていますね


清浦「ほらほら私達と行きますよラウラさん」

鷹見「そんなに無理するなら最初っから聞き取りが目的だっていいなよ。――ラウラさん、疲れてる子にそんな事するもんじゃないっすよ」


秋枝「言う……暇が……」

ラウラ「あーーーーーーれーーーーーーーー」


――白雨市 裏山:獣道――


▶笠岡たちは白雨市の東南にある裏山の入り口まで来たよ


笠岡「さて、ツッコミが羽川探偵しかいないのが不安だが、突入するか」


ウール「3人共ウールちゃんの足を引っ張らないように!登山を舐めてると死ぬよ!」

紅花「はっはー、頑張ろうかー」

上ノ瀬「今更山で困らねぇよ自分の心配しとけ」


笠岡「俺はこういうのは苦手でな。殴るなら任せておけ」


紅花「全般的にこういうの苦手なんだけどねえ……」

ウール「ビシバシツッコんでいくから、覚悟するように!」


▶先に進んで行くと、草のあちらこちらが踏まれており、この付近には人が入っていたんだろうとわかります


ウール「そういえばね、この前頂上でバーベキューしたんだよ!森羅くんも来れば良かったのにー」

上ノ瀬「え?知らないんだけど楽しそうじゃんなんだそれ」

ウール「店員のおねーさんとお肉いっぱい焼いてね!初日の出見たんだー!綺麗だったよっ」

紅花「うーん、あの厚切りステーキは美味しかったなあ」


▶更に奥に行くと古ぼけた社がありますね。この付近にも草の踏まれた後があります


上ノ瀬「はぁーずるいぞなんだよそれ次はいつだ?」

ウール「森羅くんはビーフジャーキーで我慢してね!」

紅花「はっはー、また機会があれば行きたいねえ。次は何を用意しようかな」

上ノ瀬 「そんなんで我慢できるか暴れてやるぞ!」


▶社を見送って更に奥に進むと、草の踏まれた跡がなくなってきます。藪道を歩くことになりそうです


▶ウール 心理学

 成功

▶上ノ瀬 サバイバル知識

 成功

▶冬なのにハエが増えています。獣の死体もあるようですね


ウール「やっぱり捜査の決め手はココロ!人情!いつだってウールちゃんは人情派の探偵だよ!」

上ノ瀬 「ん?ちょっとまてなんかあるぞ……」


▶どうやら鹿の死体のようですね。ただ、何故か胴体に悪鬼が出来ているのがわかります


ウール「ウールちゃん探偵閃いた!これは猟銃で撃ち殺されたのに放置された鹿さんの無念の悪鬼だね!」

紅花「*おおっと*……はらのなかにいる」

ウール「森羅くん、今日のおゆはんは鹿肉にしよーかっ♪」

紅花「お腹壊すからだーめ」

上ノ瀬「もうちょっと新鮮なやつにしてくれよ」


▶入ろうとしましたが、親指ほどの大きさで入れるような代物ではなさそうです。銃痕なども見当たりません。死亡から3日は経っていそうですね


ウール「二人には聞こえないの!?美味しく食べてほしかったっていう鹿さんの心の声が……!」


笠岡「羽川探偵の言うとおりだ!どうなんだギャル」


紅花「うーん」

紅花「鹿肉はわからないなあ。これ食べていいのかなあ……。3日くらい経ってるんだろうけどこの時期だしなあ……」

上ノ瀬「それでこの悪鬼はどうすんだ?ほっとくのもよくないだろうけど入れないだろこれ」


笠岡「なんだ、ギャルは鹿が食べたいのか。害獣駆除で余ってるから帰りに持って帰れ」


紅花「一回料理はしてみたいかなあ、って。――というかギャルはやめてほしいかな……」


▶更に奥に進むと、粗大ゴミがたくさん置いてある少し開けた広場のような場所に出ます。古そうなテレビやタイヤが無造作に置かれていますね


ウール「はっ!?そういうことだったのか……やはりここには昔高度な今と同じぐらいの文明が栄えて……森羅くん!これは大発見だよ!」

紅花「普通に不法投棄じゃないかなこれ」


▶上ノ瀬 観察力

 成功

▶上ノ瀬 正気度判定

 失敗[狂気表:女の子にもっと甘える[永続]]

▶上ノ瀬は土管の中で、内蔵に蛆が大量に這いつくばっているのを不意に触ってしままいます。腕に蛆が絡みつくように這いずり回り、反射で飛び退いてしまうよ


ウール「お?森羅くん何か古代の遺物かお宝の地図でも見つけた?」

上ノ瀬「これが高度な文明かぁ現代も大したこと……な、うわぁ!?」

紅花「うん?大丈夫?」

上ノ瀬「大丈夫……じゃない。はぁーいらんもん触った……」


▶紅花 ナビゲート

 クリティカル

▶紅花 正気度判定

 成功


▶土管の周りをよくよく見ると生肉が散らばっています。人間の太ももと思われる部分が乱雑に転がっていて、肉があらわになっています。これが人間のものなのは間違いないと頭で直感します


ウール「えー?いらんもんなら別にいいかな……しっかりしてよね!」

上ノ瀬「いてっ。なんだよもう少し気遣ってくれたっていいじゃねーか」

ウール「ウールちゃんは身内にだって容赦しないんだから!ビシバシ鍛えてくよー!」

紅花「うん?なんでこんなとこに……肉……?これ……ま、まさか、に、人間の……う、うっ……うう……」

ウール「うろたえるなー!所詮人間なんて肉と血でできたまがい物だ!」


▶ウール 神道

 失敗

▶ウールは気づきませんでした。後ろから白死蝶がひらひらと飛び、ウールの腹部をすり抜けて土管の中に入っていきました


紅花「流石にこれはきついかな……」

ウール「ほわぁ!?ウールちゃんの体がちょうちょに!」

ウール「店員のおねーさんこれ持ってて!待て待てー!」

紅花「え、いやいや、危ないって!」


▶ウール 気付け薬 紅花

▶土管の中を見ると、白死蝶が蛆を貪り食っています。幻想的かつ獰猛な光景で一瞬目を奪われます。ぼけーっとしている間に白死蝶が西に飛んでいきました。人間だと思われた部位はもう骨しか残っていません


ウール「これは!?つまり、古代の人も大自然の恐ろしさ、弱肉強食の世界には抗えずに滅んでいった事を示唆している……!」

紅花「一体何が……」

ウール「古代人の遺体を蛆が食べ、それをちょうちょが食べる……」

ウール「ウールちゃん達の求めていたお宝は、もっと神秘的な何かだったのかもしれないね……。いや!ちょうちょ追いかけるよ!まてまていー!」


笠岡「人間の死体か。羽川探偵お手柄だ。俺はここで現場検証をする。紅葉に戻って灯風から報酬を受け取ってくれ」


ウール「ちょうちょ!ちょうちょは!?」


笠岡「灯風が先だ。順序がある」


紅花「……誰の死体、なんでしょうね」


笠岡「さあな。まあ報告が正しいなら川上の旦那なのだろうが」


ウール「ええい仕方ない!森羅巡査!店員のおねーさん係長!署へと戻るぞ!我々の手には負えない!」

紅花「できれば紅花お姉さんかお姉ちゃんがいいかなあ……」

上ノ瀬「お、おう。そうだな、帰るか」


――白雨市 城跡公園――


▶灯風が樋爪と接触しているようですね


灯風「きみが樋爪さんか。俺は鷲羽。こいつらの保護者みたいなもんだ。情報交換を頼む」

樋爪「ええよろしく。お兄さんも……気づいたらいるわね。私は白死蝶について、あなた達は遊一くんについてでいいかしら?」


▶樋爪は骸を見て少し驚いた顔をします


曜灯「はい、よろしくおねがいします。」


樋爪「そうね……白死蝶についてなら何でもいいわ。私の知らない情報ならこちらも色をつけてあげる」


▶骸 文化知識

 成功

▶曜灯 仕事知識

 失敗

▶骸 物理学

 成功

▶曜灯 民俗学

 成功


灯風「そうだな……白死蝶はこの町でしか存在しない。大量に存在しているが今までの記録で死骸を見かけた記録もない」


樋爪「やはりそうなの……。遊一さんは最近毎日北の方をふらふらを見に行っては、溜息をついて椅子に座る生活を送ってたわ」


灯風「えっと……白死蝶にとりつかれたら死ぬらしい」


樋爪「知っているわ……。遊一さんはお嫁さんを殺人事件で失ったみたいね」


灯風「そうだな……、どうやら白死蝶には2種類いるらしい。身体をすり抜けるタイプと、身体にぶつかるタイプだ。相関はわからないがうちの酒場だとそういう話をよく聞く」


樋爪「へぇ……。初めて知ったわ。私が遊一さんに声をかけたのは1月の12日よ。白死蝶が遊一さんの周りをひらひらと飛んでいたの」


灯風「そうだな……。白死蝶の最初の目撃情報は天女伝説や龍神伝説の後だ。正しくは、伝説の最後に白死蝶がひらひらと飛んでいた。と追記される」


樋爪「そんな記述どこにあったの……?初めて知ったわ。遊一さんの近くに飛んでいた白死蝶は日に日に増えていったわ。いなくなる日……22日なんだけど、あの日私は遊一さんをひと目見て、虫あみを持ってきて、白死蝶を捕獲しようとしたの。でも、戻って来た頃には遊一さんはもういなかったわ……」


灯風「こんなもんでいいだろ。ほしい情報は粗方手に入れた。むーくんと、曜灯ちゃんもカバン漁るの手伝ってくれてありがとうな」


曜灯「いえ、お役に立てたのなら良かったです」


樋爪「こちらもいい情報を手に入れたわ!」


ラウラ「ご主人様~~~~~!!私活躍してきましたよ!!!」


▶灯風にタックルするよ


灯風「ぐふっ……。頭から突撃はやめろ……お前の頭は洒落にならん……」


ウール「灯風おじさーん!お小遣いちょーだーい!」


▶灯風に体当りするよ


灯風「かはっ……背中に肘入れるのはやめろ……笠岡はどうした笠岡」


上ノ瀬「あれ、ついてきてんじゃねーの?」

ウール「骨を調べるって言ってたよ!あの人やっぱり変わってるよね!」


灯風「骨……かぁ。そっちはどうだった?鷹見?お前しかまともに聞けそうなのがいない……!」


鷹見「この流れで話を振るって……、タックルしろって言うのか?――こっちが聞けたのは、会社から疑われていた、働いていた会社が実在しないと言われた、妻に不倫されていた、くらいだったよ」

清浦「あの。ああいう話を聞かせることが目的なら、先にそう言ってほしいんですけど」


灯風「お前なら知ってると思ってたんだが……」


紅花「灯風先輩ー物凄くグロい目に遭いましたー」


▶紅花は背後から胸を押し付けるように抱きつきます


灯風「ひっ……俺は無実だ……何もしていない……」


▶灯風はホールドアップしてゆっくりと引き離します。骸は灯風を守るように警戒していますね


紅花「あれ……。なんか思ってた反応と違う……」


樋爪「よくわからないけど……いっぱいいるのね?黄楊ちゃん」


曜灯「まあ、はい、そうですね。賑やかです!」

ウール「ねーねーもうちょうちょ捕まえに行っていい?おじさんが報酬が先って言われてきたの!」


▶上ノ瀬 神道

 成功

▶上ノ瀬だけ気づくことが出来ます。樋爪に東から大量に白死蝶が近づいてきています


上ノ瀬「お、ちょっとまてウール、向こうから来てくれるみたいだぞ。東の方だ」


樋爪「あれは……?」


ウール「なにぃ!?ちょうちょー!ちょうちょ捕まえさせろー!」


▶ウールはばたばた走っていって手で捕まえようとしますが、手からすり抜けていきました。そのまま白死蝶は樋爪の周りに大量に取囲み始めます


樋爪「え、えっと……これは?」


紅花「何か良くないことでも起きそうな……」

曜灯「あ……、樋爪さん!」

灯風「まずい!誰か体当たりしてでも止めろ!」


▶紅花 武道

 失敗

▶樋爪に体当たりをしようとしましたが、そのまますり抜けて地面に倒れ込みます。樋爪のいた場所には黄色の悪鬼だけが残っていました


紅花「ぎゃふん!」

鷹見「またこうなるのか」


灯風「やっべ……、一般人巻き込むのはやばい……。えっと……記憶消去って……」

ラウラ「記憶消去の魔法陣を検索します……」

灯風「えーっとえーっと……。人払いの結界は……」


ウール 「しょうがない!森羅くん行くよー!」

上ノ瀬 「……まあ、記憶消す前にこれ消さないとな」


ラウラ「無理しないでください!危険になったら戻ってくるんですよ!」


鷹見「さっきまでと態度が違いすぎやしませんかね。それだけ真面目になるくらいにはやばいってことか」

清浦「結局こうなるのか……もう……」

紅花「あいたた……大変なことになったなあ……」


――恋焦がれる白死蝶――


▶ガウラという花の花畑の奥に樋爪が倒れています。その手前には白死蝶のようなものがふわふわと飛んでいます。白死蝶のように見えますが、朧気になっており先程まで見た白死蝶とは少し違うと感じました


▶骸は我先にと飛び込み、曜灯たちを受け止めて降ろします


曜灯「わ、ありがとうムーさん」

紅花「こういう状態じゃなければロマンチックなんだけど……、はあ」

清浦「景色はいつも良いんですよねえ」


▶白死蝶のようなものは周りをきょろきょろと見渡すと、君たちと何もいないところに向かって殺意を向けているようですね


ウール「わー!見てみて森羅くん!大きなちょうちょ!」

鷹見「あっちはやる気満々ってか」

骸「雰囲気 いつもより ピリピリ」

上ノ瀬「ちょうちょを斬るのか?難しそうだなぁ」

紅花 「……何か、いるんですかね」

鷹見「何をしてくるかわからないときは、しっかりと守りを固めるに限る……。後ろは守りきってやるから、ちびっこたちは好き勝手暴れてきな」


▶鷹見 結界壁


▶大きい白死蝶

蝶の舞(補助。攻撃影属性固定。魔法追加ダメージ+20)

通常攻撃[暗黒雷光剣、薙ぎ払い]

 42ダメージ

[上ノ瀬:薄い本][ウール:薄い本][曜灯:蚊雷、薄い本]


▶清浦 オカルト知識で判定 封魔の御札 カエンタケ汁

 成功 11ダメージ


▶骸 毒付与 上ノ瀬曜灯


▶曜灯 観察力で判定[森閑]ノーガード[雨音]


▶上ノ瀬 神道で判定 通常攻撃

 成功 失敗

▶上ノ瀬は遠くにタオルのようなものが落ちてるのが見えるよ


上ノ瀬「うん?なんだあれタオルか……?」

清浦 「ふっふっふ……。潤沢な資産があれば毒液だって何でも手に入るのよ!」

骸 「シンラ ヒカリ それ 毒 触る 危ない」

曜灯「わ、包丁が。それなら私も準備します」

上ノ瀬「あっやべっ。いや気が散ったとこそんなんじゃ……」

曜灯「やっぱり、刀の大きさが合っていないんじゃないでしょうか……?」


▶紅花 サンクチュアリ[柳浪、裂帛][switch]

 12回復


▶ウール ポーション 諸刃の刃[5消費]

 成功 17ダメージ[追撃]27ダメージ


▶鷹見 光の壁


紅花「『輝け』!『癒やせ』!『聖域』!さーさー光よ巡って巡ってやっちまってー!サンクチュアリ!」

紅花「うーん、出力弱いなあ……」

骸「そんなこと ない コーカ 助かる」

紅花「ボクの技量が足らないんだよねえ……。あの子はもっと強い術使えるからなあ……」

ウール「その大きな羽をよこせー!うさくんの刺繍にしてやる!」

鷹見「物理じゃないなら、コレも有効だろ!」


▶大きい白死蝶 通常攻撃[薙ぎ払い]

▶清浦曜灯ウール鷹見 回避判定

 成功 他放棄 24ダメージ

[曜灯:絆庇う ウール]

[曜灯:オンリーイベントカタログ2個]

[毒:計76ダメージ]


曜灯「わ、危ない!大丈夫?ウールちゃん。」

ウール「神様仏様曜灯様~!ウールちゃんの命の恩人だね!」


▶清浦 通常攻撃

 成功[人間振り直し]4ダメージ[追撃]24ダメージ


清浦「くっらえー! 飛び道具だけの女だと思うなよ」


▶大きい白死蝶 朧の夜(身代わり200回分の効果)

▶突然、霞のように白死蝶が見えにくくなるよ。霧のようで姿を捉えられません


▶曜灯 通常攻撃

[[応援ください] (応援するよ!!)]

[身代わり]

▶攻撃は空を切ります


▶上ノ瀬 タオルのようなものを拾う


曜灯「あ、あれ?わたしもあんまり人のこと言えないかもしれない……」

上ノ瀬 「いいや先こっち拾っとくか、なんだこれ……?」


▶タオルを拾った途端、110cmくらいの女の子が出てきます


???「羽衣を拾ったのはあなたですか?」


上ノ瀬「お、おお!?これが羽衣ならそうだけど」


???「ありがとうございます。これはわたしの力なのです。返してくださいますか?」


上ノ瀬「おう、そうか。大事な物なら落すなよなー」


???「ありがとうございます。この御恩は後日……。その前にその醜い化生よ。わたしの力、返してもらいます!」


▶大きい白死蝶の真ん中から白死蝶がくす玉のように抜けていきます。抜けていった白死蝶は女の子のところに集まっていきます。


???「この御恩は必ず……」


▶女の子は白死蝶に包まれて消えていきました。残った大きい白死蝶は白色がかなり濃く、モンシロチョウレベルですね。霞のようなものも見当たりません


[天女の舞(身代わりの全消滅)]


上ノ瀬「いきなり現れていきなり消えてったな……なんだったんだ」


▶骸 通常攻撃

[[応援ください] (応援するよ!!)]

 失敗

 成功 12ダメージ[追撃]34ダメージ

▶骸は威圧的に羽ばたく蝶の懐に飛び込み、様子を見るように一発軽く身を当て飛び退きます


骸「当たる」

清浦「がんばれー!!!」

ウール「なんか色が変わっちゃった……君はもう洋ナシだからそのまましねー!」


▶ウール 諸刃の刃[19消費]

 成功 46ダメージ[追撃]34ダメージ

▶白死蝶はそのままバッサリと真っ二つになりました。その途端空間が崩れていきます。真っ二つになった白死蝶から、小さな白死蝶が少し出てきます。小さな白死蝶がパチパチと身体に当たる感触を感じていると、そのまま消えていきました。樋爪は奥で倒れていますね


上ノ瀬「終わったか。この蝶もなんか知らんけどいろんな種類があるんだな……?」

清浦「そうですねえ……。いろいろな蝶があるようです……」

鷹見「それよりも、早くあいつを連れ帰って手当をしてもわなきゃならんだろ」

ウール「森羅くんと話してた女の子のさらさらしてたの、すっごい綺麗だったよね!ウールちゃんも頑張ってああいうの作ろうかなっ♪」


曜灯「さっきの子、羽衣とか力がって言っていましたし、もしかして天女様でしょうか……?」


ウール「あの倒れてる人のお墓はどこに立てようか?喫茶店の裏とかどうかな!」

上ノ瀬「いいぜー俺が連れて帰る、よいせっと」


▶上ノ瀬は樋爪をおぶります


ウール「なんと!森羅くんいつの間にそんなタラシに……」

ウール「じゃあ、おやつあげるから頑張ってね!」

清浦「私からも謎の液体をプレゼントするから生き延びて……!」

上ノ瀬 「おかし……謎の……まあありがとよ、何とかなるだろ」


▶ウール ポーション 譲渡 上ノ瀬

▶清浦 高速回復薬 譲渡 上ノ瀬


鷹見「じゃあ俺らは先に戻るよ。頼んだぞ」

骸「シンラ 待ってる」

曜灯「樋爪さんをよろしくおねがいします」

清浦「待っているよ…………」

ウール「帰ったら一緒にビーフジャーキーパーティーしようね!」


▶上ノ瀬以外は先に出ていきました


[脱出判定]

 計32ダメージ


――白雨市 城跡公園――


▶灯風とラウラは相談しながら、本を読みつつ魔法陣を書いているみたいですね


灯風「記憶を消す魔法陣ってこれか?」

ラウラ「そうですそうです。ここに魔を込めるみたいです」


上ノ瀬「はぁーちょっと危なかったな。ただいまー」

曜灯「あ、おかえりなさい。ご無事ですか?」

上ノ瀬「おう、問題ないぜ」

清浦「おかえりなさいです。無事で良かった」

ウール「おかえりー森羅くん!元気そうで何よりだよー!」

ラウラ「よくやりましたね……」


▶ラウラは曜灯ちゃんとウールを撫でます


ウール「にょわぁっ!うんうん、ウールちゃんも大活躍だったもんねー!」

曜灯「わわっ……。えへへ……」

骸「シンラ よかった」

鷹見「戻ってきたのはいいけど、あいつどうするんだ?一般人だろ」


灯風「そうだな。むーくん、こっちにおいてくれ」


▶骸は上ノ瀬から樋爪を受け取ると、肩で担いで灯風の足元に降ろします


灯風「これは悪鬼に関する記憶を全て消す魔法陣だ。際限なく悪鬼に少しでも関わる記憶は消える。一般人はこの魔方陣でそいつ本人を守るって寸法だ」


鷹見「そんな便利なものがあったんだなぁ。俺らのときはデッドオアアライブだったってのに」


灯風「適性の問題だな。あの空間で正気を保てる人間は夜叉に向いてる」

灯風「はぁ……。これ恥ずいから嫌なんだよ……。えーっと……説明書通りに……きひゃひゅひゃふはははひゃひゅひゃはやひゅひゅひゅひゃひゃはや!!!!!!」


清浦「そんな説明書がどこにあるんですか」


▶魔方陣がピカーッと光って魔方陣が消えます


曜灯「えっ、しかも本当に機能するんですね、それで……」


灯風「仕方ない。報酬払うからその後紅葉によってくれ。今日はおつかれ。樋爪さんはうちで寝かせとくよ」


上ノ瀬「あーラウラさん、俺もいい……?」


ラウラ「いいですよー!ほーらおいでー」


▶ラウラは両手で頬を撫でます


上ノ瀬「うわぁなんか違うじゃねーか」

ウール「なにー?ウールちゃんじゃもの足りないっていうの!?」


▶ウールはわしゃわしゃーって髪の毛を触ります


上ノ瀬「ち、違うわそんなんじゃねーよ!――でも、たまにやってくれるといい」

清浦「可愛い子は目で愛でよってね」


――白雨市 清浦邸――


その日、清浦は夢を見た。

森の中で白死蝶がひらひらと小さな太陽の木漏れ日の下で舞っている姿を。

その日、清浦は夢を見た。

川の上で白死蝶がひらひらと舞っている上に、土が盛られていき、力無く息絶える姿を。

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