第2話

患者さんが亡くなって泣いてしまったら,

先輩から

「ご家族が泣けなくなるので,泣かないように.」

と言われた.


亡くなる事に出会う度,

何でもないように過ごそうとしたけれど,

でもやっぱり悲しかった.


最期の最期まで,皆頑張る.


心電図が,伸びて…

伸びて…


でも生きようとする.


頑張ってエールを送っても,

やっぱり寿命は決まってるからで…


死後処置のキッドで綿をぎゅうぎゅうに詰める事は

大切な事だけれど.


そういえば,

同級生のおじいちゃんにグーパンチされた事があった.

もう脳に腫瘍があって,その人らしさがどんどん無くなって…


「もう帰るんだっ!」

って言いながら…

こちらはエレベーター前で乗られたら困るから焦ってたし.


隣の棟のスタッフさんが助けてくれた.


帰りたいですね~って,

帰らせてあげられたら良かったのかな.


最初は,同級生がくれた小山田へって名刺に,

さんって書き加えてくれるくらい優しい人だったのに…

病気が人を変える.


出来たら,私自身命終えるまで,

最期まで正気を保てていたらいいなと願うのでした.

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元へっぽこ看護師のひとりごと 食連星 @kakumi

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