第3話 良薬は口に苦し
今日もレベリングするが、今日はそれだけじゃない。そのために、多くのものを用意したんだ。
森の中程まで来たので、俺はさっそく、傷薬づくりの道具を取り出す。
〔傷薬の作り方〕
用意するもの 1人分(多め)
・なべ(ばあちゃんのを拝借)
・ビン(同じく)
・火打ち石(〈ファイヤ〉使えないので、じいちゃんの倉庫から拝借)
・スライムの破片 適量(リーフスライムとやらの方が良いらしいが、持ってない。)
・ボタナ草×4
by ばあちゃんの書斎にあった本
昨日の夜、寝る前に魔法書でも読もうかと、ばあちゃんの書斎に行ったら、面白そうな本を見つけて開いたらこれがあった。
結局、魔法に関してはまだ何もしてない。べっ、別に自爆して炎に突っ込んだのがトラウマになった訳ではない。
それはそうと、早く作らないと。
ここは森の中なので、キッチンなど無い。
そのため、かまどから作らなあかん。
「適当な石を並べて、あとは、金網(じいちゃんの倉庫からパクったじゃなくて拝借した。)を敷く。・・・はい、かまど完成。」
かまどに小枝と枯れ葉を入れ、点火する。意外と火打ち石で火をつけるのは難しかった。
①火がついたら、なべにスライムを入れて火にかける。
②暖まったら、ボタナ草を潰して入れて、良くかき混ぜる。
③水分がほどよく蒸発し、良く混ざったら、ビンに詰めて完成。
「意外と簡単だな。てか、スライムで本当に大丈夫なんだろうな。」
試しに、余ったスライムの破片を口に入れてみる。
「ゴフォッ。ウゴァ。っっっ、にっが。」
あまりの苦さに思わず吐き出す。
てか、苦い、苦すぎる。不味いというよりは、純粋に苦い。
「【スキル】〈苦味耐性〉を獲得しました。」
その強烈な苦さからか、新たな【スキル】まで獲得出来てしまった。
この傷薬は外部薬だが、
「さてさて、今日もレベリングをしますか。」
ついでに、ボタナ草も少し採って来よう。
〈回復促進〉のLvUPもしたいし、そもそも火傷をはやく治したい。
◇
「グrrぁッ。」
木剣を振りかざしながらゴブリンがおそってくるが、それをやすやすとかわして、剣を突き立てる。
「レベル28になりました。魔力量が140000に上昇し、ステータスポイントが10ポイント付与されました。【称号】[ゴブリンキラー]を獲得しました。」
ま、魔力量が桁ヤバい。この世界の標準値を知らんけど、さすがにこのゼロが何個あるか数えるのが面倒になってくる桁までいかないだろう。
てか、[ゴブリンキラー]か。なんかカッコいいけど、ゴブリンが可哀想になってきたわ。俺ってそんなにゴブリン狩っていたかな?
まぁ、基本的にゴブリン中心で狩っていたけど。
「てか、ステータスを全然確認してなかったな。」
最近はステ振りもおろそかになっていた。
「ステータスオープン。」
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イロアス 5歳 Lv28 魔力量130700/140000
【称号】
[俊足の暗殺者]
[忍び寄る者]
[暗殺者]
[スライムキラー]
[ゴブリンキラー]
【イレギュラーユニット特典】
・1LvUPごとに魔力量+5000、ステータスポイント+10。
・10LvUPごとにエクストラポイント+2
【ステータスパラメーター】 SP…1
・筋力…60 ・魔法防御力…30
・知力…60 ・物理防御力…30
・素早さ…60 ・器用…35
【エクストラスキル】 EP…3
・〈鑑定〉Lv2
【スキル】
・〈忍び足〉Lv3
・〈熱耐性〉Lv1
・〈苦味耐性〉Lv1
・〈回復促進〉Lv1
【アイテムボックス】
・セプチーニの枝×1
・スライムの破片×47
・リフレ草×43
・ボタナ草×4
・傷薬17g
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いつの間にか、[スライムキラー]も獲得してた。傷薬だけ
ステ振りを一気にしたから、身体が軽い。
まぁ、もう少しレベリングするか。
ゴブリンでは、少し経験値不足な気がしたが、左手の火傷を庇いつつなので、森のさらに奥へとは進まなかった。
◇
「ただいま。」
「おかえり、イロアス。今日は何を持って帰ったんだい?」
毎回、なにかしらの動物も狩っているから、もうばあちゃんも慣れてきたようだ。
「今日は、跳ねウサギを捕まえたよ。ところで、じいちゃんは?」
昨日と違って今日はじいちゃんの姿が見当たらない。
ばあちゃんとじいちゃんは交互で居なくなるのかと考えていると・・
「まぁ、逃げ足のはやい跳ねウサギをよく捕まえたね。本当にうちのイロアスは5歳児かどうか怪しくなってくるのぅ。」
どうやら、あからさまに5歳児っぽくない俺に
「ところで、じいさんなら倉庫前におるよ。オロ鹿の干し肉を作るために、あの大きな鹿を解体するんだとさ。ついさっき行ったから、もしかしたら、見れるかもしれんが、私にゃあんな血なまぐさいのはごめんだね。」
マジか、早く見たい。少しグロいだろうけど自分で干し肉作れるようになりたい。あれって長期保存ができるし。
◇
「じいちゃん!鹿はもう解体したの?」
はぁはぁと肩で息をしつつ、じいちゃんに尋ねる。
「いや、まだやっとらんが・・イロアスやは興味あるのか?」
子供らしくないと、またもや疑うような視線が送られる。
「将来的に自給自足すると思うので、長期保存が利く、干し肉の作り方は有用だと考えたんだ。」
「そうかそうか。イロアスは頭がええ
そう言って、じいちゃんは俺を笑わしてくる。
なるほど、頭と脳か、良くそういったワード同士が結びつくよな。年寄りって。
「まぁ、今から解体するけぇ。そこで見とき。」
オロ鹿を片手で持ちつつそう言うじいちゃんは何かカッコよかった。
その後、オロ鹿の足を縄でくくって、倉庫の雨よけ用の天井に吊るす。
鹿の体重で柱がミキッと言ったけど大丈夫か?・・・あ、柱と幹をかけたわけじゃないよ・・ぅん・・・・スミマセン。
「ここからが見どころじゃ。」
一言言うと、包丁・・いや剣を持って吊るされたオロ鹿と
剣を構えて、フウッと一呼吸した後の一拍。その一瞬にすべてが終わった。
ドサッという音とともに、綺麗に等しい大きさに切られたオロ鹿の肉塊が下に置かれた木の板に落ちた。
はっや。剣筋見えなかったぞ。3連撃くらいだったか?てか、切るの
一言でまとめると、じいちゃんめっちゃ強い。カッコいい。・・・あ、二言か。
「あた、こ、腰が。いたたた。」
あ、そこまでか。腰をさすっている姿なんて老人そのものだし。
けど、じいちゃんとばあちゃんって一体何者なんだ?ばあちゃんに関しては、魔法を
じいちゃんとばあちゃんは俺が何者なのか気になっているけど、俺はその2人が何者なのかとても気になる。
「このあと、このブロックを秘伝の調味料につける。干すのは明日じゃな。」
ひ、秘伝の調味料か!なんだか美味そうな響き。
その作業は家の中でやるらしく、俺らは家の中に戻った。
◇
夕食の後、俺はばあちゃんの書斎から、魔法書を拝借した。夜、寝る前に読むためだ。
「基本魔法の1つが〈ファイヤ〉なのか。
じゃあ、魔力を感知するにはどうすればいいんだ?
『ステータス確認の儀に、魔晶石に触れること。』・・・・ステータス確認の儀は、12歳になったら行われるからな。これじゃ、遅すぎる。
『
「魔力石、魔力石、あ、あった。652
何か嫌な予感がしたから中に入るのをやめておいたけど、魔法のためには仕方ない。明日にでも行くか。
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