夜明け
独白
明けない夜は、無いそう言う人がいる。
全ての物事には、終わりががあるという意味だ。
けどそんなの嘘だ。
ギターを持って歩き出す。
あの場所へ歩き出す。
猫ももう寝てしまっただろう。
自動販売機も疲れてしまっていただろう。
街灯君の眠りまでもう少しだ。
時期夜は、明ける。
望んでも無い今日が今日もやってくる。
着いたのは、廃ビルだ。
もう誰も使っていない。
私と君の始まりの場所。
いつまでも私と君の思い出の場所。
ここに来ると思い出す。
廃ビルの裏口の取っ手をひねって中に入る。
中は、非常灯の緑色の光がやけに白いタイルに反射して不気味な雰囲気を漂わせいる。
廊下を歩き階段を登る。約十階建てのビル屋上が目的地だ。
私と君との思い出の場所は、最早私だけの場所誰ももう私以外ここに来ないのかもしれない。
もう君もずっと来てくれないのかもしれない。
いつの間にかときは、過ぎていた。
私の中にある夢と希望だけ若いままで私は、どんどん老いていくのだろうか?それとも夢も希望も捨て去って過去も自分が望んだ未来も捨てて死にながらも生きていくのだろうか?
こんな奴だから夜明けは、来ない。
私の中の暗闇に光は、差さないんだ。
何処までも暗くて暗くてけど君がいたから生きて来れたのに。
私の両親も認めてくれなかった。
教師も誰も認めてくれなかった。
けど君が私を認めてくれたのにどうして、、、。
階段の途中で崩れ落ちる。
一体どうすればいいんだよ。
ギターを手放して私の夢を諦めろって?
あいつとの君との夢を諦めろって?
小さな微かに聞こえた本音を託された意思を夢を諦めろって?
ふざけるなよ。
ふざけんな。
立ち上がりギターを握りしめ階段をかけがる。
5階から6階から7階から8階へとどんどんと。
私が夢を語っても君は、笑いもしなかった。
一緒に夢を追いかけてくれた。
意気よいよく扉を蹴る。
ドアが開く。
ビルの隙間から溢れる太陽の光が私の目に差し込む。
涙が出る。
見えないもう会えないと思っていた君がいた。
「遅かったじゃん」
「バカ、、、こっちのセリフだよ」
もう目の前は、よく見えない。
けど止まらずに歩き続ける。
君を今この場にいる君を抱きしめる。
「ホントにバカ、、、もう離さないから」
朝日が私達を包む。
これが私達の夜明けだ。
独白
明けない夜は、無い。
全ての物事には、終わりががあるという意味だ。
けどそんなの嘘だ。けどちょっと本当だったりする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます