S2.2 歳神様のお見送り 1月6日

――白雨市 裏路地紅葉――


▶昼と夜の切り替えの合間の一時的な休業の時間、ラウラは切り餅を焼いているようですね


灯風「ふう。さすがに年末年始は人が多いな。1日の朝からゲーセン来てるやつは何しにきてんだろうな」


紅花「はっはー、暇なんでしょう」

ラウラ「まだ切り餅こんなに残ってますよご主人様。腐る前に食べちゃってくださいね」

灯風「おーいガキ共ーエサだぞー」


ウール「ほうほうほう!一年良い子に過ごしてた森羅くんにはお餅をプレゼントしてあげよう!」

上ノ瀬「同じもんくってんのにエサはないだろエサはちょまんぐっ」


▶ウールが森羅にお餅を口に詰め込めているのを骸は穏やかな目で眺めているようです


紅花 「ボクもここしばらくは紅葉の方の引き継ぎが残ってたからねー。そろそろ落ち着く頃だから皆の手伝いに来れる頻度は上がるかな」


灯風「期待せずに待ってるわ。仕事さえしてくれりゃあ文句はねえ」

灯風「まあ一応夜用に切り替えるか。ラウラ、頼むわ」

ラウラ「お任せください」


清浦「どうもー! あけましておめでとーございまーす!」

星名「あけましておめでとうございます、夜用になるまで待ってました」

鷹見「今年もよろしくおねがいします……年始の挨拶くらいはしとかないとな」

曜灯「こんばんは。あけましておめでとうございます。」


ラウラ「出待ちがいたので通しました」

灯風「徹夜組かな?」


星名「行ってみると分かりますけど、気にするのが馬鹿らしくなりますよ。だからって放置するのもって感じなんですけど……。難しいですね」

骸「徹夜組 海 落とす」


紅花「はぁーい、焼きたてパリパリの伸びーるチーズの餅ピザさ、冷える前に食べていってー」

清浦「ううん、何の話? ――おお、美味しいねこれ」


ラウラ「はーい曜灯ちゃんにはお年玉あげますよー」


曜灯「わわ、いつもいっぱいもらってるのに、悪いです」


ラウラ「お年玉を渡すのが楽しいんですよ。この感覚がわかれば大人ですね」

灯風「てめえも貰う側だろうが何したり顔してんだ……。それはともかく、人がいるなら仕事だ。正月の時期は毎年必ず起きる悪鬼だ」


清浦「正月に必ずですか?」

星名「喉に餅を詰まらせる悪鬼とか」

鷹見「初仕事が早いこと、もう少しのんびりしたいもんだけどね」

灯風「餅もあるんだがなぁ……。もっと大事なやつだ」


星名「あるんですか……」

ラウラ「ええ……。死人が出れば必ず……」

清浦「もしかして徹夜組?」

ウール「年明けから迷惑な話だよね!ウールサンタが成敗してくれよう!」


灯風「サンタはもう終わりだ。こっちだ、ついてこい」


――白雨市 裏路地紅葉:勝手口――


▶灯風に連れられ、勝手口の方に行くと青い悪鬼が出ています。


上ノ瀬「また特訓か?」

清浦「なんかもう見慣れたものだけど……。これはどんな悪鬼なんです?」


灯風「やっぱりな。これは松の内と言ってな。1月7日までに正月飾りは全て撤去しないといけないんだ」

灯風「これは、去年撤去し忘れていて行き場のなくなった神様の下っ端の残骸といったところかなぁ」


紅花「案外季節モノの悪鬼はバカにできないからね……。いつも湧くし」

星名「……意外と、ちゃんとした理由で出来る悪鬼なんですね」

鷹見「この調子だと雛人形をしまい忘れたから~って理由でも湧いてきそうだな」

清浦「思ったより真面目だった……。――確かに雛人形とかありそうですね」


ラウラ「出した飾りは直しましょうね。歳神様より、雛人形や兜の方が強いですよ」


曜灯「ハロウィンなんかは、それこそ百鬼夜行になるんでしょうか……?」

紅花「バレンタインデー……。いや、何も言うまい……」


灯風「その辺は強いから引き締めてくれよ。バレンタインは半分お前のせいだろうが……はぁ」


星名「神様の残骸って聞くと、ちょっと身構えますね」

ウール「つまりお正月を叩き壊せばいいわけだ!もうみんな12時の鐘が鳴って現実に帰る時間なんだね!」


紅花「そうそう、バレンタインデーはボクの手作りチョコも販売してるよ。個数限定でボッタクリ値段だけど不思議と売れるんだよこれが」


星名 「なんとなく、理由は分かった気がします……」

鷹見「――顔で売れるんだろうなぁ。まあ関係無いな、よし初仕事だ」


灯風「聞いてないぞ……?そんな事やってたのか。金が欲しいなら言えばいいのに」


上ノ瀬「言ったって抜け殻みたいなもんだろ?よゆーよゆー」

清浦「強そうですねえ」

ウール「森羅くん、そこの電柱にウールちゃんのこのほつれ糸結んでー!」

上ノ瀬「それくらい自分でやれよ」

ウール「ウールちゃんは忙しい身分!」

骸「シンラ それ 足」


▶森羅はウールの糸を電柱に結び直していますね。雑なのを骸が修正しています


紅花「いやいや、好意の詰まった現金はまた違うものでね」


灯風「性格が良ければ、嫁さんいなければって思うことはあるよ。中身はあの通りゴミの守銭奴だがな。――腐っても神様の手先だ、気をつけていけよ」

ラウラ「むー!!!」


紅花「ま、夢を売るのは案外楽しいからね……」

曜灯「新年の大掃除です!」

清浦「いきましょー」


――とんど焼きをする広場――


▶とんど焼きが悪鬼内で行われているようです。近くに来れば死ぬほど暑く、燃えてしまいそうですね。とんど焼きから燃えてない門松がしゅーっと降ってきて、ふらふらと重なり合っていってロボットのように変形します


星名「……ちょっとワクワクしますよねああいうの見ると」

紅花「ああ、前に会った人は知ってるかな?ボクは元々裏方作業が本業でね。――悪いけど攻撃に関しては期待しないで貰えるかな?」


▶戦闘前行動 星名 橙


▶鷹見 ローカル知識で判定 迫撃砲


▶清浦 ローカル知識で判定 C4[switch]

 19ダメージ


▶曜灯 ノーガード


▶上ノ瀬 神道で判定 通常攻撃

 成功 17ダメージ[追撃]24ダメージ[迫撃砲]10ダメージ


鷹見「思ったより火が強いな……。少し後ろに下がってるよ、前は頼んだ」

清浦「ちょうどいいものを仕入れたのよね。紅葉のおかげで資金は潤沢だよ!――くらえ、C4爆弾!」

曜灯「よいしょ、よいしょ、準備よし」

上ノ瀬「いくら冬とはいえ火のまっただ中ってのは勘弁したいなぁ!」

ウール「森羅くんの毛皮って暑そうだよね!ちょっともらってあげようか?」

上ノ瀬「ここ出たらまた寒いだろ!!!」


▶骸 ローカル知識で判定 ライフガード 毒追加攻撃

 成功 1+1+2ダメージ[追撃]計72ダメージ[迫撃砲]計40ダメージ

 成功 9ダメージ[追撃]26ダメージ[迫撃砲]9ダメージ


▶星名 ローカル知識で判定 ナズーリン[昔間畳]ルーミア

 16ダメージ


▶骸は燃え盛る炎に飛び込むように拳を振りぬく


星名「万が一に備えるのも出来ることだ……。今はこれで」

紅花「はっはー、皆強いねえ……。それでもあの子には追いつかないんだからなあ……。ホント、血は恐ろしい……」

星名「今ならここでも……いけぇ!」


▶燃えカスロボット 

変形合体(最大生命の半分分生命回復)

正月の心残り(全員0m側に15mずつ引き寄せる)

お焚き上げ(とんど焼きの効果を2回発動する)

とんど焼き(行動終了時、同じマスにいると固定15ダメージ)

[星名:絆庇う 鷹見][switch:紅花]

[清浦:薄い本、オンリーイベントカタログ][上ノ瀬:薄い本]

[星名:薄い本、オンリーイベントカタログ][骸:薄い本]

[毒:計66ダメージ]

[火が近い(行動終了時、特定のマスにいると固定5ダメージ)]


▶ロボットが門松をこちらに向け、掃除機のように吸い込んで焚火にくべていきます


紅花「わわわっ、ひ、引き寄せられてるッ!?」

清浦「わ、わわわ!」

鷹見「面倒なことを」


星名「……やらせるかって!決めたんだっ!!」

鷹見「いつもすまんな……。自分でなんとかしなきゃならんのはわかってるんだが……」

星名「ゲホッ、ゲホッ……。い、いいんです……、俺が、決めたことですから……」

紅花「げふっ!焼ける!焼ける!ああもうまだちゃんと準備できてないのに!」

ウール「おしくらまんじゅうって、みんなそんなに寒いならもっと厚着してきなよ!」

上ノ瀬「いくら焼いたっておいしくならないぞ、そもそも食わせてやらんけどな」


▶紅花 ヒール[柳浪、裂帛、リストーロ]

 22回復


▶ウール ポーション 諸刃の刃[25消費]

 成功 54ダメージ[追撃]25ダメージ[迫撃砲]4ダメージ

[アンダーシャツ(1度だけ致死ダメージを受けても1残す)]


▶清浦 C4

 15ダメージ


紅花「げほっ、は、っはー!巡れ輝け光よ癒やせ!二重強化・範囲拡張……ヒール!」

骸「コーカ ありがとう」

ウール「予備の生地持ってきておいてよかった!」

紅花「ま、ボクも瀕死だけどね……」


ウール「って……お洋服ちょっと燃えちゃってるぅぅぅ!!この服縫うの大変なんだよ!!ころしてやるー!」

清浦「ひひひ。もう一個も投げちゃうもんね!」


▶燃えカスロボット爆発して、とんど焼きに全部火にくべられていきます。空間も少しずつ崩れていきます


紅花「はっはー、たっまやー……!げほっ、げほっ……。あー、やっぱり戦線復帰が久々だと駄目だなぁ……」

骸「全員 無事 よかった……」

星名「ふー、暑さも寒さも適度なのが良いですね。帰りましょう」

鷹見「あーあ、くそ。正月からこれじゃほんとひどいな……」

清浦「あー……。ちょっとやりすぎちゃったかもなー……気をつけよ」

紅花「……ん、顔と髪は無事、と。商売道具みたいなものだから大事にしないとね」

曜灯「近づくと熱い……。でも遠ざかると寒い……ちょうどいいところって難しい……」

上ノ瀬「でもなー、寒いよりは暑い方がまだ……ここで言っても仕方ねぇか」

ウール「森羅くんお餅焼けた?帰ったら残さず食べてね!」


――白雨市 裏路地紅葉:勝手口――


▶戻ってくると、灯風が勝手口で餅を焼いています。醤油のいい匂いがしますね


灯風「とりあえず、餅焼いてるぞ。こういうのは七輪で焼くのが一番うめえんだ」


清浦「ああいいですねー。七輪とか風情があります」

紅花「あー、服汚れちゃった……。どうせ焼くならチーズも焼きましょう、チーズ」

星名「いいですね、ピザとか食べたいですね」

鷹見「この時間にそんな高カロリーなもの食べちゃ……いや、運動したあとだから大丈夫か。俺も貰おう」


灯風「報酬は後で払うからとりあえず餅減らしてくれ。まだいっぱいあるんだわ」


上ノ瀬「俺はもう十分減らしたろ?もういいよな」

紅花「こんな事もあろうかとボクが私費でラクレットチーズ買ってあるんだよこれが。チーズ餅しようチーズ餅」


灯風「いつの間に買ったんだ……」


曜灯「お餅パーティですね!」

骸「ゆっくり 食べる」

清浦「おお、こっち良い感じに焼けてますー」

鷹見「水につけて寒いところにでもおいておけば1ヶ月くらいは保つんじゃないか?」


灯風「量が洒落になってねえんだわ。りみちゃんとこにも投げるくらいでな」


ウール「ウールちゃんは焼く係だから、森羅くんは食べる係ね!」

ラウラ「食べてくださいね~。はいわんたんあーん」

ウール「今のうちに食べておかないと冬を越せないよ!」

上ノ瀬「限度ってもんがあるよなぁ!?冬眠もしないし大丈夫だって」


清浦「こういう正月も良いなー」


▶骸と清浦は曜灯たちを見てほっこりしているようですね


紅花「さーどんどん食べてー汁粉も用意してあるからいくらでもお餅入れていいよー」

星名「……なんか、不思議な感じですね。こんな風に過ごす新年なんて、想像もしてなかった」


曜灯「そー……」


▶曜灯は後ろから森羅君を撫でます


上ノ瀬「うわぁ曜灯!?なんだよお前まで餅を突っ込んでくるんじゃないよな……?」

ウール「抜け駆けはだめだよー!」

曜灯「いえ、こうしたら喜ぶかなって……?」


鷹見「……こんな騒がしい正月も久々だなぁ」

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