第4話

 ふと、何処かに戻ってきた感覚がした。僕が今いる場所は、先ほどのどの景色よりもはっきりしていた。

 立体感。そうだ、立体感だ。今までの景色は、いうなれば絵画。どこか平面的な景色に僕がぽつんといた。


 僕はどこかの星の上に立っていた。周囲にはいくつもの丸い星が、遠い宇宙には光る星が見える。

 目の前に、巨大な星が現れた。月だ。


 後ろを振り返ると、太陽がいた。月は太陽を反射して、何処かに向かって一筋の光の道を作る。ただの月光とは違った。その道には星屑が集まって、キラキラと誰かを導いているようだった。


 月の光の道の先、よく目を凝らすと、そこに見たこともない青い星が現れた。

 その星は自らが輝いていた。太陽でも、月でもない。その星の内側から青い光が溢れているようだった。


「きれいでしょう、きれいでしょう」


 少女が言った。僕は頷く。


「あの星はまだ遠いわ。星はまだたくさんあるの。さぁ、まずはお月様へ向かいなさい」


 僕は頷いて、目の前の一番近い星へ向かって跳んだ。

 青い光への不思議な高揚感と期待を抱いて。



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