第22話 [女装をしよう!①]
最近全然投稿できてなくてすみません!
あと書き方とか少し変わってるかもしれませんが、気にせず読んでいただければ幸いです。
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んー……? あれ、ここは僕のベットの上? いつのまにか寝てたんだ……。
寝ぼけ眼で辺りを見渡すと、そこは自分の部屋だった。昨日は確かお母さんに耳かきをしてもらって、そのまま寝ちゃったみたいだ。
お母さんがベッドまで運んでくれたのかな?
「あれ、なんだか違和感……? わっ!?」
徐々に意識が覚醒すると同時に、僕の隣で誰かが寝ていることに気がつく。その人は僕がよく知っている人だった。
「も〜、吹雪ってばまた僕の布団で寝てる……。起きてー、学校行くよー!」
「う〜〜ん……。どうやら私は呪いをかけられてしまったみたいです。呪いを解くにはなーくんからのキスが必要!」
「寝ぼけてないで学校行くよー」
「んもう、なーくんつれないなぁ」
いつも通り、吹雪は僕の部屋になってきた華に見つかって喧嘩が始まり、またお母さんに叱られてから学校に登校した。
学校では特に何もなく授業が進み、放課後。隣の席の白銀さんに話しかけられた。
「七美くん、この後暇かしら?」
「ん? うん、特にすることなかったから暇だよー。どうして?」
「実はこの間、近くのショッピングモールに美味しいスイーツショップが開いたの。も、もしよかったら私と……」
「スイーツショップ!?!? 行く行く! すぐに行こうよ!!」
「はぅっ!!」
新しくできたスイーツショップ……! 想像しただけでお口から涎が垂れちゃいそうだよ!
「で、でもね、七美くん。少しだけ問題があるの」
「ふぇ? 問題?」
「うん。実はそのお店、男子禁制なの」
白銀さんの言葉を聞いた途端、『ズギャァァン!』と雷に打たれたような感覚が走った。
というか今のご時世、男子禁制とかあるんだ……。
「そ、んな……。スイーツ……パフェ……僕のプリンくん……」
「ゔっ……そんな悲しい表情をしないで! 大丈夫よ、策はあるわ!」
「本当!?」
ずいっと白銀さんとの距離を詰める。すると白銀さんの顔はみるみる赤くなって行った。
「え、と……その……」
「はっ、ごめん! つい興奮しちゃって……あはは……」
「だ、大丈夫よ。ちょっと心臓が破裂しそうになったくらいだから」
「すごく危ないよねそれ!?」
「兎にも角にも、取り敢えずこの後七美くんのお家に行ってもいいかしら? そこで説明してもいい?」
なんだか白銀さんがさっきからモジモジしてるけどどうしたんだろう? まあ取り敢えず、僕は早く甘い物が食べたい!
甘いもの摂取衝動に駆られた僕は、白銀さんの手を握って手を引いた。
「わかった! すぐ行こっ!」
「ひゃっ! な、七美くんの手柔らか……。ふにゃぁ……」
「し、白銀さん!? 力抜けたの!?」
「問題なしよ! さあ行きましょう!」
一瞬、タコみたいにふにゃりと体勢を崩したけれど、シュバッと立ち上がってスタスタと歩き始める。
白銀さんも楽しみなんだな〜!
◇
「えーっと……。呼び出しの時以来ですね」
「お久しぶりでございます、七美様」
下駄箱を出て家に向かおうとすると、高級そうな黒い車の前に立ちはだかるメイド服を着たミルクティー色の髪の女の子。
そう、間違いの呼び出しを食らった時、風紀委員長の横にいた女の子だ。
「えっと、白銀さんと知り合い?」
「左様でございます。ヒナはこの白銀紅蘭様のメイドをさせてもらっております。月見里日菜と申します。以後お見知り置きを」
「よ、よろしくお願いします……」
名前がわかったのは良かったけれど、この人、さっきから僕に抱きついて頭をなでなでするのをやめてくれない……。恥ずかしいよ……。
「ちょっと日菜! アナタ七美くんから離れなさい!(羨ましいのよっ!)」
「お気になさらないでくださいお嬢様(例えお嬢様とて、この癒しを邪魔するのは許しません)」
「???」
僕は困惑しながらただただ撫で回され続けていた。そんな中、救世主が現れる。
「ちょーーっと何してるのよあんたたちぃぃ!!」
「はっ、この声は……吹雪!」
ズザーっと高速スライディングをしながは登場する吹雪。そして左手開きながら顔を隠し、『バァーーン!』という擬音が聞こえそうなポーズを取っていた。
「ちょっとあなたたち? 私のなーくんを拉致しようとするなんて……万死に値するわよ? ちょっとこっち来なさい!」
吹雪は白銀さんと月見里さんの手を引いてコソコソと話を始めた。
◇
「ちょっとあんたたち、何しようとしてたのよ。まさか本当に拉致……?」
ギロッと二人を睨む吹雪。それに臆せず日菜は口を開く。
「いいえ、違いますよ吹雪様。これから我々と七美様はショッピングモールにできた新しいスイーツショップにデートに参るのです」
「でででっ、デートォ!? そんなの……許せるわけないでしょ……!」
辺り一帯が真冬に戻ったかのように寒い雰囲気となる。
「しかも、そこは男子禁制だったはず……はっ!?」
ここで吹雪はとあることに気がつく。二人が何をしようとしているのかに。
「そう。私たちは七美くんに女装をさせるのよ……っ!」
「ほほう! やるじゃないあんたたち……。今回は見逃してあげる。その代わり、私も連れて行きなさい」
「わかりました」
三人は握手をし合う。その時の三人の目は、まるで草食動物を狙う肉食動物のようになっていた。
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七美くん、女装のターン!
とうとう来ましたね……。むふふ。
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