第63話 魔武器を求めて11

「ティ…、ティナーー!!!」




ティナを追撃をしようとするミスリルゴーレム。






ガッ!






そこに矢が飛んでくる。




もちろん。ティナだ。




不意をつかれ、動きが止まるミスリルゴーレム。



その間にロックは【中級回復魔法】を奪い終わっていた。



「[オールヒール]!」



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[オールヒール]・・パーティメンバー全員にヒール(消費MP30)。


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ロックとティナを淡い光が包み込む。


【起死回生】により回復効果も2倍になっているロック。


ティナは全回復し、ロックも半分ほどまで回復した。



「ティナ!

 大丈夫!?」


「だ、大丈夫よ。

 それより、あいつを…、倒しましょう!」



ミスリルゴーレムはスキルが奪われたことを理解したようだ。


回復することができるようになったロックを狙う。


もうすでにロックの目の前で拳を振りかぶっている状態だ。



ロックも相打ち覚悟で反撃する。



だが、ミスリルゴーレムの方が早くモーションに入っていたため、ロックの攻撃は浅くしかきまらなかった。



それでも。



【起死回生】により2倍となったロックの攻撃で、HP半分近くのダメージをくらったミスリルゴーレム。


直撃を受けたロックはまた瀕死状態。


お互い弾け飛び、壁に激突する。



回復する暇を与えまいと、すぐさまロックに接近するミスリルゴーレム。



『相手は再び死にかけている、これでトドメだ。』



そんなゴーレムの意志が伝わってくる。



「ゴォオオ!!」



立ち上がったロックに繰り出されるミスリルゴーレムの拳。




ドゴッ!!





相手を倒すという意思とともに炸裂したのは、ロックの拳。



【起死回生】のスキルは瀕死から30秒たつと、完全回復する。


完全回復して動きも元に戻ったロックの拳がミスリルゴーレムを捉えたのだ。


瀕死状態のロックの動きを想定してたミスリルゴーレムの拳は、空を切った。



ドッ!



そこに、トドメの矢。


ティナの一撃でミスリルゴーレムは力尽きた。




『レベルが上がりました。』




************


名前:ロック

パーティ:ラフリンクス

Lv:42→46

HP:8102→8903

MP:803→880

体力:791→870

力:799→877

素早さ:813→890

器用さ:805→883

魔力:791→869

スキル:

【起死回生 ★★★★】

【成長促進(パッシブ) ★★★★★】

【隠密 ★★★】

【中級回復魔法 ★★★】

【スキルスナッチ ★★★★★ 】


************


************


名前:ティナ

パーティ:ラフリンクス

Lv:41→42

HP:3028→3103

MP:448→459

体力:313→320

力:292→298

素早さ:307→314

器用さ:371→381

魔力:477→488

スキル:

【   】

【慈愛の祈り ★★★】

【全能力50%UP ★★★★】


************




ダメージを多く与えたロックのレベルが4も上がった。


レベル差が20以上あったので、かなり大量の経験値が入ったのだ。



ちなみに、回復魔法を使った時の経験値は、


  自分の最大HP分回復・・100


である。


回復魔法だけでレベルをあげるのはなかなか辛い。




「たお…せたね。」


「そうね…。」



スキルを奪ってもこれだけの苦戦。


【スキルスナッチ】がなければ勝てなかっただろう。


だが、【スキルスナッチ】でスキルが入れ替わることでロックの「スキルの熟練度」が上がりにくい、ともいえる。


スキルを使いこなしているミスリルゴーレムと戦って、それを感じた。



「ティナ…、なんであんな無茶を…。」


「ロックの方が無茶してるわよ?

 それに、ステータスが1.5倍の状態なら耐えられると思ったの。」


「自分が死にかけた時より焦ったよ…。」


「言ったでしょ?

 私は足手まといには絶対になりたくないの。」


「足手まといだなんて、思ったことないよ。

 それに、ティナが無茶してくれなかったら、僕は死んでた。


 …ありがとう。」


「仲間なんだから助け合うの当たり前でしょ。

 いちいちお礼言わなくていいわよ。」


「ティナもいつも言ってるよ?」


「そ、そうだけど…。

 もう!細かいことは気にしないの!」


「ハハハ…。」



ミスリルゴーレムとの死闘を終えた2人は、モンスターと戦闘にならないよう慎重にイシュメルの元へ戻った。


着いた頃にはもう夜になっていた。

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