基本性能


   性能


   《混合三種トリプルミックス

 元よりある妖怪種の性質に加え、上書きされる形で妖精種・概念種の性質を人の認識によって与えられた混合存在。今現在の座敷童子は『旧くよりある家に住み着く富の妖怪』であり、『気まぐれで人々に小さな幸福を与える妖精』であり、『幼くして亡くなってしまった心優しき令嬢の幽霊』となっている。




   《〝幸運〟》

 幸が座敷童子として持っていた本来の能力〝幸福〟が混合三種トリプルミックスの影響で性能低下した力。〝幸福〟はその名の通り対象に半永久的に続く幸と福を与え続けるもの。その性能は大精霊や神種が与える『加護』と呼ばれるものと同格のものであり、座敷童子が神格に近い存在であることの証左でもある。

 今の〝幸運〟は精々が事故の判定をズラして怪我の度合いを軽微のものへと変えたり、日常生活において万事を良い方向へ働かせたりする程度である。

 ただし上記の〝幸運〟は使い手である幸の意思が強く影響する能力である為、これに反する状況には力が機能しない。より分かり易く示すならば、強い信愛を寄せる夕陽が他の女性と懇ろな関係へ発展するような〝幸運〟は確実に発揮されない。




   《〝癒光/五大属性掌握〟》

 妖精種が持つ固有能力。他者の傷を癒す力と大気に満ちる精霊種の恩恵を受けて五大の属性を操作する力。

 幸の持つ本来の力ではない後付けの性質であること、また三種の性質が阻害し合っているが故にこの二つは基本的に使用することは出来ない。ただし〝癒光〟に関してはほぼ無意識で宿主の夕陽へと向けられていて、僅かな痛み止め程度の効力と自己治癒能力の促進といった小さな恩恵を与えている。




   《〝憑依〟》

 概念種が持つ固有能力。宿主に取り憑きその身と同化することで、自身が持つ能力や性能を貸与する。

 本来この能力は貸与する条件として宿主から寿命なり贄なり何かしらの代償を要求することで初めて成立する呪法ないし一方的な契約関係を強いるものであるが、幸はこの前提を根底から覆し発動条件を自ら破壊し無効にして無償の能力提供を行っている。

 大抵は悪意に染まった悪霊・死霊が行う搾取行為であるこの〝憑依〟を相互理解の上で無反動に使えている関係性は非常に稀有な例であり、区別化を図る上で〝完全憑依〟と呼ばれることもある。

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