第24話 [女装をしよう!③]
―吹雪視点―
「よ、よし……次は着替えね」
なんとか出血多量で死ぬのは免れたが、また新たな試練が待ち伏せている。
「予めワタクシの方から服は用意しましたわ。これを使いましょう」
「気が効くじゃない」
どこから取り出したんだとツッコミを入れたくなるような取り出し方をした白銀。まあそんなことよりも服の方が重要なのでツッコマなかった。
「ん〜、これでいいかしら。じゃあ早速服、服を……」
今気づいたけれど……服、勝手に脱がせて大丈夫?
途中で起きられて…それで七美に『勝手に服脱がせるなんて! 吹雪がそんな酷い人だとは思わなかったよ! 嫌いっ!』とか言われたらもう生きていけない……!
アワアワとしていると、横から白銀がガシッと服を掴み、こう言い放つ。
「先のことを恐るること勿れです!」
「!?」
「この機会を逃したらもう二度と叶わないかもしれないのよ!?」
そうね、失敗を恐れない。ただ、自分の夢という名の欲望(なーくんの女装姿)を叶えるためにッ!!
「はい、バンザイ」
白銀が七美をバンザイさせたので、私は「南無三ッ!!』という掛け声とともに七美の服を脱がせた。
服の下はちゃんと半袖を着ていたが、薄着になったので、可愛らしさが少なくなり、色気が増える。
「これは……いい!!」
「抜群の破壊力です……!」
私たち二人は服を着せる前からすでに興奮しきっていた。というかいつまで寝てるんだ、ポンコツメイド。
その後は服だけを着せ替えて、ヒャッハーしていたのであった。
下はさすがに……ということで無しになった。
◇
「うーーん……?」
どうやらまた眠ってしまっていたみたいだ……。なんで寝ていたんだっけ?
僕はゆっくりと目を開けると、眼前に見知らぬ少女が座っていた。銀髪で日本人離れしている見た目だ。
「うわっ!? ど、どうもはじめまして……ってあれ?」
慌てて手をワタワタさせた後お辞儀をしたが、動きが全く同じ。っていうことは……。
「これ僕!!?」
服もドレスのようにフリフリしたものがいっぱい付いているものに変わっていた。
「あ、なーくん起きたのね! じゃあ早速これを履いて!!」
部屋に入って来た吹雪がいきなり何かを押し付けて来る。
「じゃっ、私たちは外で待っているから履き終わったら呼んでね! すぐに!!」
吹雪は鼻息を荒くしながら外に出ていった。
「履いてってこれ…….スカートじゃん!!」
吹雪から渡されたのは僕が今着ている服と似合うようなスカートであった。
男の僕がスカートを履くなんて……い、いや、でもこれはミッション! ミッションコンプリートしなければ!
僕は自分にそう言い聞かせ、ズボンからスカートに履き替えた。
「……スースーする……」
履き終えた僕は、吹雪を呼んだ。
「じゃ、じゃあ入るわよ……はぅぁっ!! ま、眩しいッ! バ○スより眩しいっ!!」
吹雪は部屋に入ると途端に目を押さえながら悶え始める。
それと、「目が……目がぁ!」と叫んでいた。
「えっ、だ、大丈夫……?」
「ぶはっ………」
心配して吹雪に駆け寄ると、鼻血を吹き出し、床へと倒れてしまった。
「ふ、吹雪!? しっかりしてよ!!」
「ど、どうしたの七美くn……んああ!?!?」
僕が困っていると白銀さんが来てくれたが最後のほうに変な声が出てような?
「吹雪が……吹雪がいきなり倒れちゃった!春渼さんどうしよう!」
「ん゛ん゛ん゛! 堪えろワタクシぃ! だ、大丈夫よ七美くん……心配いらないわ。同じ女子として保証する。息もちゃんとしてるし」
「そ、そうなんだ……よかったーー」
とりあえず一安心。
「でもなんで倒れちゃったの?」
「んーとね……それはあれよ……?」
「? なあに?」
「えぇえと……」
僕が疑問に思って首を傾げた時、白銀さんはなぜか口角が上がって
「女子にはいろいろあるのっ! はい、この話題終わりです! それじゃあ、二人が起きたら出かけましょうか」
「わかった!」
「ゔぐぅっ……ッ!!」
最後まで萌え殺そうとした(無自覚)七美であった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
めちゃくちゃお久しぶりです、すみません。
投稿が遅いカエデウマなのですが、大学受験生なのでさらに遅くなるかもしれないということで、ここで謝罪させてもらいます。
申し訳ございませんッ!!!
来年はね、投稿祭りだから覚悟しててね。
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