第6話 [風紀委員会からの呼び出し]
朝のHRの時にも先生から「今日は眠くないか?」と聞かれ、恥ずかしながらも答えたらなぜか残念そうに「そうか……」とだけ言っていた。
その後は何事もなく授業が進み、放課後。
——ピーンポーンパーンポーン
放送が流れ始めた。
『一年D組の笹田七美くん、笹田七美くん。南館三階の空き教室へ来てください』
南館三階の空き教室と言ったら、風紀委員会の人たちが集まって作戦会議をしていると言われている場所だ。
「え、僕……?」
何か僕が悪いことしたっけ……はっ!?
もしかして昨日寝たことが問題で呼び出されたのかもしれない!!
「あ、あばばばばばば! どうしよう!!」
「ど、どうしたのかしら七美くん」
白銀さんは心配してくれているらしく、僕に話しかけてきてくれた。
「昨日寝ちゃってたから怒られるのかもしれない!!」
「ゔっ! 涙目でその顔は何やら胸がキュッとしましたわ……」
「白銀さん……?」
「はっ! なんでもないわ! とにかく安心して、きっと怒られるわけではないから」
白銀さんはニコッと優しい笑みを浮かべながらそう返してくれた。
「わ、わかった。行ってきます!」
不安を胸に抱きながらも、僕は指定された場所へ向かった。
◇
「ふー……落ち着け、僕。よしっ!」
深呼吸をし、両手で頰をペチッと叩いて気合を入れた。
そして、ドアを二回ノックしてから開けた。
「し、失礼します! 一年D組の笹田七美でしゅ!」
か、噛んじゃった……。恥ずかしい……。
「んぁ? お前がササダナナミってやつか」
部屋の奥にはつり目で鋭い赤目に、赤髪のポニーテルの女性がいた。
そして片手には竹刀を持っていて、僕はブルブルと震えていた、
「オレの名前は——“
「ぼ、僕は笹田七美です! 一年D組です!」
「それさっき聞いたぜ。まあ取り敢えず座れよ」
神崎さんは部屋に置いてあるソファにどかっと座り、向かいにあるソファに竹刀を指してそう言ってきた。
「は、はい……」
ガクブルしながら移動し、そぉっとソファに座った。
「粗茶ですが」
「わぁ——ッ!!」
突然目の前の机にお茶が置かれたのでびっくりしてしまった。
すぐ横を見てみると、ミルクティー色の髪と目を持っており、髪の後ろにお団子を作っている無表情の女の子がいた。
「紅茶はお嫌いでしょうか?」
「い、いえ! お嫌いじゃありません!」
僕はその女の子に出された紅茶をぐいっと一気に飲んだ。
すると異変が起きた。
(あ……あれ……? なんだか瞼が急に重くなって——)
僕はそう思った瞬間、意識を手放してしまった。
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