第13話 おんせん ①

 海に行ってから数日が経過したけれど、未だにイオリとサオリが口を聞いている様子は無い。


 僕が居る時はぎこちないながらも会話はあるのだが、二人が寝室に入ると全く会話が聞こえてこないのだ。


 結局、あの時何があったのかは分からずじまいで、個別に聞き出そうとしても二人共口を噤んでしまい、全く答えてくれそうにも無い。



 そんな状況が見過ごせなくて、どうにか以前のように仲良くして欲しかった僕は、二人が慕ってくれている事を利用した卑怯な手だとは思いもしたけれど、最後の手段を使い二人を話合わせる事にした。


 これでもダメなら、解決する術が僕には思い付かない。


「僕は畑へ行ってくるから、必ず仲直りする事。いいね?」


『でも・・・』


「じゃないと・・・僕が、悲しいんだよ。二人がこのままなんてイヤなんだ。お願いだから、ちゃんと話合ってくれないかな?」


「・・・わかりました、兄上。」


『・・・はい。』


 交互に二人へと視線を向けながら告げると、イオリとサオリは覚悟を決めたかのような表情でお互いを見ていた。



 その日、どんな会話があったのかは知らないし、二人が原因を頑なに僕へ話そうとしなかったから、僕は聞くべきではないのだと思う。


 ・・・でも本当に、コレで良かったのだろうか?


 時間が解決してくれた可能性だって、あったのでは?


 暫くの間、そう考えない日は無かった。





 そんな夏の苦い経験は終わり、僕の見る限りでは以前のようにとはいかないが、二人が仲良く笑い合う事がまた増えてきた晩秋。


 夏までは僕の膝に乗ってアニメを見ていたサオリだったが、また少し大きくなって今では隣に座って見るようになり、僕はちょっと寂しさも感じている。


 あの一件以来、僕の部屋で偶に寝ていたのも無くなって、これが父親の気分なのかとの思いも湧く。


 イオリはより女性らしい丸みが出てきて色気を感じるようになってきた所為か、二人きりになると自制が効かなくなる可能性が高かったがそんな機会もなく、涼しくなった為に畑の手伝いをサオリも本格的にするようになり、いつも三人一緒に行動するようになっていた。



 そのおかげか朝食以外の炊事は当番制となり、今日は僕が夕飯を担当する日になっていたのだが、イオリ達が見ていたアニメで揚げ物を食べているシーンが流れていたので、つい僕はノアに思いついた事を質問してしまう。


「越冬キャベツって雪降らなくても作れるのかな?」


〈根を張った状態で凍結しないよう温度管理をする必要がある為、自然環境下では雪がなければ不可能です。温度が高いと食用に適さない程に育ちすぎてしまったり、反対に低温過ぎた場合では凍結してしまい腐敗する原因となる為です。〉


 うーん・・・何かの漫画で読んだ事ある気がするな?


「えーっと・・・それって何ていうんだったかな?本で読んだ覚えがあるんだけど・・・。」


〈はい。凝固点降下と呼ばれる作用です。〉


 そうそう、そんな名称だった。


 うーん・・・でもそうなると、やはりノアに管理してもらう以外では無理そうだなぁ。


 雨は降るけど雪は現在暮らしている生物の都合上、この区画では降らないし・・・。


 流石にそこまで頼り切るのは技術継承云々から外れ過ぎてもいるので、諦めるしかないか。


「兄上?何をぶつぶつ言っているのですか?」


 ノアに何かを話しかけて居たのを二人は気付いていたようで、回答を貰った後に考えていた事を僕は思わず口に出していたらしく、サオリは特にそれが気になったみたいだった。


「あ、いや、大した事じゃないんだよ。冬のキャベツが美味しいって昔聞いた事があって、何とかして出来ないかなーって思ってさ。」


『んー?よくわからないですが、あまり無理はしないでくださいね?』


 いや、揚げ物と言えば付け合わせにはキャベツでしょう?


 少しでも美味しい物を食べたいし、二人にも美味しい物を食べて欲しいからでもあるんだけどなぁ。


「まぁ、いいか。もう少しで冬だから揚げ物とか食べたいなー。今度作ろうかな?」


『冬じゃなくても言ってましたよね?確か夏だからーとか。』


「兄上はかぼちゃコロッケとかの揚げ物好きですよね。でも、兄上の作る料理って、何時も茶色いのが多いような・・・?」


 言われてみれば、今日も作ってるのは肉じゃがだ・・・。


「いいじゃない・・・茶色い食べ物・・・。」


 僕が少し不貞腐れると、二人でクスクス笑いながら両側から抱きついてきた。


「兄上かわいー!」

『ご主人様が拗ねたー!』


 なんなのだろうか、この扱いは?


 両腕に幸せな感触を感じるので悪い気はしないんだけどさ。



 何処か釈然としないモノを感じつつも夕飯の準備を整えた後、食事前に最近考えていた事を二人へと提案する。


「そうそう、話は変わるけれど寒くなってきたから温泉入りに行かない?」


『温泉いいですね。去年も行きましたよね。』


「兄上、温泉なんてあるんですか?」


「うん、そこまで立派な物では無いんだけどあるよ。」


「なら、あたしも行きたい!」


 正直、去年僕もノアに聞いた時、なんでそんなものがあるのか疑問だった。


 説明では火山の環境再現だとか聞いてなるほど・・・と、思ったりもしたのだが、海の家を見た今なら判る。


 確実に趣味で作ってるよ、これ。


 冷静に考えれば、非火山性の温泉だってある訳だし。


 ・・・まだ聞いてはいないけれど、スキー場とかもありそうだな。


「じゃあ、三人で行こうか。」


「やった!」

『はい!』


「明日はちょっと畑でやりたい事があるから、その後になるけどいいかな?」


『はい。勿論構いませんよ。私達も手伝いますし。』


 イオリは僕より力があるから、手伝って貰えるのは助かる。


 一人で土を起こしたり、枯れたり腐ってしまった野菜の処分をするのは大変だからね・・・。


「ねーねー兄上!水着は要らない?」


「流石に温泉は一緒に入らないから要らないよ。身体を洗う時に邪魔になるし、サオリの分をまた用意しなくちゃいけなくなるからね。」


 サオリは夏からまた身長が伸びて140センチ台半ばぐらいに育ったからか、夏に着ていた水着は勿論だが、大人用の水着だと大きすぎて着る事が難しいだろう。


「そうですか・・・。」


 僕の言葉でサオリは寂しそうに呟くのだが、流石に海で遊ぶのとはワケが違う為こればかりはどうしようもない。


『・・・ねぇ、サオリちゃん?』


「何ですか、姉上?」


『ちょっと耳貸して!』


「むー・・・?わかりました?」


 イオリがサオリに何か耳打ちをすると、サオリは真っ赤な顔で一瞬僕へと視線を向けてからすぐに目を反らした。


「姉上!ま、まさか本気ですか!?そんな事・・・!」


『しーっ!』


 イオリに何を言われたのだろう?


 でもまぁ喧嘩していないのだから、二人の内緒話に首を突っ込むような野暮な真似をするべきではないか。




 翌日、午前の間に三人で畑の作業を終え、昼食を摂ってから温泉のある区画へ行く事にした。


 海と違って遊ぶ事が目的ではないため、食事の用意は必要が無く着替えやタオルのみなので荷物の量も少ない。


 海の時はおにぎりが少し重かったなぁ。


「さて、用意も出来たし行こうか。」


「『はーい。』」


 以前と同様に隔壁を超え、火山性環境の区画を訪れる。


 実際には、大気の成分や気圧の調整をしていてマグマがあるとかではないようだが、硫化水素などの有害なガスは発生している為迂闊には歩き回れないらしく、極限環境で生きる古細菌等の微生物を保護する目的もある区画との事だ。


 惑星の地球化が必要な場合に、活用出来る可能性があるからと以前説明されたけれど、僕には意味がよく分からなかった。


「海より危険な場所らしいから、離れないでね。」


「わかりました兄上。でも、思った以上に植物がいっぱい生えているんですね。」


「うん。火山って聞いてたから、僕も最初は何もないのかと思ってたよ。」


 もっと岩肌が露出しているのかと考えていたのだが、草花がかなりの数自生していた事に最初は驚いたものだ。


『綺麗な景色ですよね。』


「少し暑いから、現在の気候設定が夏なのかな?だから余計に花とかが多いのかもしれないね。気候は全区画同じではないと聞いた事もあるし。」


 もっとも南半球や極地もあるから当然ではあるのだが、10分で気候の違う場所に行く事を繰り返すと体調がおかしくなりそうだなとは感じる。


「景色を楽しみながら温泉に浸かれるから、中々贅沢な事だよ。」


『以前来た時よりも私自身が成長したからか、これが贅沢な事なんだって今はわかりますね。』


 事実、温泉がある地域は観光地になりやすく、僕のいた国でも定番の旅行先として人気を博していた。


 大体は室内にあるけれど、作られたモノだとはいえこの山の景色を一望出来る温泉を独り占め出来るのは、かなりの贅沢だろう。




 隔壁から30分程は登らないといけない場所にあるが、僕達は畑作業の後の疲労感を感じながらも、景色を楽しみつつ軽い遠足気分で登りきる事が出来た。


「さぁ、到着したよ。」


 施設自体は脱衣のための仕切りと荷物を置く場所、少し休憩出来るような空間しかなく、かなり簡素なものだ。


『着きましたー。前はもっと遠く感じましたが、案外すぐ着いちゃいましたね。』


「つーかーれーたぁー!ちょっと休むー・・・。」


 畑仕事の後という事もありサオリの足だとまだ辛かったのか、荷物を下ろし近くにあった岩に腰をかけ、息を切らしている。


 僕とイオリは景色に夢中で一気に歩いてきてしまったため、サオリにももう少し気を払うべきだったのだと今更ながらに気付いた。


「ごめんね、休憩挟めばよかったね。」


『サオリちゃん、最初にはしゃいで走り回るからですよ。気持ちはわかりますけどね。』


「むー・・・。」


「中に寝転がれる所があるから、そこで休んでから温泉に入ろうか。」


「あーるーけーなーいー!」


『我儘言わないの。』


「仕方ないな。」


 僕はサオリに近寄ると、彼女を抱き抱える。


 所謂、お姫様抱っこってヤツだ。


「よい・・・しょっと。」


『えっ・・・』

「わぁっ!」


 ・・・うん。僕も筋肉がついてきたからか、まだ何とかなるな。


「イオリ、サオリの鞄を持ってきてくれる?」


『・・・ずるい。』


「イオリ?」


『・・・はい。』


 何かを呟いたイオリに再度問い掛けると、辛そうな顔をしながら短く答えた彼女を見て、僕は失敗した事を悟った。


 さすがの僕でもこれは直ぐに判ったけれど、既に抱き上げてしまったサオリを下ろす訳にもいかず、そのまま休憩場所へと向かう。


 先程まで和かに会話していたのに、僕達のペースで歩かせて疲れていたであろうサオリを気遣ってのものとはいえ、僕の行動でイオリを傷つけてしまった。


 ・・・迂闊過ぎたな。


 サオリは僕に抱きつきながら、僕の胸に顔を埋めているため表情はわからないが、何も喋らない。


 イオリも、無言で後ろをついてくるが表情は酷く辛そうだ。


 中に入り簡易施設の休憩スペースにサオリをおろすも、彼女は僕を離したくないと言わんばかりに抱きしめている腕の力を強めた。


「サオリ?動けないから離してほしいな。」


 サオリに呼びかけると、ゆっくり腕を離したので僕はぐっと背伸びをしながら、敢えて余計な事を言う事にする。


「あー・・・思ったよりサオリが重くて、ちょっと腰にきたよ。」


 僕が悪者になれば、この雰囲気も変わるだろう。


「兄上!」

『ご主人様!』


 その瞬間二人に睨まれ、イオリに思いっきり腕の辺りを叩かれてしまった。


 もうちょっと加減してくれても・・・。


「兄上のバカー!」

『女の子になんて事言うんですか!』


 叩かれた腕はヒリヒリするが、予想通りの反応で少しホッとする。


「ごめんごめん。」


「兄上酷いよ!」

『ちゃんとサオリちゃんに謝って下さい!』


 拙い、予想以上に怒っていらっしゃる。


「サオリ、ごめんね。」


 そう言いながらサオリの頭を撫でたのだが、二人の怒りは全く収まる気配がない。


「そんなんじゃ騙されないからねっ!」

『本当に!幾らなんでも酷いですよ!』


 確かに、もう少し言い方はあったよな。


 でも先程までの空気はなんとかなったか・・・。


「兄上はたまに無神経な事しますよね!」

『うん!女の子は繊細なんですよ!』


「いや、僕が本当に悪かったから、ごめんね。」


 まだまだ二人の抗議は終わりそうにはない。


 男の子だって・・・繊細なんですよ?





「わかりました。絶対もう言いません。反省しました。」


 その後、僕は何故か正座をさせられ、仁王立ちの二人からお説教を受け続ける。


 やはり、迂闊な事を言うべきではない。


「よろしい。」

『よろしい。』


 やっと許しを得る事が出来たらしい。


 内心ホッと胸を撫で下ろすも、この場でため息でも吐こうものなら、恐らく恐怖の第二回戦が開始されるのは想像に難く無い。


 なので、今はまだ気を抜いてはいけないだろう。


『折角温泉に来たんですから、この辺で終わりにして入りましょうか。』


「そうですね姉上。」


 これで一安心・・・かな?


「そうしようか。じゃあ、僕は一旦近くで休んでくるから、先にお二人でどうぞ。」


 そう、この場所に温泉は一つしかない。


 男女で分けて入れるワケではないのだ。


 ・・・要するに、混浴である。


 正座させられ若干足が痺れている僕は、ゆっくりと立ち上がりながら二人にそう告げると、休憩場所を出ようとした。


『待ってください。ご主人様が先に入ってください。何時もお風呂も先に譲って頂く事が多いですし、たまにはお先にどうぞ。』


「兄上、姉上の言う通りですよ。」


 するとイオリ達からそう言われてしまい、僕は立ち止まって少し考える。


「・・・でも、僕が一番長風呂だから後に入ってるんだよ?」


『はい、それもわかってますよ。私達を長く待たせないように考えてる事も。』


「うーん。でもなぁ・・・」


「たまにはいいじゃないですか兄上。」


「そっか・・・二人がそう言うのなら、先に貰おうかな?」


 確かに僕が後だと、二人が終わってからかなり長く待たせてしまうだろうし、言われた様に偶にならいいのかな?


 そう思い返事をしたのだが、何故か二人は含み笑いを浮かべる。


 うん?


『じゃあ私達は少し離れて待っていますね。』


「兄上ごゆっくりー!」


「ありがとう、二人共。」


 二人の気遣いにお礼を言うと、イオリは何故かニヤニヤとしながら休憩場所から出て行った。


 なんだ?と思いはしたものの、とは言え僕も汗を早く流したかったので有り難く先に頂く事にして、手早く衣服を脱ぎタオルを持って脱衣所を出ると、そこには絶景が広がると共に、岩をくり抜いたようなやや不自然とも思える温泉が現れる。


 温泉自体は数人で入ってもゆったりと浸かれる程には広く、崖の上に少し迫り出す形で設置されていて、手すりや多少の空間があるため飛び出したりしない限りは落ちる事はない。


 床は岩を切って平らにしている場所と木材のように見える場所があるけれど、足裏に伝わるひんやりとした感触からすると、木材に見せかけた部分は金属のように思えた。


 その余りにも人工的な構造物に、絶対に趣味で作られたモノだという確信を得ながら持ち込んだ石鹸で身体を洗い、温泉のお湯を掛けて流し、温泉に浸かる。


「ちょっと熱めだけど、僕には丁度いいな。」


 少しぬるぬるするが、これは泉質のせいだろう。


 眼前に広がる山々の緑や、雲、心地よい風を感じ、これこそが素晴らしい贅沢なのだと思いながら、目を閉じて独りこの時間を楽しんでいるとーーー


「姉上!はやくはやく!」


『サオリちゃん!しーっ!』


 突然、後ろから声が響く。


「まさか・・・。」


 嫌な予感に僕は後ろへ振り返ると、胸元からを長めのタオルで隠しつつ脱衣所から出てきた二人と目が合う。


「わっ!」


 僕は前を隠していなかったので、慌てて2人に背を向け湯船に浸かり直す。


「兄上!来ちゃった!」


『来ちゃいました♪』


 二人は悪戯成功と言わんばかりに嬉しそうに僕に告げると、温泉のお湯をかけ、身体を洗い始めた。


「来ちゃった!じゃないよ、全く・・・。女の子なんだから無防備に肌を晒しちゃダメだって。」


 僕の呟きは聞こえては居なかったらしく、二人は手早く身体を洗い終えると、逃げられないようにする為か僕の両側に腰掛け、腕に抱きついてくる。


 タオルを離れた場所に置いていたので、隠すものがなかった僕は逃げる機会を完全に失ってしまう。


「しかも、なんでくっつくの!」


「えへへー。」


『ダメですか?』


 イオリは悪戯っぽく微笑みながら、サオリは少し赤い顔しながら、それぞれ腕を絡めてくる。


「あ、当たってるんだよ!」


「何がですか?」

『ふふふ。』


 ・・・わざとか。


 当ててんのよ、言わせんなって事なのか?


 サオリは・・・解って無さそうだけど。


「これが目的だったのね・・・。もしかして、昨日サオリに耳打ちしてたのは・・・」


『はい。サオリちゃんと二人でご主人様を驚かせたくて。』


「兄上、何が当たってるんですか?」


 胸だよ!胸!


 サオリはまだ10歳くらいなのに、女の子らしい膨らみが出てきていて、抱きつかれると・・・当たるのだ。


 二人共タオルで隠しているとはいえ、布越しにでも幸せな感触がはっきりと感じられる。


『私達の胸ですよ。サオリちゃん。』


「兄上?顔真っ赤ですよ?」


 ・・・これ、サオリもわざとだよな?


 イオリの言葉でさっきよりも赤い顔になってるし、これも彼女に吹き込まれたんだな?


 いや、それよりもイオリはさっき僕がサオリをお姫様抱っこした時、あからさまに嫌そうな顔をしていたのに、自身が吹き込んだのだとしてもコレを許容しているのか?


 僕だったらこっちの方がイヤな気分になると思うのだが、ちょっとイオリが何を考えているのかが分からない。


 だが、先ずは・・・


「わかった、逃げないからせめて腕は離してくれないかな?」


 ・・・じゃないと、ちょっとまずい事になってるのが隠し難いから。


『仕方ないですねー。』

「わかりました兄上。」


 漸く二人が腕を離してくれて、少し離れた場所にあったタオルを内股になりつつも取る事が出来た。


 これでやっと落ち着ける。


 温泉にタオルをつけるのはマナー違反らしいけど、しのごの言っていられるような状況ではない。


「まったく・・・何でこんな事するんだか。」


「姉上、これで成功ですか?」


『うん、私達の勝ち!』


 何の勝負なんだ・・・。


「はいはい、二人の勝ちでいいから・・・。」


 入ってきたものは仕方がないので、折角の温泉だから三人で風景や会話を楽しむ事にした。

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