第11話 ベルトラン襲来
なんともいえない最悪な気分で、べったりとレオナルドの体に抱きつく。
行きは馬車から出て船の上で景色を楽しんだりもしていたのだが、帰りは暗いし、そんな気分ではないしで、ずっとレオナルドにくっついていた。
船へ乗り込む前に夕食にとサリーサが買ってきてくれたナッサヲルクサンドも、半分残してしまっている。
……気味の悪いお姉さんだったな。
ハンカチで擦られた腕が、地味にヒリヒリと痛い。
垢すり体験でもしたあとのような気分だ。
「バシリア嬢に会えなくて残念だったな」
「かまいませんよ」
もともとバシリアに会う予定で行ったラガレットではなかったし、不意の遭遇でおかしな美少女にあったせいで、どうせ人前には出られない顔になっている。
こんな顔で友人・知人の前に出たいとは思わない。
サリーサが用意してくれた濡れたハンカチで目元を冷やしてみたが、あまり効果はない気がする。
鈍いレオナルドが数時間前のことをいまだに気にかけてくれるぐらいには、私の目元は赤く腫れたままだ。
腫れて熱があるせいか、ぼんやりとする頭で目元に触れると、指先がほんのりと温かい。
「船乗りさんと
「詫びとして礼金は弾んでおいたから、いい臨時収入になったと喜んでいたぞ」
「お馬さんにも悪いことをしました」
「馬は……まあ、そうかもしれないな」
本当ならもう馬屋で休んでいる時間のはずだ。
帰宅が深夜になることも構わずに帰ろう、ということにならなければ、今頃は寝床で休んでいたことだろう。
城主の館はグルノールの城門を抜ければすぐそこにある。
夜は閉められているはずの城門も、砦の主であるレオナルドが乗った馬車はほとんどフリーパスで通してもらえた。
一応の確認作業に、と馬車を止められもしたが、グルノールの街はもとからレオナルドが滞在している街だ。
グルノールの城門を守る黒騎士で、レオナルドの顔を知らない者はいない。
べったりとレオナルドにくっついた私を見て、元気がないな、と城門を守る黒騎士に声をかけられた。
なかには飴玉をくれる黒騎士もいたが、今夜は愛嬌をふりまく気にもなれず、眠たい振りをしてやりすごす。
こういう時に、子どもというのは便利だ。
「……なんというか、すごい人でしたね、第八王女さま」
どうにも気分がすっきりしないので、胸のモヤモヤを吐き出すように、あえて今日一番のモヤモヤの原因について触れてみる。
貰ったばかりの飴玉を口の中で転がしながらアレについてを口にすれば、二酸化炭素と一緒にモヤモヤとした感情が少しずつではあったが外へと吐き出される気がした。
「事前にレオナルドさんから癖の強い人だとは聞いていましたが、あそこまでとは思いませんでした」
奇声を上げながら奇襲を受け、サリーサと繋いでいた手を払われた。
その直後、猛烈にハンカチで腕を擦られ始めたのだが、今思い返してみても行動の意図がよく解らない。
……や、レオナルドさんの皮脂がどうとか言ってたけどね。
この場合は、皮脂という概念があることに驚くべきなのだろうか。
驚くべきポイントがずれている自覚はあるが、真剣に考えてはいけない気もする。
癖の強すぎる王族に対しては、深く考えずになるべく巻き込まれないよう距離を取るべきだ、とすでに学びつつあった。
むこうの方から寄ってくるため完全に逃げることはできないが、距離を取る努力は怠らない方がいいだろう。
「……ジェミヤン殿と行き違いになったんだろう。あの絵画が欲しければ、二度とティナの目の前には現れないはずだから、気にしなくていい」
今頃俺の妹に対してやらかしてしまった、とひとしきり騒いで悶え苦しんだあと、過ぎたことは仕方がないよね、と開き直っていることだろう、とレオナルドは言う。
見て来たように言うんですね、と指摘してみたら、あの姫君は以前アルフに対しても似たようなことをやらかしたらしい。
その時は、アルフから苦情を受けたアルフレッドと熾烈な兄妹喧嘩に発展もしたのだとか。
「噴水のモデルを条件に二度と俺の前へは姿を見せない、という約束をした。そのお陰か、噴水が完成してからは離宮へ閉じ籠って姿を見せなくなったんだが……」
まさか第八王女が刺繍絵画の噂を聞きつけ、ラガレットの街まで出てくるとは思いもしなかったらしい。
離宮に作った噴水をうっとりと一日中見つめている第八王女が、噴水の側から離れて小旅行をするなどと。
「まだ腕がヒリヒリします」
春物の薄い袖を捲って、ハンカチで擦られた腕を出す。
いつもは白いだけの腕なのだが、今はほんのりと赤く腫れていた。
「ティナには悪いことをしたが、アレに遭遇してこれだけで済んでよかった……」
「どれだけ酷いんですか、あの人」
赤く腫れた腕を、レオナルドの手がいたわるように撫でてくれる。
気持ちは嬉しいのだが、レオナルドの体温は私より高いので、熱を持った腕と温かいレオナルドの手で、手の触れた幹部はカッカッと熱い。
今日はレオナルドの手で撫でられるよりも、冷たいハンカチで冷やした方がよさそうだ。
「……王都にはあのお姫様みたいな人がいっぱいいるんですか?」
「クローディーヌ王女ほど極端な方はあとお一人知っているが、何年も前に降嫁されているので今は落ち着いている……といいな」
「希望的観測ですね」
今生は前世の記憶を持つ、などという特殊な生い立ちになっているために解る。
人の性格など、歳を重ねたぐらいで変化はしない。
変わるものがあるとすれば、それは物事の捉え方ややり過ごし方の手数が増えるだけだ。
性格そのものが変わるわけではない。
「……ティナは王都へ行きたくはないか?」
「断れない命令らしいですから、行きますよ」
行きたくはありませんが、と素直な感想も吐露しておく。
溜め込むのはよくないし、私が王都へ行くとなれば、悪い思い出があるらしい王都へとレオナルドもほぼ強制で行くことになるのだ。
一蓮托生と思えば、こちらの考えは伝えておきたい。
「その代わり、王都ではずっとレオナルドさんにくっついて離れてあげませんから、覚悟しておいてください」
話題が軽口へと変化していくと、馬車の車輪の音が止まった。
深夜といっていい時間のはずだったが、城主の館へと到着したのだ。
「あれ? オスカー?」
レオナルドのエスコートで馬車のステップをおりていると、玄関へと迎えに出てきたアルフの後ろを
私としてはなぜベルトランが連れ帰ったはずの黒犬がまた館にいるのだろうか、と気になったのだが、レオナルドは黒犬の姿に別のことを感じ取ったようだ。
少し声が低くなり、迎えに出てきたアルフへとすぐに向き直っていた。
「……なにがあった?」
「昼近くにベルトラン殿がまた砦へとやって来た」
そんな言葉から始まった報告に、そういえばベルトランはジャン=ジャックに用があるようなことを夏の闘技大会で言っていた気がする、と思いだす。
あの頃はまだワーズ病が治ってから一年経っていなかったので、念のために会わせることはできない、とベルトランを待たせることになった。
そのうちにベルトランの家から孫が危篤であるとの報せが届き、私が無理矢理追い返したのだ。
今回は冬が終わったのでそろそろ隔離先から戻っただろう、とベルトランもまたグルノールへと戻ってきたのだろう。
……お孫さんの容態は、回復したのかなぁ?
一年に何度も危篤状態になる、だなどとベルトランは言っていたが、そんなに病弱な孫であれば傍を離れることなどできないと思うのだが、ベルトランは違うらしい。
病弱な孫よりも、ジャン=ジャックへの用事の方が大事なようだ。
「……ティナは部屋に戻って、もうおやすみ」
「え? 気になります」
荷物を手分けして下ろし始めたサリーサとバルトを見学する振りをして耳をそばだてていたのだが、盗み聞きをしていると気づかれていたらしい。
遅れて出てきたタビサと入れ替わるように、と肩を捕まえられてサリーサへと引き渡された。
「ジャン=ジャック、なにしたんですか?」
サリーサへと引き渡されて、一足先に館へと入ることになる。
諦め悪く切りのいいところまで話を聞こうとしたら、レオナルドは少しだけ怒った顔を作った。
顔を作っているだけで、本当に怒っているわけではないこともすぐに判る。
「……俺の仕事にまつわることだから、ティナに聞かせるわけにはいかない」
「お仕事ですか? わかりました」
騎士の仕事にまつわる話であれば、たしかに私が聞くわけにはいかないだろう。
ここは一つ素直に引き下がることにして、レオナルドにおやすみなさい、とハグをした。
「申し訳ございません、お嬢様。入浴の準備に少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか?」
私に続いて黒犬が部屋へと入ってくるのを待ちながら、サリーサが風呂の心配をする。
前世の習慣か、私のお風呂は就寝前だ。
今夜も風呂に入りたいだろう、とサリーサが気を使ってくれているのがわかった。
「今夜はいいです。朝はいれば、レオナルドさんのお風呂の準備と一緒にできるでしょう?」
最初からラガレットまで日帰りするつもりであればタビサかバルトが準備をしてくれていたと思うのだが、予期せぬ第八王女との遭遇でラガレットから急いで逃げ帰ってきた。
今夜の風呂の準備ができていないとしても、誰も責めることはできない。
「では、着替えてお薬を塗りましょう」
「薬、必要ですか?」
ハンカチで強く擦られたせいでヒリヒリと痛みはするが、怪我らしい怪我はしていない。
もしかしたら目に見えないほど小さな傷があるのかもしれないが、薬を塗るほどではない気がする。
白い清潔な寝巻きへと着替えて、サリーサに薬を塗ってもらう。
薬が寝巻きに付かないようにと包帯で巻けば、少し大げさな見た目ではあるがサリーサの仕事は完了だ。
「それではお嬢様、おやすみなさいませ。私は下がらせていただきます」
「はぁい。わたしは言いつけを守って良い子で寝ますから、サリーサはこっそりレオナルドさんたちのお話を聞いてきてください」
熊のぬいぐるみのお腹を枕にしつつ、天蓋を閉めるサリーサに盗み聞きをお願いしてみる。
サリーサは少し困った顔をして手を止めたが、横になって手を振る私に肩を竦めた。
「……レオナルド様はお仕事の話だからお嬢様には聞かせない、と仰っておりましたよ?」
「だからサリーサが聞いてきて、わたしに聞かせてもいいかな? って内容にして教えてください」
とにかく中途半端な部分だけが聞こえて気になっているのだ、と言い募る。
ベルトランにジャン=ジャックが捕まった、という内容は理解できたが、逆に言えばそれしか聞き取れなかったために気になっていた。
「わかりました。調べられれば調べておきますが、お教えするのは明日の朝です。お嬢様はしっかり、良い子でおやすみしてください」
サリーサが燭台の明かりを落として部屋から出て行く。
サリーサを見送って来たのか、黒犬がベッドの横まで来る気配がして、そこで止まった。
おそらくは天蓋の外で丸くなっているのだろう。
……なんだか、すっかりオスカーが私の飼い犬みたいだ。
本来はベルトランの飼い犬のはずなのだが、ベルトランがグルノールに来た途端に私の元へとやって来ている。
これではどちらが飼い主かわからなかった。
「ジャン=ジャックは『貴族の私物を盗んだ罪』で捕縛されたそうです」
私としては珍しく、朝風呂で汗を流す。
さっぱりとした体でワンピースへと袖を通し、サリーサに髪を結ってもらっていると、昨夜の報告を聞かせてくれた。
……ジャン=ジャックが貴族の私物って、お父さんの指輪?
ジャン=ジャックと貴族の私物を私の少ない知識で結びつけると、どうしても父の指輪のことが思いだされる。
というよりも、ほかに『貴族の私物』というとカーヤが盗んだアルフの用意した髪飾りぐらいしか思い浮かばない。
……そういえば、一応私も貴族の娘なんだっけ?
とはいえ、ジャン=ジャックに物を盗まれたことなど私にはない。
父の指輪だって、ジャン=ジャックの言うことを信じるのなら、落ちていた物を拾った、ということだったはずだ。
貴族の私物を盗もうとして盗んだわけではない。
……お墓の埋葬品を売るのはどうかと思うけど、買い戻そうともしてくれたしなぁ?
ジャン=ジャックはうかつなところもある男だが、そう悪い人物ではないと思う。
野良犬に掘り返されていた墓を埋め直してくれた、という話も聞いている。
良い人物ではないが、悪い人物でもない。
「とりあえず、黒騎士の起した不祥事なので、砦の主であるレオナルドさんの管轄だ、ってことは解りました」
私に聞かせられることではない、というのもこれが理由だろう。
たしかに、もれ聞こえた単語から少し気になりはしたが、聞いてみれば私が首を突っ込んでいい内容ではない。
完全にレオナルドの仕事の話だ。
大筋だけで私が納得したことがわかったのだろう。
サリーサも肩を竦めただけで、この話は終わった。
「おはようございます、レオナルドさん」
「おはよう、ティナ」
朝食のサラダをもきゅもきゅと食べていると、少しだけ眠そうな顔をしたレオナルドが起きだしてきた。
風呂に入ったというのは身嗜みを見れば判るのだが、なんだか眠気が抜けていなさそうだ。
いつも私より先に起きているレオナルドとしては珍しい。
……あ、でも昨日はもしかして遅かったのかな? 寝るの。
アルフが帰宅を待ち構えていて、ジャン=ジャックについて報告してくれたぐらいだ。
私が部屋へ帰って眠ったあとも、レオナルドたちは仕事をしていたのかもしれない。
そう思って聞いてみると、二時間ほど仮眠を取った程度だと答えられた。
「なにかあったのですか?」
大雑把にはサリーサから聞いたが。
一応はなにも知らないということになっているので、改めてレオナルドに聞いてみる。
レオナルドの中で私に話してもいいと思うラインがあれば、少しぐらい話してくれるだろう。
「そうだな……また盗み聞きをされるよりはいいか?」
サリーサの運んできた珈琲へと口を付けながら、レオナルドは軽く目を閉じる。
もしかしたら半分以上寝ぼけているのかもしれない。
昨日は寝なさいと追い払われた話題なのだが、少し話して聞かせてくれそうな雰囲気だ。
……ごめんなさい。今回はサリーサを使って盗み聞きしました。
そうこっそり心の中で謝罪したのだが、レオナルドの口から出てきた言葉は今朝サリーサから聞いたばかりの話と大差ない。
昨日のうちにジャン=ジャックがベルトランに捕縛され、今は砦の独房にいるとのことだった。
ただ、初めて聞く内容もやはり混ざっている。
「ベルトラン殿を案内して、数日街を空けることになった」
レオナルドにとって、それは不本意な行動なのだろう。
少し声のトーンが低くなり、眠たそうに閉じられていた瞼が開く。
その奥にある黒い瞳は、はっきりと目が覚めているのが判った。
「街を空けるって、どこへお出かけですか?」
「仕事だから、ティナには秘密だ」
「館のお留守番は?」
「いつものようにアルフに任せる。館にはジークヴァルト様もいるからな。そう困るような事態は起きないだろう」
心配事があるとすればラガレットで遭遇した第八王女だが、絵画が足を封じてくれるだろう、とのことだった。
絵画の買い取りを希望すれば、私への接近禁止を受け入れたことになるので、必然的にグルノールの街へと乗り込んで来ることもないはずだ、と。
昨日の今日でまた遠出をすることになるレオナルドは大変だ。
ただ今度の移動は馬に慣れたベルトランとの行動になるので、馬車を使わないだけ時間はかからないらしい。
十日分の食料と水を馬の背にのせ、遠出の支度をするバルトを見学していると、ジャン=ジャックとベルトランが館へとやって来た。
「ど、どうしたんですか!? ジャン=ジャック、怪我してるじゃないですか?」
「ティナっここそ、どうした。その腕は」
三角巾で腕を吊るしたジャン=ジャックの姿に驚くと、逆にジャン=ジャックは私の腕に巻かれた包帯に驚く。
私の包帯の下は念のために軟膏が塗られただけのちょっとした怪我とも言えないものだったが、ジャン=ジャックの腕には添え木まで当てられていた。
とてもではないがドアに指を挟んだだとか、つき指をした、というような怪我には見えない。
三角巾に添え木の当てられた腕となれば、骨折ぐらいの重傷だ。
しかも、よく見ると手当てのされている箇所は腕だけではない。
頬は少し腫れているし、額にはきり傷でもあるのか当て布がされていた。
三角巾が目立つのでつい目がそちらへと行くが、逆の腕にも包帯が巻かれている。
「なにがあったんですか、この数日で!?」
「数日つーか、昨日一日だな。そこのジジイにボコボコにされた」
そこのジジイ、と示された『ジジイ』ことベルトランへと視線を向ける。
こちらはこちらで、ジャン=ジャックに重傷を負わせたことなどなんとも思っていないのか、まったく感情の読めない顔をしていた。
「拷問なんて酷いです! 捕虜虐待です!」
捕虜じゃネーしっ! と言うジャン=ジャックのツッコミが聞こえたが、無視をする。
ジャン=ジャックが捕縛された、とは聞いていたので、捕縛した相手がジャン=ジャックに怪我をさせたのなら、それは拷問だとか尋問だとかの暴力だと私は思う。
ジャン=ジャックの罪は一応聞いたが、それにしたって捕らえたからには暴行の必要はなかったはずだ。
「その者が素直に話さぬから悪い」
「ベルトラン様もジャン=ジャックも、ちゃんと口があるんですから、話し合ってください!」
「口で言っても通じなかったから、体に聞いた」
「体に聞いてジャン=ジャックはしゃべりましたか?」
しゃべらなかっただろう、とジャン=ジャックの体を示す。
なにをしゃべらせようとしたのかは判らないが、ジャン=ジャックの今の様子を見れば判る。
ベルトランの求めを拒否し、ほとんど拷問のような扱いを受けても口を割らなかったのだろう。
口をへの字に曲げるベルトランに、図星を突いたのだとわかった。
こうなってくると、アルフが昨夜レオナルドの帰還を待っていた理由もわかる。
アルフではベルトランを止められなかったから、砦の主であるレオナルドを待っていたのだろう。
レオナルドが間に入って取り成すことになったから、レオナルドの今日の睡眠時間が短いのだ。
そして、これから街を空けるというのも、ジャン=ジャックとベルトラン絡みだ。
ベルトランがこれ以上ジャン=ジャックを苛めないよう、しっかり見張ってくれ、とベルトランにも聞こえるようにレオナルドに言い募る。
ジャン=ジャックとは仲がいいわけではないが、これはさすがにあんまりだ。
なにを聞きたいのかは知らないが、骨折なんてさせていいわけがない。
怒りに任せてレオナルドにお願いをしていると、レオナルドは困ったような顔をしてベルトランとジャン=ジャックを見比べる。
最後に私へと視線を落として、私とベルトランは相性が悪いな、と呟いた。
……すごい英雄だってのは知ってますけど、拷問とか、病弱な孫放置とか、人としては尊敬できませんっ!
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