Amrta

夢から覚め朝の光を浴びても

襲ってくる原色に心を閉ざして

まだ目を開けずにいてしまう私


水たまりの上に乗る花弁

キャンバスに無作為に描かれた絵具

それはまるで私のよう

脆く曖昧な心は弱さを投影する


今から生まれてくる思い出を消してしまいたい

未来なんてただ慰める言葉なんでしょ


私の心を渡してしまえたら

それが何色に見えるか教えてよ

君の傍にいたいんだ

我儘な私が私を嫌いにならないように

永遠の時間なんて存在しないけれど

ずっと手をつなぎたいよ


夢から覚めてもなおどこにも行けない

私はどこへでも行ける翼を求めて

それでもまだ消えない心


言葉の裏よりも純粋なその目で

何も私を見ることが出来ないことを望んで

継ぎ接ぎだらけのあるがままの姿を

ずっと隠し続けた


糸は解けつつも動き続ける心臓

既にバラバラな感触は

まだ私をつなぎ留めている


夢の中へ


割いた、裂いた、喉で、喉で

歌う、詠う、声は、声は

誰も、誰も、知らない、知らない

君も、私も、知らない、知らない


私の心は誰かが消費していく

それは既に私のものではないの

他人に弄ばれるだけの

お人形は私


私の心は何色だろう

君は右手で持っている心臓が何色か

教えてくれるの

我儘な私が私を

好きにならないように


夢から覚めた私

朝の光を浴びてもなお

原色が襲い掛かって

まだ見つからない心

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産み直し 蒼山詩乃 @aoyamashino

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