第3話:他の幻獣と人間:『人化♀したドラゴンが遊びに来るんだよ』

<<他の幻獣と人間>>





【他の幻獣】 1

<<一角獣“ポーリーヌ”:Pauline>> 1

<<ニュムペー“ジュリエット”:Juliette>> 2

<<キュクロープス“ポリュペーモス”:Polyphēmos>> 3

【人間】 4

<<勇者“ジャクソン”:Jackson Beardsley>> 4

<<領主の妻“コンスタンス”:Constance Beardsley>> 5

<<領主の長女“ユーフェミア”:Euphemia Beardsley>> 5

<<領主の次女“キャサリン”:Katherine Beardsley>> 5

<<博物学者“ビョルン”:Björn>> 5

<<コボルト“ヒューゴー”:Hugo>> 6

<<エルフ“ナンシー”:Nancy>> 6

<<ヒト♀“スーザン”:Susan>> 7

<<上級魔族“デルフィーナ”:Delphina>> 7





【他の幻獣】

D級の幻獣は魔法が使えない。

C級から上の幻獣は魔法を使うことができる。つまり、体の外へ魔力が放出できる。

B級から魔法盾が構えられるようになり。

A級は魔法障壁を張りつつ、魔法による攻撃ができる。

特A級は破格の魔気容量を誇り、D級の百万倍、A級の千倍である。この階級になると好気呼吸は行わない。食事も不要で自らの魔力だけで活動する。



<<一角獣“ポーリーヌ”:Pauline>>

 愛称はポーレット|(Paulette)。

 体高1.65m,体重450kgの真っ白なユニコーンである。額から生えた一本角は硬く頑丈であり、レイピアのように扱い、斬りつけ、刺せる。

 聖魔法が得意で魔法盾も構えられる。

 伝説通りに女好きで清らかな乙女に目がないものの、ヒト族であれエルフであれ、真っ向勝負を仕掛けて容易に勝てる相手ではない。

 “神殺し”の原因となった、ユニコーンの森に棲んでいた。嘆きを立ち昇る烟りの神キルウルウグングに伝えてもらった張本人でもある。

 人化すると身長1.60m,体重55kg、美乳を誇る麗人になる。

 瓦礫街リュッダで中級冒険者をやっており、二つ名は“レスボス島のポーリーヌ”である。攻撃的な聖魔法を使いこなし、アンデッドモンスターや悪人に特効である。回復魔法はそこそこ使えるが得意ではなく、無理に使うのですぐに息切れしてしまう。

 得意武器は当然、レイピアであり、盾の代わりに受け流し用の短剣を持つ。剣技の冴えが恐れられる。

 上級冒険者になれないのは仕事がいい加減だから。男性からの依頼を受け付けなかったり、手を抜いたりする。


<<ニュムペー“ジュリエット”:Juliette>>

 愛称はジュジュ|(Juju)。

 身長1.67m,体重72kg、だらしない爆乳を揺らす、水色の髪をした肉感的なニュムペーである。

 オレンジの瞳と鮮やかな真紅の唇が特徴の美女である。

 水魔法が得意で目くらましの霧を広範囲に張り巡らしたり、体温を奪って衰弱させたりできる。発動が遅いものの、ウォータージェットによる斬撃も狙える。水の円盤を回転させて切断する技は強力だが、飛ばせないので固定して罠のように使う。

 大量の水があれば、引き込んで溺れさせたり、水流でバラバラにちぎるなどの強力な技が使える。

 聖魔法は攻撃よりも味方の強化や体力の回復に向いており、森を訪れる人間が期待するものもそれであることが多い。

 “神殺し”の原因となった、ユニコーンの森の泉に棲んでいた。嘆きを立ち昇る烟りの神キルウルウグングに伝えてもらった張本人でもある。

森で暮らしながら訪れる若い女をさらっては淫蕩に耽る。

 女好きの一角獣ポーリーヌとは昔からの付き合いであるが、「女色がきつい」と疎まれている。

 ユニコーンやニュムペーの棲家に若い女性がほいほいと入り込んでくることは稀であり、欲求不満が高まって意気投合したポーリーンと人里を目指した。

 見た目、人間そっくりだがその身にまとう雰囲気や後光がやはり人間離れしているので人里に紛れる場合は人化する。

 人化すると身長1.67m,体重65kgと肉が落ちて若干スレンダーになる。瓦礫街リュッダでは中級冒険者をやっており、二つ名は“悪徳のジュリエット”である。ポーリーンと同じく女色であるが、紛らわしいので“だらしない方の”とか“見境ない方の”と呼ばれている。聖魔法による防御と回復&治療に定評があり、性格に難あれどジュリエットよりも有能であると見られている。

 超特級魔導師らしく得意武器は魔術杖である。


<<キュクロープス“ポリュペーモス”:Polyphēmos>>

 身長12mの体重25.4トン、海辺の単眼巨人である。

 瓦礫街リュッダの南西、森林の奥にそびえる鉱山に棲み、羊を飼って暮らしている。鍛冶の腕もよく強力な武器を鍛えては他の幻獣に渡している。オーク族とも付き合いがある。

 信者ではないが暗黒教団に親近感を持っており、魔族とも付き合いがある。

 モンスターとしては三番手の梅と評価されており、それを知って以来、三番手の松であるドラゴンを妬んで火竜に突っかかっている。冒険者ギルドではA級モンスターとして扱われている。

 怪力で全速力で走ればヒト族よりもかなり速い。だが、息切れしやすい。

 しばしば南西の鉱山から瓦礫街を襲い、一度は市壁を破壊している。

 その後、勇者ジャクソンに討たれて負傷し、しばらく棲家で傷を癒やしていた。

 配下としてトロールやオーガを雇っている。ヘルハウンドの群れは餌付けして従えた。

 傷が癒えると瓦礫街を襲った。

 襲撃のために南西の森林を突っ切らねばならないが、マタンゴ族スヴェトラーナ株♀の集落が点在するのでしばしば氷や闇の精霊魔法を食らう。

 涙目である。




***********************



【人間】

<<勇者“ジャクソン”:Jackson Beardsley>>

 身長1.74mの体重75kg、無謀な若者である。孤児院で育ち、天涯孤独で光明神の教会から「命を捨てて戦えば天国へ行ける」とそそのかされて命知らずの無謀さを手に入れた。

 瓦礫街リュッダを救うべく、聖女“お色気”マリリンの助けを得、キュクロープスのポリュペーモスに挑み、2回負けたものの、幸運にも傷を治してもらい、3回目の勝負に勝って敗走させた。昼夜を問わぬ夜討ち朝駆け、すでに47人の勇者が犠牲になっており、この時点ですでにポリュペーモスは過労死しかけていた。

 見事、役目を果たしたジャクソンは瓦礫街に凱旋して、叙爵されてビアズリー姓を賜り、領主になった。

 「勇敢なら怖くない」などの戯言を家訓にしてがんばったが、元が剣を振り回すしかない無法者だったのでものの役に立たず。

 たまたま恋に落ちた相手が前領主のはとこ、コンスタンスだったので結婚できて、事実上の領主はコンスタンスになった。

 姉妹で娘が恵まれ、住人からも慕われるようになる。

 もっとも市壁よりも光明教団の教会を優先して修復したので顰蹙を買っている。

 ある日、目覚めて外を見ると南にそびえていた山の形が変わっていた。「空を覆うほどの途方もなく巨大なドラゴンがやってきた」「ドラゴンは紫色の鱗を輝かせていた」との報告を受け、大あわてで調査を計画するも、部下達から「首を刎ねられるより早く死ねる自殺のデモンストレーションか」と呆れられる。

 地元の冒険者ギルドに調査を依頼するも無視されて今に至る。


<<領主の妻“コンスタンス”:Constance Beardsley>>

 フルネームはコンスタンス・ジェラルディーン・ビアズリー、"Constance Geraldine Beardsley"で、愛称は“コニー”Connie。

 身長1.77mの体重78kgと長身。ゆるやかなふわふわ金髪の巨乳ボール型の美女である。



<<領主の長女“ユーフェミア”:Euphemia Beardsley>>

 愛称は“フェミー”Phemie。

 4歳。


<<領主の次女“キャサリン”:Katherine Beardsley>>

 愛称は“キャシー”Kathy。

 3歳。


<<博物学者“ビョルン”:Björn>>

 身長1.64mの体重53kgと痩せぎすの白人男性で髪は茶色。

 上級魔導師であり、魔気容量が高い。高いと言ってもヒト族なので100gdrも行かないが。

 瓦礫街リュッダを治める領主夫妻にかしずく博物学者である。

 光属性の精霊魔法と回復魔法を操る。怪我や病気の治療で城内で信頼を得ている。光魔法は攻撃手段ではなく、望遠鏡の代わりとして遠方を観察したり、顕微鏡の代わりに微小なものを観察するのに使っている。

 博物学者としても熱心で冒険者ギルドのモンスター鑑定を担っている。

 とりわけドラゴンに強い関心を示す。瓦礫街に出没するドラゴン達について公費を費やして研究している。

 「寿命のない生物など存在しない」という理論に執着しており、ヒト族が定命の者であるように「ドラゴンも不老不死ではない」とモンスターの年齢測定に熱心だ。

 アストライアーに出会っても正体に気づかず、ドラゴン研究に誘った。


<<コボルト“ヒューゴー”:Hugo>>

 身長1.76mの体重77kg、コボルト♂にしては大柄と言える。

 土魔法と強化&弱化魔法を中級で使いこなす、ベテラン冒険者で上級戦士である。

 「野良」と言われるコボルト族の自由人。

 以前は奴隷だったが、主が落ちぶれて手放された。

 今でも主のことを思っており、いつかまた首輪を着けてもらいたいと願っている。

 自由になっても新しい主を探そうとしなかった忠義者。

 精悍な顔付きとたくましい肉体で犬好きを魅了する。

 出自を知って「ぜひとも」と望む声も多いが、その忠義を尊んで手を出そうとする者はいない。

 得物はロングソードと丸盾だが、鋭利な牙も健在である。

 「犬は人間の最良の友」を体現した人物。


<<エルフ“ナンシー”:Nancy>>

 身長1.61mの体重65kg、だらしない爆乳を揺らす、美貌のエルフである。

 肩まで流れる金髪と青い瞳、服をはち切れんばかりに膨らんだ爆乳と魅力的な女性だが、残念なことに食い気ばかりが突出してしまい、身だしなみがおろそかになっている。そのため、初対面でアストライアーから「噂好きな小太りのおばちゃん?」と言われてしまった。

 風と土の精霊魔法に加えて回復魔法と結界魔法、4種類を操る有能な冒険者である。

 冒険者パーティー“紫陽花の鏡”に所属している。

 食いしん坊で美味しいものが食べたくて故郷を出奔した。

 中級冒険者として働いているが、回復魔法が使える上、エルフらしい豊富な魔気容量を持つので副業で医者“治療師”もしている。領主の開いた治療院では重宝されている。

 冒険者ギルドの初代ギルドマスターで、ギルドでも一目置かれている。


<<ヒト♀“スーザン”:Susan>>

 身長1.62mの体重60kg、金髪で青い目の巨乳お碗型の美女。

 瓦礫街リュッダで冒険者ギルドの受付嬢の1人を勤めている。

 生活魔法が使える程度で魔導師とは呼べない。

 有能で、読み書きは人類共通文字が使え、算術は計算補助具ラブドロジーが使える。

 気立てが良く、社交的で友達も多い。

 自由民だが、小さい頃から勉強熱心で賢い。

 剣や魔法は苦手だが、事務処理と交友で有能さを示す。


<<上級魔族“デルフィーナ”:Delphina>>

 身長1.75mの体重80kg、捻くれた大きな二本角、先端がスペードになった尾、コウモリ様の真っ黒な翼は大きく広く。

 エルフ族らしからぬ浅黒い肌と肩まで流れる黒髪。

 高い魔気容量を誇る、典型的な上級魔族である。

 もともとは最古のダークエルフ国家エーリュシオンの出自。平和と繁栄を旨とする理想郷ではあったが、光明神ブジュッミではなく青龍カエルレアを崇める。カエルレアが教義のたぐいを送るわけもなくエーリュシオンは自由だった。おかげで異端とも言える競争主義を身に着け、立身出世を志し、暗黒教団に身を投じた。

 好戦的ではあるが、思慮深く、戦でも交渉でも引き際をわきまえている。

 稀少な超特級魔導師で、闇属性の精霊魔法を自在に使いこなす上、武闘派の魔族らしく強化&弱化魔法でパワーアップして羽ばたき飛行だけで空を飛べる。また防御結界魔法で味方を守り、召喚魔法により囮や護衛を呼べる。

 このように魔法技能は高いが回復系や隠蔽系が一つもなく、すべてが攻撃寄りである。

 魔族でも屈指の武闘派であり、モンスター討伐のみで成績を修め、暗黒神ゲローマーから奇蹟を授かり、元の資質もあって大きな魔気容量を得ることができた。

 実力は折り紙付き。

 エルフとは言え、一般信者からいきなりエリート中のエリートである上級魔族への抜擢は暗黒教会幹部からの期待の表れでもある。

 ただし、布教や広報などの“地味な仕事”について実績がないため、今回、「ゴブリン村の教化」を求められた。

 ここまで武闘派でならしてきたデルフィーナもさすがに「そろそろか」と観念していたので真面目に取り組んでいたが。

 ところが、配下のゴブリンを鍛えるための隠れ里には念入りに多重結界を張っていたが天龍アストライアーにいっぺんにすべてを破られた。そして何もかもめちゃくちゃにされてしまった。

 只の武闘派ならここで戦いを挑んで無様を晒していただろうが、さすがは暗黒神に見込まれた有望株である。童女アスタを一目で「ただ者ではない」と見抜き、丁重に扱って瓦礫街リュッダへ向かうよう誘導できた。

 その報告と対処は高く評価され、そのまま調査に向かうよう命じられた。

 すなわち「穏便に探れ」である。

 かくしてデルフィーナは自らの正体を隠して瓦礫街リュッダへ潜入した。

 人化すると身長1.75mの体重76kgと翼や角がなくなる分、軽くなり、肌もエルフらしい白になる。

 瓦礫街に潜んだ後はすぐにワイルド火山島への調査を敢行せず。

 ここでも慎重さが目立つ。

 部下のイグナシオについては有能さを認めているものの、危うい行動が目立つと警戒している。

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