幕間『福引の必勝法』
【
商店街で買い物をし、福引券をもらった。そのために、町おこしの一環で福引イベントをやっているこの商店街にわざわざ足を運んだ。
福引会場に行くと列ができていた。俺は並ぶ前にそいつに呼びかける。
「おい作者、あと何人見送れば一等取れる?」
返事はすぐに返ってくる。
帰宅時間が遅くなるのは嫌だが、一等のため俺は24人並ぶのを待ってから列に加わった。
しばらく待ってようやく俺の番が来た。
出てきた玉の色は金。
作者権限の乱用以外の何物でもない。
「お、大当たりー。金! 水族館ペアチケットはこの兄ちゃんの
おじちゃんがハンドベルを鳴らしながら叫ぶ。
目標達成。
周囲の人達は突然の事に驚いて何も言えない。しかし、すぐに調子を取り戻すと俺に拍手を浴びせてくる。作者のお陰だから素直には喜べないが、ありがたく受け取る。
人混みを抜けて電話をかける。
「
『お、ナイス。あとは任せて!』
自信満々すぎて逆に頼りない声が返ってくる。
…こいつにこのチケットを託すのか、人選間違えたか?
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