話が完成するまで
小説を書く時に、キャラクターから思いつくか。ストーリーから思いつくか。
これは書く人にもよりますし、話によっても変わりますよね。
私の場合は基本的にストーリーが先にあって、考えているうちに主人公や相手のキャラクターなども自然とできあがっていくことが多いです。
キャラクター先行で作ったのは「
「夢のような時間が恋に変わるまで」もキャラクターが先でした。
スーツの似合うかっこいいお姉さんキャラクターを作りたい。スーツなら秘書なんていいんじゃないか? 年齢は40歳くらい。恋人は年が離れててめっちゃくちゃ可愛がってるのがいいかも。相手は受付で働く若い女性にしよう。みたいな感じでカップルが出来上がって、そこからストーリーを組み立てました。
しかし基本ストーリー先行型なので、この話は理想の形になるまで書き直しが多かったです。
あとは
星花女子プロジェクトは参加者がうちの子と嫁がせる子の2名を作って交換するシステムなので、キャラクター先行になります。
この4作以外はストーリーから先に作りました。
ストーリーからできた話はどうやって話が生まれたのか、なのですが実のところ大半は覚えてなかったりします。
綿密に設定やプロットを作り込んで書くタイプではないので、基本的には思いついたから書いた、みたいなことが多いです。
もしも私がこの関係性で百合小説を書くならどうするだろう、とか。テーマ○○で書いてみようとか。発端はだいたいこんな感じです。
どうやって思いついているのかを書いた作品ごとに紹介してみたいと思います。
「恋の花」
これは最近書いた話ですね。主人公がかつて自分の主治医だった先生に片想いして、会いに行く話です。
主人公の
この話を書こうと思ったのは、なかなか望美みたいに親身になってくれるお医者さんと出会うのは難しいなと感じたからです。
あくまで自分の経験ですが、男性でも女性でもお医者さんってドライな人が多い気がします。
優しい先生を知ってるとドライな先生になった時にちょっと悲しいというか、がっかりしちゃうんですよね。
病気の時は気持ちが弱ってますし。
望美みたいな先生がいたらいいな、いたら好きになっちゃうかも。なんて考えていくうちに話ができました。
「ラブレター」
恋愛ものとしてベタなタイトル。珍しくタイトルありきの小説。
もし自分がラブレターを題材にしたらどんな話にするだろう? と考えていたらストーリーが浮かんだので勢いで書き上げたって感じですね。
この話は先生と元生徒の話でもあります。
ラブレターって社会人になってからもらうことは少ないかなと思ったので、ストーリー最初は校内が舞台になっています。
「歪な関係」
テーマは「クズな先生を書こう」です。
先生というと生徒たちのお手本になるような人でないといけない。そんな先生がもしクズだったらと考えて何故かこの話になりました。
主人公の
再会後も旦那がいるのに紗耶夏にアプローチする美咲。
私が書いた小説の中で一番クズなのが美咲だと思います。
完璧じゃない人を書きたくて書いたので本人的にも満足です。
初投稿時にあまりブクマが増えなかったので、やはりクズはだめなのかと落ち込んだりもしました。
「生け贄と鬼」
はと子初のファンタジー百合。
私は捨てられるものにすごく弱い人間です。まだ使えそうなものが捨てられていると、何でこれの持ち主は捨ててしまったのだろう、なんて考えてしまいます。
まだまだ愛されたかもしれないのにと物に対して思うようなことが度々起こります。
捨てられたものが新しい持ち主に愛されるっていうのに弱いんです。
これを人間と人間に置き換えると、現代舞台だとちょっと難しい部分があって。
形を変えて物がアンドロイドになったり。この話では生け贄になったりするわけです。
端から捨てられるために育てられた少女と人間を食べ物としか思ってない鬼が惹かれ合う話になりました。
「恋する理由」
私が書いたものでは二番目に長い連載作品になった話。
39歳で独身の上司・
理子はビアンなのでずっと独身なのですが、それを知らないまま理子に恋する由茉はともかく理由が知りたい。
素敵なお姉さんが独身だったら、どうしてだろうって気になると思うんです。
結婚してないってことはもしかして同性が好きな可能性があるのでは?なんて夢を見たくなったりしてしまいます。
この話が出来上がったのもその辺りが発端です。
当初は連載にするつもりもなく、一話限りの読み切りでした。
百合小説版ワンドロで二人のハロウィン編を思いついて書いてみたら、他の話も浮かんで連載物になりました。
「恋する理由」の一話目「独身の理由」は百合短編集に載っています。途中から独立して「恋する理由」へと変遷していきます。
「蝶は花を愛でるのか」
この話は所属していた創作サークル用に書いたのが始まりです。
サークルでは毎回テーマが設けられており、その時のテーマが「植物」でした。
百合サークルではなかったので、普段百合を読まない人にもとっつきやすいように、学生百合で書くことをまず決めました。
植物がありそうな所→植物園→温室。
それじゃ温室を舞台に、美くしくも怪しい少女が、蝶が花を渡り歩くみたいに女の子たちに手を出す話にしよう!と思いつきました。
しかし百合になじみがない人が女の子をいいように弄ぶ百合とかハードル高すぎだろうと思い没に。
サークルには絵を描く人も多かったので、読み手に親近感を持ってもらえるように主人公は美術部の女の子になりました。
そうして主人公のすみれが憧れの先輩である
ラストはちゃんとハッピーエンドなのですが、瑠璃子が亡くなってしまうパターンもありました。
元々ホラーとか書いてたので、うっかりすると誰かが亡くなる話に行きがちなはと子です。
でもやっぱりハッピーエンドが一番いいだろうってことで、亡くなるのはなしになりました。
「言葉は伝わらなくても」
実はこれも創作サークル用に書いたものです。その時のテーマは「動物」。
動物園で出会う話や、ペットをきっかけに出会う話なんかを考えてたのですが、いまいちアイデアがまとまらず。
もういっその事、登場人物を動物にしてしまえ!ってことで、主人公は黒豹の亜人のお姉さん。相手は白猫の亜人の少女になりました。
種族が違うので言葉が上手く伝わらないけど、それでも仲良くなって絆を深めていく話になりました。
少女を拾う話って現代が舞台だと法律とか倫理とかその辺りを気にしてしまって、書くのが難しいなと私は思っています。
ですがファンタジーの世界なら拾ってもいいだろうと思い、冒頭で黒豹のソフィアが白猫のルビィを拾うシーンが完成しました。
こんな感じで話を思いついては書いています。本当にただの思いつき、いきあたりばったりなので、その分書きかけてぶん投げた話も山ほどは大げさですが、けっこあったりします。
急に思いついて勢いで書いて完成させたり、思いつきだから途中からストーリーが出て来なくて書くのを諦めたり。
わりと適当です。
きちんとプロットを立てて書けばいいのかもしれませんが、飽きっぽい性格なので、あえて設定やストーリーを事前に書き出すことはほとんどありません。
登場人物の名前、年齢、仕事とかその辺もしっかり決めることもあれば、ざっくりの時もあります。
一万字越えると話を把握しにくくなる質なので、その時は簡単なプロットを作ることもあります。箇条書きで書きたいシーンを並べて、それを見つつ書く感じですね。
新しいエピソードがあれば追加したり、自由に書いてます。
私の場合は冒頭とラストが決まれば書き出せることが多いので、たまにストーリーが思わぬ方向に行ったりもしますが、それも含めて楽しんでいます。
寄り道しすぎる時は書いたものをばっさり削ったりもしますが。
話が浮かんだ後はずっと脳内で小説を書いて、はっきり理想の形になるまで何度も同じシーンを
小説のネタってどこに転がっているか分からないもので、たまたま見た絵から思いついたり。何気なく目に入った言葉がきっかけだったり。はたまた夢や妄想からだったり。
まだまだ形にしていないネタはたくさんあるので、少しずつ小説にしていけるようにしたいです。
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