Raftの世界で生き残れ!21日目 豪華客船Vasagatan
ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・
そんな電子音で目が覚めた。
外を見ると、レストランが2階建てになっていった。
一定みると、案の定ミルがいた。
「あ、起きたんだ。おはよう!」
「おはよう。」
そっと挨拶をして、室内を見渡す。2階は操縦室になっているようだ。
帆とレシーバーがあり、アンテナもしっかり3本ある。
そして珍しく、レシーバーの電源を入れているようだ。
「レシーバーの電源入れるなんて珍しいね。ラジオタワーにでも行くの?」
さりげなく聞いて見たが、その答えは予想外のものだった。
「ううん。バサガタンに行こうと思って。」
「バサガタン?」
するとカノヤもやってきた。
「バサガタンはRaftの第2の目的地。いわゆる豪華客船かな。座礁してるけど。」
「でもレシーバーには表示されてないよ?」
「そこで周波数だよ。ほら、コウスケがメモ全部回収してたでしょ。」
ぎくっ。バレていたのか。
周波数と言われて、思い当たるメモは1枚しかない。
最上階のホワイトボードに貼り付けてあった『人々?#9943』と言うメモ。
「そう、それ。」
「でもこの筏、ラジオタワーに向かってるみたいだけど。」
「ぎくっっ。実は取り忘れがあったみたいで・・・」
「え?とり忘れなんてあるかなぁ。全部取ったと思うんだけど・・・」
「なんてやつ?」
カノヤが質問をするなんて珍しい。
「えっと・・・『ヘッドライトのブループリント』ってやつなんだけど・・・」
「え、それ私持ってるよ?」
⁈
え、嘘でしょ?カノヤが持ってたの?
なんで?
「あまりに暇すぎて読んでたの。」
なんにせよ、ラジオタワーに行く手間が省けてよかった。
「じゃ、コウスケよろしくね。」
・・・え?
どゆこと?
自分やれと?
あー、また作業部屋に引き篭もんなきゃなんないのかー。
* * *
やーっと終わったー!
さて、じゃあ2人に見せに行くとしますか。
うん?
最初はうっすらだったが、だんだん形がはっきりしてきた。
明らかな人工物で、船。
いや、豪華客船。
Vasagatanだ。
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