基本性質
日向日和の性能には底が見えないが、その身体にもまた数々の神秘とも呼べる説明のつかない性質がある。
まず第一に強度。
脆弱な人間の体で扱えるはずのない火力を叩き出し、屈強な人外をただの拳打や脚撃で吹き飛ばし一切の反動を負わない肉体もさることながら、『異能』という人の内にて具現される異質の力を際限なく解放し続けられる異常体質。常人であればいずれ来たる限界を超え体が弾け四散するはずである。
それを必要とあらば三つ、同時並行で起動して何事もない様子でいられるのは冗談にしてもタチが悪い。
次にその眼。
日和は如何なる相手であろうとも初見でその正体、能力、真名諸々を解明する謎の眼を持っている。本人曰く『見れば大体わかる』。
人外の高位存在が生まれながらに持っている魔眼の類とは違い、それは日向に伝わる情報と知識の累積から成る継伝の業だと言うがなんのことだかはやはり誰にもわからない。
戦闘においては瞬時に相手の性質を見抜き即座に特効の術式を練り上げ叩きつける。これに対応できなければどれだけ強い人外であろうと瞬殺される。
その血肉にも日向の神秘は宿る。
全ての人外に対し日向日和の血液は猛毒となる。触れるだけで弱い人外は蒸発してしまうほどに、その肉体は髪の毛一本から手足の指先まで退魔師としての特効性能を有している。また彼女は自分の体を惜しまず、必要とあらば爪を剥ぎ肉を削ぐ。退魔師の身体は呪具を作成する上で最上級の素材となるからだ。
身を抉り生み出される呪具は万年の怨嗟すら呑み砕く矛となる。
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