第5話:人種:『人化♀したドラゴンが遊びに来るんだよ_〜暁光帝、降りる〜』

<<人種>>





【人種】 1

<<ヒト族>> 2

<<エルフ族>> 3

<<ダークエルフ族>> 4

<<ドワーフ族>> 4

<<ホビット族>> 5

<<パタゴン族>> 5

<<獣人族>> 6

<<マタンゴ族>> 6

<<ハルピュイア族>> 7

<<リザードマン族>> 8

<<マーフォーク族>> 9

<<ゴブリン族>> 10

<<オーク族>> 10

<<コボルト族>> 11

<<ミュルミドーン族>> 12






【人種】

エレーウォン大陸に住む、多種多様、雑多な人種を記述する。

遺伝子の構造が違いすぎるため、ハーフエルフ、ハーフオークなど間の子は存在しない。



<<各国の勢力>>

単純な数の上ではゴブリン族が圧倒している。棲家にしてる土地ももっとも広い。もっとも、荒れ地が多く、本当にただ住んでいるだけで「支配」にはほど遠く、「領土」とは呼べない。暗黒教団の教えのままに過当競争を繰り返していて内戦に近い殺し合いを繰り返しているので文化も発展せず、それが原因で強みである数も抑えられている。

次に数が多いオーク族はやはり好戦的であり、暗黒教団の教えがなくても戦っている。棲家はやはり荒れ地が多く、内戦を繰り返しているので強みの数が活かせていない。ゴブリン族よりは文化レベルが高いものの、魔法技術については惨憺たる有様であり、武器や農具などの重要な工業製品も多種族との交易に頼っている。

ゴブリン族、オーク族に次ぐ数の優位は意外にもマーフォーク族である。海中生活を営む半魚人達は容易に数を増やせそうなものだが、広大な領域である「海」のすべてを支配することはせず、好みの海域を好きに利用している。多種族の港に近い海域を利用することが多いとされている。

マーフォーク族は生活環境が違うので除くとして地上の勢力として第3位を占めるのがヒト族である。人口と文化レベルのバランスが良く、平地や耕作に適した川の周辺を開発している。多種族との交流も盛んで互いに助け合って文明を築いている。

ダークエルフ族は少産少死の社会であるが、平野や谷間など魔法的に安定した土地を好み、強力な文明を築いている。その勢いは森林に限定されるエルフ族を凌ぐ。文化水準も高く、エルフ族と対等である。

同じく少産少死社会を営むエルフ族は森林のみで人口で劣る。それでも文化水準の高さから工業製品、魔法技術などで信頼されており、国として勢いは強い。

ドワーフ族、ホビット族は人口で大きく劣っている。しかしドワーフ族には工業と鉱業で技術レベルが高く、一部のゴブリン族を保護して国を作ってやっている。同じく、コボルト族の面倒を見ることもある。

更に数で劣るパタゴン族だが種族として強い生命力と体力を持つのでその国家は強く勢いがある。

人口ではヒト族に次ぐリザードマン族は少子少産の社会であるが安定して強力である。幻獣である竜を王として頂き、大陸中央に強力な勢力を築いている。ヒト族を始め、オーク族やゴブリン族その他も従属させている。

謎めいたマタンゴ族は計り知れない。驚くほど高い能力を示すが「個人」というものがなく、ヒト族が寄り付かない荒れ地を開墾して国家を築いている。

ミュルミドーン族は地下に王国を築く。その人口は定かでなく、その気になれば地上を征服できるほどの勢力を持つと危ぶまれている。

ハルピュイア族は数の上ではもっとも劣勢である。支配している領域も狭い。だが、竜帝国をも容易に圧倒する軍事力、ドワーフ族が逃げ出すほどの技術力を誇り、「天空の支配者」と敬われている。ハルピュイア族はどこへ行っても歓迎されることが多い。


<<ヒト族>>

人間である。雌雄異体で有性生殖。

寿命は100年ほどだが、病気や怪我、戦争や災害で天寿を全うできずに死ぬ者が多い。乳幼児の死亡率も高く、それを鑑みれば平均寿命は24歳(笑)

文化水準は高くも低くもないが、魔法の研究については遅れており、魔法技術のレベルも低い。国内外で同じヒト族同士の争いが多く、医療に回すべき聖魔法その他も水準が低いため、平均寿命は長くない。

その結果、多産多死の社会になってしまいがちで、無駄に数だけは多い。

基本的に多神教であり、国家や地域によって光明神を拝んだり、暗黒神を拝んだり。そのため、天使からも悪魔からも「有望な市場」と見なされて宣教師や魔族の介入を許してしまっている。

魔気容量の平均値は8gdr、標準偏差は2gdr、魔法が使えないほど少ない人間は0.1%未満、下級魔法すら使えない者も5.5%いる。いきなり中級魔法が使える者は2.2*10−14でいないと言っていいだろう。特級魔法が使える者はいない。

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<<エルフ族>>

有性生殖する、寿命がない雌雄異体の種族。「長命」なのではなくそもそも寿命がない。知能が高く、高い文化水準を誇り、魔法の研究も進んでいる。

聖魔法のレベルも高いため乳幼児の死亡率も0であり、病気や怪我を除けばほぼ死ぬ者がいない。国内は調和を保っていて、対外的に安定してる国家が多い。

典型的な少産少死の社会である。

しかし、その文化水準の高さが仇になって、周辺諸国&諸民族が野蛮に見えてしまい、鎖国政策を採用する“エルフの隠れ里”も少なくない。

自然との調和を訴えて森林や湖に暮らす者が多く、光明神にも暗黒神にも関心が薄い。ニュムペーやユニコーンなどの幻獣を崇めている者が多く、国教として採用している国家も少なくない。珍しい例としては魔獣と恐れられるキマイラを崇めている場合もある。

平和を尊び、暴力を嫌うため、ドラゴンを嫌う傾向にある。

宗教について規制はなく、主に自然崇拝で各地のニュムペーを拝んでいることが多い。刺激を求めて暗黒教団に所属する者も少なくない。

自国を出る者が少なく、交易についても消極的である。冒険者を志すものはさらに少ないが、貴重なので珍重される。

魔法の扱いに長ける。魔気容量は平均値が120gdr、標準偏差が33gdrとばらつきが少なく高い。初期状態でほぼ全員が上級魔法を使え、訓練すれば大半が特級魔法を使える。通常の訓練のみでも超特級魔法が使える者もわずかにいる。


<<ダークエルフ族>>

 エルフ族の近縁種だが交配は不可能。

 同じく寿命を持たない不老の種族である。

 知能が高く、高い文化水準を誇り、魔法の研究も進んでいる…と、ここまではほぼ同じ。

 しかし、聖魔法の水準に問題があって乳幼児の死亡率は0ではない。個人主義に走り、過当競争を起こしがちである。そのため、平和を尊ぶとまでは行かず、時に逸っては戦争を引き起こしがちである。

 肌が黒く、暗黒神ゲローマーを崇めて魔族になる者も少なくない。

 荒れ地や水害の多い平地も厭わずに開拓するため、工業化された国家を築く。

 民族的に争いを厭わない性格からも、国軍は強力であり、大陸に覇権を唱えた王もいる。

 最大の国家はダヴァノハウ大陸の“龍の台地”エーリュシオンに築かれた。エーリュシオン国では青龍カエルレアが崇拝される。龍の台地に雨雲を呼び、雷を降らせて土地を富ませるからだ。

 基本的には豊穣神マァルトを拝んでいる。

 魔法に関する適正はエルフ族と同じ。


<<ドワーフ族>>

有性生殖する雌雄異体の、長命な小人である。雄は長い髭が自慢で、雌はロリ巨乳である。知能が高く、科学技術も魔法技術も高水準である。

寿命は300年ほど。

高い知能と高い文化水準の例に漏れず、少産少死の社会を築く。

暗闇を嫌わないので地下に国家を築く例が多い。

そのため、有望な鉱山を数多く持ち、工業と鉱業が発達している。

その分、食料生産は外に頼ることが多く、リザードマン族、ヒト族、ダークエルフ族、ハルピュイア族、オーク族と交易が多い。自然崇拝に熱心なエルフ族に悪感情を持つ者が多いので国交がないこともある。ゴブリン族を定住化させて地上の耕地を耕させる、「文明化」も推進している。

他種族との交流、平和共存を推し進めているので光明神ブジュッミを崇めるドワーフ国家が多い。

小柄だが力は意外と強く、ヒト族よりも器用だ。

魔法に関する適正は低く、魔気容量の平均値は7gdr、標準偏差は4gdr、魔法が使えないほど少ない人間は0.066807、下級魔法すら使えない者も0.29202いる。いきなり中級魔法が使える者は2.4101e-07でいないと言っていいだろう。特級魔法が使える者はいない。


<<ホビット族>>

有性生殖する雌雄異体の小人である。

小柄で子供ほどの体格しかないが、力はそこそこあって素早い。

寿命が150年とそこそこ長いが、乳幼児の死亡率が高く、平均寿命は40年ほど。

知能は高いが、統率力のある王が現れず、大きな国にまで発展する例は少ない。主に森林や地下洞窟で村を築いて生活する。

文化水準があまり高くないので病気や怪我で死亡することも少なくない。

魔法技術も低く、とりわけ回復魔法の研究が急がれる。

冒険者としての適性は高く、斥候に向いている。

魔法の適性は低い。魔気容量の平均値は6gdrで標準偏差も4と低くてばらつきが多い。


<<パタゴン族>>

 有性生殖する雌雄異体の巨人である。

 ヒト族によく似た姿であるが大きい。♀の平均身長2.01mの平均体重152kgであり、身長の標準偏差は0.0800である。♂はそれぞれ2.24mの、身長の標準偏差は0.0762mである。

 寿命は100年でヒト族と変わらない。大きくて頑丈だが、乳幼児の死亡率は高く、平均寿命は26年。

 意外に思えるが、性格は穏やかで争いごとを好まない。山岳や孤島に住み、強力な国家を築いている。知能にも問題はなく、争いが少ない分、文化水準もそこそこ高い。

 ただし、総じて魔法技術が低く、怪我や病気が致命的な結果に及びやすい。

 魔法に関する適正は低く、魔気容量の平均値が5gdr、標準偏差が1gdrである。


<<獣人族>>

有性生殖する雌雄異体の獣人である。

少々、毛深くて尾があり、強靭な肉体を誇る。嗅覚や聴覚もヒト族より優れ、芸術家も多い。知能はヒト族に並ぶが、直情的である。

寿命は100年ほどだが、活発なので事故や戦争で天寿をまっとうする者は稀。乳幼児の死亡率も鑑みると平均寿命は20歳である。

オークやゴブリンほどではないものの、多産多死の社会である。

平原や森林に小国家を築く。文化水準はそれなり。

生まれなら特殊な肉体強化の魔法を会得しており、誰に教わらなくても「獣化」できる。

体力に優れているので傭兵や冒険者、商人を勤める者も多い。

宗教は雑多で統一が採れない。

魔法の適性はヒト族とほぼ同じだがばらつきが多い。魔気容量の平均値は7gdr、標準偏差は5gdrである。何の訓練もなしでいきなり中級魔法を使える者が0.13905もいる。逆にまったく使えない者も0.26915いる。


<<マタンゴ族>>

無性生殖する雌雄の性別がない、キノコ人間である。

一つの株がすべて同じ個体のクローンである上、同じ株同士ならば魔法で心を通じ合わせられる。

一人が見たものは全員が見ているし、一人に伝えれば全員に伝わる。

個人の個性など初めからなく、一つの株ですべての情報を共有する。当然、死の恐怖など感じない。誰が死んでも代わりがいるから。

異なる株同士で有性生殖する。

出産せず、胞子で増える。胞子から子実体が生えてキノコにまで成長すると変態して成人になる。

美少女や美女の姿を取っている場合が多いものの、そもそも外性器がない。

当然、男女の別なく恋愛しない。無性愛である。

全員が同じ記憶、同じ感情、同じ意志を持つので文化水準は高い傾向にある。ほぼ例外なく国家を形成し、強力な軍事力を擁する。その統率力はミュルミドーン族よりも強く、戦場ではまったく死を恐れない強力な兵士となる。

宗教も株ごとに偏っている。

冒険者として活動する者もいる。同じ姿、同じ顔の女性が大勢で攻略するので異様である。その場合はマタンゴ族の国家から情報収集などを目的に送り込まれている可能性が高い。

魔法の適性は高く、魔気容量の平均値は320gdrで標準偏差は100gdrと高い水準でまとまっている。


<<ハルピュイア族>>

雌雄同体で有性生殖する、美しい不老の有翼人。“天空の支配者”と呼称される、とてつもなく強力な種族である。

身体はほぼヒト族に近いが、背中に白い翼を持ち、生まれながら質量をごまかして揚力を得る魔法が使える。魔気容量もエルフ以上に多く、強力な魔法を操る。

一見、天使に見えるが、戦となれば空から遠慮なく強力な攻撃魔法を降らせて一方的に敵を蹂躙する戦士である。天使のようだからと慈悲など期待できない。

主に高山の頂きに国家を築く。

個人主義を嫌い、集団で事に当たることを好む。飛空船を駆り、敵対する者に対しては圧倒的な技術力と数で勝負を挑む。文化水準が高く、芸術品には目を見張るものがある。工業や商業も盛んでしばしば他国に赴いて貿易を行う。

雌しかいないように見えるが実際は両性具有者である。ますます天使のよう、か。

エルフと同じく寿命がなく老いないので、病気や怪我でしか死なない。乳幼児の死亡率も0なので平均寿命は測定不可能。

文化水準が高いためか、あまり子供を産まない。典型的な少産少死社会を形成する。

光明神ブジュッミ信仰が強く、ハルピュイアの国家は多くが国教と指定している。

冒険者を志す者はエルフ族よりも少なく、極めて貴重である。彼らはしばしば「片目の国では目暗が王様」と揶揄されてしまう。

魔法に関する適正は群を抜いており、魔気容量1600gdr、標準偏差340gdr、何の鍛錬をせずとも超特級魔法が使える者が0.0019736とずば抜けている。魔法が使えない者はおらず、訓練することで0.99985が特級魔法を使える。


<<リザードマン族>>

モデル:デイノニクス

雌雄異体で有性生殖する、長命のトカゲ人である。全長3.7mの体重120kgほどであり、かなり大型の、二足歩行する俊敏な、恒温動物である。

寿命が長く400年もあり、乳幼児の死亡率も低い。高い文化水準を維持する。

外性器が隠れているので性的二形が見られず、多種族から雌雄の差はわからない。

実際のところ、リザードマンは4色型色覚があるので自分達で見分けるのは容易。

頑丈な鱗と力強い筋肉、強靭な肉体を持ち、身体も大きいので冒険者に向いている。

長命で文化水準が高い者の例に漏れず、少産少死型の社会を築く。自分が誕生した時の卵を重要視し、生涯に渡り大切に保存する習慣がある。名誉を重んじるので「公衆の面前で誕生卵を割られる」のが最悪の処罰であり、死刑制度はない場合が多い。

鋭い鉤爪と強靭な尾を持ち、武器を持たなくても強い。

光明神ブジュッミにも暗黒神ゲローマーにも関心が薄く、個人で豊穣神マァルトを信仰している者が多い。

エレーウォン大陸のほぼ中央部に強大な竜帝国を築いて、領域内の流通を管理している。

竜帝国は大型の重装甲ゴーレムを駆る陸軍国でリザードマン歩兵軍団とともに精強そのもの。国家元首は“竜帝カザラダニヴァインズ”を名乗る、幻獣ドラゴンである。特A級の地龍であり、国内の尊敬を集め、周辺諸国からも一目置かれている。

竜帝国を除いてもドラゴン崇拝が強く、他のリザードマン国家も大なり小なりドラゴンを王として頂いている場合が多い。

ヒト族より魔法に適正があり、魔気容量の平均値は50gdr、標準偏差が28gdrと高いがばらつきが多い。いきなり中級魔法が使える者が0.83165おり、そのままで上級魔法を使える者が0.014682いる。鍛えて特級魔法を使える者が0.17262いる。



<<マーフォーク族>>

 有性生殖する雌雄異体の水棲人である。もっとも体外生殖である上、卵を産んだら産みっぱなしで子育てという概念がない。雌も乳房がなく、雄は外性器がない。つまり性的二形が弱く、同族でも雌雄の区別がつかない。

 雌は卵を産み捨てておけば雄が勝手に体外受精してくれるので「恋愛」という概念もない。

 法的な契約に基づく「家族」はあるが、「親子」はない。家族になることは単純に有力な集団に帰属するだけのことでそれ以上の意味はない。

 エラ呼吸と肺呼吸の両方をそつなく行い、頑丈で力が強く、乾燥にも強い。知能も高く、海中や淡水中に独自の文化圏を築く。しかし出産が水中に限定されるため、地上進出をあきらめている。

 寿命は200年ほどで老化すると鱗が変色する。

 海中または淡水中に国を築き、他種族とも盛んに交流する。

 光明教団に近いが、暗黒教団に近づく者も多い。

 冒険者としても優秀で戦士や魔法使いとして活躍する。

 発声に問題があるので斥候やリーダーには向いていない。

 魔法に関する適性があり、魔気容量の平均値は30gdr、標準偏差 3gdrとばらつきが少なく高い。初めから中級魔法が使える者が0.70221と多く、鍛えれば特級魔法が使える者もいる。


<<ゴブリン族>>

 単為生殖で殖える、典型的な多産多死の小人。身長は子供ほどしかないが、凶暴で自分よりも弱いものを見つけるとためらわずに攻撃する。反面、臆病で自分よりも強そうだと考えると背中を見せることをためらわない。誇りなどなく、短絡的で日々の糧を得て寝るだけの性格を送る。

 一見、雄ばかりのように見えるが実はすべて雌であり、洞窟や粗末な小屋に隠れて年一回に10〜20人の子供を産む。育児専門職である乳母がおり、3〜50人をまとめて育てる。子供は5〜6年で成人になる。

寿命は70年だが、とにかく死亡率が高いので老いたゴブリンなど伝説になるレベル。

 子供は狐やイタチなどの、成人は狼やクマなどの肉食獣の餌にもなっており、自然界では重要な地位を占めている。

 再生能力が高く、不具者がいない。いてもすぐに治るので大切にはされない。手足の欠損が治る。

 性格から暗黒神の信仰が篤く、光明神を崇める者は少ない。

 村を作る者はまだ知的レベルが高く、光明神に従う。しかし、ふつうは単なる群れで生活し、暗黒神崇拝も原始的である。しばしば魔族の新人が研修として指導に訪れるが、ゴブリンの群れは定住生活しないので探すのも苦労する。

 魔法に関する適正はヒト族よりも高く、魔気容量の平均値が15gdr、標準偏差が2gdrとまとまっている。


<<オーク族>>

 主に単為生殖で殖えるが、村や町を築くと有性生殖も行う、大柄な半人半豚の生物。人種よりも大きくたくましい。

 再生能力が高く、欠損した手足が生えて戻る。

 粗食に耐え、よく働くが、粗暴で自分よりも弱い相手には容赦しない。戦争好きだが、誇りはなく、卑怯な手段も平気で遂行する。しかし、知能が低く、武力ばかりを尊ぶので無駄な突撃を繰り返し軍が全滅することもしばしば。

 一見、雄ばかりのように見えるが、実は大半が雌である。雄のオークは矮雄を起こしており、子供ほどもないが貴重なので大切に扱われている。

 3年に1回の出産で2〜4人の子供を産む。ほぼ単為生殖なので父親はいない。ゴブリン同様、育児専門職である乳母がおり、3〜50人をまとめて育てる。子供は十年未満で成人になる。

 やはり多産多死の種族であり、オークは消耗品である。

寿命は80年だが、病気や戦争で死ぬことが多く、天寿をまっとうできる者は稀。

 その性格から暗黒神崇拝が強く、ゲローマーを崇めるオーク国家が多い。

 魔法の適性は低いが、ヒト族よりは高い。魔気容量の平均値は12gdr、標準偏差は3gdrとまとまっている。1万人に一人くらいの割合で何もせずに中級魔法が撃てる。


<<コボルト族>>

有性生殖する雌雄異体の獣人である。

知能はあまり高くないが、数が多い。年に1回、3〜5人の子を産む。育児専門の職業である乳母がおり、まとめて2〜50人を育てる。

小柄で子供ほどの大きさしかないが、ヒト族よりも体力があって疲れづらい。力はヒト族より劣るが、多産多死社会の住人らしく戦いとなれば命を捨てて戦う。また嗅覚、聴覚などの感覚器もヒト族より優れており、夜目も効くので冒険者としての適性は高い。

歩くぬいぐるみのようで可愛らしい者から精悍な美しい狼のような者まで個体差が大きい。

子供から育てると他種族にも良く慣れ、寿命は100年ほど。人間の奴隷になっている者ならば乳幼児の死亡率も低く、天寿をまっとうできる者も多い。逆にコボルト族の国や村で暮らすコボルト自由人は死亡率が高く、平均寿命は30年ほど。ヒト族に比べて長い理由は保護国が守っているから。

個体差があるものの、一般的に勇敢で非常に忠誠心が高く、主を裏切らない。また、知能が高くても上手く言葉を話せない者や全く話せない者もいて、更に価値は高いとされる。そのため、コボルト族の子供は奴隷として珍重され、高額で取引されることも多い。

また「コボルト奴隷」は「忠犬」とほぼ同じ意味であり、偏屈な者や悪人であっても非常に大切にする。

コボルト奴隷を乱暴に扱う者は非常に嫌われ、犯罪者よりも疎まれる。

老化してもあまり外見が変わらないが、能力は確実に落ちる。

洞窟や地下に村を築いて暮らす。国家にまで成長することもあるが、たいがい被保護国として半植民地化されている。

多産多死の社会であるからか、子供を他種族に売ることにためらいがない。

冒険者としても優秀であることが多い。もっともヒト族やオーク族の従者または奴隷として参加する場合が多く、どちらも重用されている。

主に忠実なコボルトの物語は吟遊詩人にも歌われて人気がある。女性を騙そうとする悪い男を見破ったり、主の命を狙う暗殺者を退ける逸話が有名。ドラゴン退治などの冒険譚にもしばしば登場し、主を助けて敵と戦う重要な役どころを担う。

魔法の適性は低く、魔気容量の平均値は9gdrで標準偏差は6gdrと低くてばらつきが多い。そのため、初期値で中級魔法を使える者が0.0093867いる。


<<ミュルミドーン族>>

有性生殖する雌雄異体の種族だが、空が飛べる少数の羽アリを除いてすべて雌である。

アリに似た、外骨格の人間で恒温動物である。

昆虫のような姿であるが、頭部、胸部、腹部に分かれても第1,第2肢は胸部から第3肢は腹部から生える。外骨格は黒く頑丈で力も強い。

女王アリを筆頭に兵隊アリや羽アリ、働きアリ、学者アリなどで構成され、個体差が著しい。

女王アリ:平均身長2.0mの平均体重139kg、大柄で翅があり、空を飛べる。多くの娘達にかしずかれている。魔気容量は大きく平均値100gdrもある。

羽アリ:平均身長1.5m、平均体重59kgと6肢と翅の分だけ重い。小柄で翅があり、空を飛べる。大切にされている。人族よりも小さいが魔気容量は大きく平均値100gdrもある。

兵隊アリ:平均身長5.5m、平均体重2600kg、大柄で強靭な肉体を持つ。発達した大顎が特徴で働きアリの3倍、体重にして30倍の巨躯を誇り、パタゴン族を圧倒する。魔気容量も非常に大きい。魔気容量も平均値70gdrもある。

斥候アリ:平均身長1.3mの平均体重30kg、斥候に適しており軽くて素早い。

働きアリ:平均身長1.8m、平均体重90kg、中くらいの大きさで6肢の分、若干重い。人族よりは大きい。怠けずによく働く者が多い。十人に一人くらいの割合で怠ける者がいる。魔気容量の平均値は18gdrと人族よりは多い。

学者アリ:平均身長1.6mの平均体重66kg、小柄でよく発達した触角を持つ。人族よりも小さい。著しく知能が高く、魔気容量も大きい。魔気容量は大きく平均値300gdrもある。

以上、それぞれの標準偏差は平均値の2/3くらい。

寿命は100年ほどであるが、外見から年齢を推測することは難しく、また社会の構造上、天寿をまっとうする者が偏っている。

徹底した全体主義、集団主義の社会を築く。女王アリも含めて「私」という概念がなく、「個人」の観念そのものがない。

単純な多産多死の社会ではなく、兵隊アリの死亡率は高いがそれが人権上の問題になることもない。兵站上の問題にはなるが。

女王アリは当然として学者アリや働きアリも天寿をまっとうする。

羽アリは小柄で軽く、二対の翅で飛ぶ。雄である彼らは遺伝子交雑を目的に都市間、国家間で盛んに取引される。

女王アリの産んだ卵を育児専門の乳母アリが飼育する。成長が早く、5年ほどで成虫になり、働き始める。

宗教について関心がなく、まったくの無宗教である。

国家の祝い事や忌み事もなく、すべての物事が淡々と進められる。

女王アリと羽アリを除く社会の構成員がすべて姉妹なので、あまり競争はない。上下の別もなく、二人称は「お前」で一人称の「自分」はほぼ使われない。

ヒト族のような発声器官がなく、大顎を噛み合わせたり、中足のクシ状の器官をこすり合わせることで出す音を頼りに言葉を喋る。

前足にある聴覚器、触覚と複眼、単眼による感覚は鋭い。

感情の起伏が薄いように思われることもあるが、戦争や女王の誕生などで激しく興奮する。

生命の価値が薄く、女王アリですら必要に応じて死んでみせる。

勤勉で怠けることを知らず、命を惜しまないのでこの上なく勇敢(と言うか、そもそも死への恐怖がない)、忠誠心に篤く決して裏切らない。

労働力としても兵力としても最上級の逸品なので「巣」を単位として雇われることも多い。

「巣」を単位として考えると代替わりがあるので女王アリもまた「消耗品」であり、不老不死と言える。

多産であり、人口は多い。見かけ以上に。

戦争や災害などの緊急時には休眠状態の蛹を起こして兵力を増強させて対応する。一気に数十倍の戦力の増強が見込まれ、その軍事力は圧倒的である。

若い女王アリが率いる巣や脱走した羽アリなどが冒険者になることがある。

魔法適性はそこそこで魔気容量の平均値が18gdrで標準偏差が12と高くてばらつきが多い。

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