第16話 [違和感はログアウトしました]

「ただいまぁ」

「お兄ちゃん、お帰り〜! そんでもってレッツラゴー!!」

「え?」


 家に入ると同時に、華に手を引かれてそのまま外へ逆戻りした。

 そして、華はなぜか制服のままだった。


「は、華、なんで制服のままなの?」

「これから用事って言ったでしょ〜?」

「うん、でも私服の方が動きやすいんじゃない?」

「いや……だって制服デート……」

「んぇ?」

「なんでもなーい!!」

「わ、わかったよぅ……」


 それにしてもどこに行くんだろう?

 華から何も聞かされてないんだよね……。





「さて、ついたよお兄ちゃん!」

「え……ここは……」


 ついたのはなんともファンシーで、男の子である僕が入るにはちょっお抵抗があるようなお店だった。


「ここに入るの……? 流石に僕が入ったら場違い感が……」

「何言ってるのか! お兄ちゃんは可愛いから問題ないよ!」

「むぅ! 僕は可愛いじゃなくてかっこいい方が……」

「さ、入ろ!」

「あ、ちょっとー!」


 華に引っ張られ、そのままファンシーなお店に連れ込まれてしまった。

 中は外よりもすごいキラキラしていて、僕がいていいような環境ではなさそうだった。


 なんだかチラチラ見られてるし!


「ねぇ、あの子めちゃくちゃ可愛くない?」

「わっ、本当だ〜」

「この店にピッタリじゃーん!」

「お持ち帰りできたらしたいねぇ」

「顔ちょっと赤くして照れてるのも可愛い〜!」


 しかもなんだかヒソヒソ話している気がする……。

 自意識過剰なのかなぁ……。


「うぅ……」

「お兄ちゃん大丈夫?」

「早くこのお店から出たい……」

「えー!? 今日はあたしに付き合ってくれるんでしょ〜?」

「うっ……そうだった……。わかったよぉ……」


 僕は渋々歩みを進め、席に向かった。


 七美本人は場違いだと思っているが、側から見ればこの店に一番似合っている人物であった。



【後書き】


今日は1話だけ投稿です!ごめんなさいっ!!

プライベートの方が忙しくてですね……。


ほんっっとすいません!

明日は2話投稿するので!!

m(_ _)m

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