第13話 [目覚めと保健室の先生]

「ん、んん……? あれ、ここは……」

「はっ!? お、起きたのね。おはよう」

「おはよう、ございます……?」


 目の前にいるこの人は……白衣を着てるから保健の先生かな?

 あれ、僕何してたっけ……。


 あ……うわぁあああ!!

 お、思い出した……。ボールを蹴ろうとしたらそのまますってんころりんしちゃったんだった……!


「えーっと、君はどうしてここに? 体育中に何かあったのかな?」

「え、っと……は、恥ずかしいので少し省略していいですか……?」


 少し恥ずかしかったので、掛け布団で顔を半分かけしながらそういった。


「ぬわあっ! 照れ顔プラス布団で隠すのは高得点すぎる……ッ!!」

「せ、先生鼻血が出てますよ!? 大丈夫ですか!?」

「だ、大丈夫よ……。ギリ」

「ギリ……」


 それから、一部割愛しながらも怪我をしたことを先生に伝えた。


「ふむ……今は特に異常はないかな? 自分の名前とかきちんと言えるかい?」

「はいっ! 一年D組の笹田七美、お母さんの名前は笹田千鶴です!」

「うん、問題なさそうだね。それじゃあどの辺打ったのかだけ確認させてもらえるかな?」

「はい!」


 僕にできたたんこぶの場所を見るため、先生は僕の頭を触った。


「じゃ、じゃあ触るよ?」

「わかりました。…………んっ」

「んんんっ!? い、今のは不可抗力……不可抗力だぁぁ……」

「???」


 急に先生があたふたし出してる……。どうしたんだろう……。


「ふぅ……。大丈夫よ、たんこぶができているだけみたいだったから」

「本当ですか!? よかったぁ……」

「まぁ……私が大丈夫じゃないかもしれないけど……」

「ん?」


 また先生が最後に何か言っていたけど聞き取れなかった。


 今度耳鼻科にでも行こうかな……。


「とりあえず保冷剤を渡しておくよ。もう大丈夫そうだけど……も、もう少しここにいても大丈夫だよ?」

「本当ですか? でも授業に遅れたくないので、もう教室に帰ります!」

「あ、ああ……。そう……。お大事にぃ……」


 ドアの前で一礼をして保健室を去ったけど、先生はなぜかすごく残念そうな顔をしていた。

 先生体調悪いのかなぁ……。

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