詩り リ・ブレイク
仲仁へび(旧:離久)
第1話
――それは誰の幸せの為の世界なの?
『竜は天に上る』
『光の柱にそって上り続ける』
――それは誰のための幸せな物語なの?
「いたい」
「痛い」
「イタイ」
『悲鳴が聞こえる』
『何かがきしんでいる』
(心が痛い)
(何も知らなかったことにしたい)
(こんな事、知らなければ苦しまずに済んだのに)
『後悔している』
『そして、押しつぶされそうになっている』
間違えなかった世界 『結果を算出』
皆が幸せ
間違えてしまった世界 『結果を算出』
皆が不幸
『結論を算出』
間違えなかった世界の方が正しい?
『疑問を提示』
本当にそれで良い?
(一人の少女を生贄にしますか?)
(少女は満足していきました)
『一つの魂が破壊され』
『順調だった物語が破壊され』
『彼は絶望する』
正解を見つけた世界 『推測を提示』
皆が不幸
正解を見つけられなかった世界 『推測を提示』
皆が幸せ
『結論を算出』
正解を見つけられなかった世界が正しい?
『疑問を提示』
本当にそれが正しい?
(少女を助けたいと思って、繰り返した)
(望まれていなくても手を差し出した)
『けれど、再び魂は壊れた』
『彼は何度だって膝をつく』
罪を重ねた世界 『…』
皆が幸せ
罪を犯さなかった世界 『…』
皆が不幸
(きっと少女を生贄にしてしまった世界では、そのうち傷は癒える)
「こんな選択肢がなければ」
「初めから限られていれば」
「こんな苦しまずにすんだのに」
「いたい」
「痛い」
「イタイ」
『竜はどこへたどり着くのだろう』
『どこにもたどり着かずに、その物語を終えるのか。それとも…』
詩り リ・ブレイク 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます