第206話ミレイア共和国
エレミアが落ち着いた貴族女性達を見て話を始める
「皆さん落ち着かれたようですね。そろそろ本題に入ります。
マリーラ帝国のクアトラ皇帝も聖女ホーリアそれに聖教国の聖女テレサラートも間もなく到着します。」
皆それを聞いて身なりを整え会議テーブルの着に着席していく。
エレミアは今回緊急に集まって貰った理由を説明する。
「皆さんに今回の事で以前より計画していた。マリーラ帝国を含めバイスル王国からの分離独立を早急に取り決めバイスル国王陛下に了承して頂きます。
早急に決めないとバイスル王国は精霊の加護が消失し崩壊するからです。」
メルティアがエレミアの発言を補足する
「バイスル王国のメローナでまた愛し子ミレイを捕らえ奴隷にしようとバカな奴らが現れました。その関係者を調べたらこの国約半数近い領主貴族が絡んでいました。
もし再び愛し子ミレイに何かあればこの大陸も崩壊します。」
クアトラ皇帝陛下は発言を求めると
「我々の大陸で精霊の加護消失がどれほどのものか我々が体験してよくわかってる。それをバイスル国王にも伝えたはずじゃぞ!
何をしておる!何故奴隷に拘る!
聖女ホーリアは人が人を隷属するのは女神は認めていないと言っておる。
しかし困ったもんよのお…バイスル王国の貴族は馬鹿なのか…
ここに集まった者達は多くの民を保護し導く責任がある。早急に決めねばならんの…」
エレミアが申し訳無さそうに答える
「クアトラ陛下本当に情けない限りです。過去に愛し子ミレイに危害を加えた関係貴族の領地が精霊の加護の一部消失して、収穫量が激減して大変な思いして、今も回復していないのに、彼らはたまたま起こった災害だと今も思っています。
未だに奴隷にこだわり止めるどころか元に戻そうと考えてる方々です。
隷属を完全に止めるように言っても、いろいろ条件をつけて来るでしよう。
それならこれを機に以前より提案していたバイスル王国からの分離独立を王国議会に提案をし了承を得たいと思います。」
エレミアの発言にブレイニー侯爵、ナナリア伯爵、モルトレア子爵が立ち上がり賛同する
「私レイシア・ブレイニーはエレミア殿下に賛同いたします。男どもは己の欲望のために奴隷を求める。
特に私達の敵対勢力の男性貴族は私達を見下しているのがわかります。」
「私モレアナ・ナナリアはエレミア殿下に賛同いたします。本当に私も誰とは言いませんがあの男達の私の胸ばかり見る視線が耐えれませんわ。
多くの女性は子を生み育てるという大変な苦労をしてるのです。
男どもは妊娠期間中は自分の欲望を満たすために奴隷を得たり、平民に手を出す者までいるのです。
女は男の欲望を満たすためだけにいるのではない!」
「私キャンベラ・モルトレアはエレミア殿下に賛同いたします。あの男達は欲望のために奴隷に拘る馬鹿です。他にもっとする事あるでしよう!
殿下早急に分離独立の話し合いに行きましょう。」
クアトラもエレミアに賛同の発言をする
「我は男じゃが相手が拒む者を隷属して強制的に従わせるような事はせぬぞ!エレミア殿下分離独立は我も賛同する。
そして帝国もそなたの国家に組み入れてくれてほしい。
新しい国家の首都はここモルトンを推奨する。女神ミユミレイア様の名を一部使った国家がよいと思うのじゃが…」
エレミアはクアトラの新国家に帝国を組み入れてほしい発言に驚く
「クアトラ陛下よろしいのでしょうか?新国家はクアトラ陛下が治めて頂きたいと思ってたのですが…」
クアトラは笑いながら答える
「フォフォフォ…我は国を治めるよりもミレイちゃんと一緒に遊んだり食事したりしたいのじゃ。
帝国は新国家の一つの領地扱いで結構じゃ国民も幼い女神様の国家の一員になれる方が喜ぶじやろ。」
こうして集まった者達との話し合いで分離独立する概要が纏まり新国家ミレイア共和国として主な内容も決まった。
この事はエレミア達を指示するメルフェルト女王国やフォルクス国、シオク公国と大陸にある6ヵ国あるうちの3ヵ国が事前に承認していた。
エレミアはハートレイに緊急に全領主で話し合う議案があると告げ全ての貴族に召集を求めた。
「ハートレイ陛下メローナで起こってる出来事をご存知かしら?」
ハートレイはメローナと聞いて一瞬表情が変わるも平然と対応する。
「いや儂にはわからん!何も聞いていないぞ!」
その言葉にエレミアはハートレイを睨み付ける
「メローナで罪なき女性が強制的に捕縛され奴隷に落とされているのご存知ないのですか!
それと女神の愛し子ミレイちゃんがメローナの代官に狙われ代官の警備兵に捕らわれそうになり、護衛がそれを排除しています。
その代官の悪行の証拠も集まって来てますので、代官とその関係者全てを捕縛して王国法に載っとり処罰させますね。」
それを聞いてハートレイは慌てる
「ちょっと待てエレミア。メローナはアドラド侯爵領だ。手出しを禁ずる!」
その言葉にエレミアが激怒する。
「ちょっと待って!貴方は過去に愛し子ミレイが襲撃されて王国から精霊の加護の一部消失したの忘れたの!また同じ事を繰り返すつもり!今度こそこの国崩壊するわよ!」
ハートレイはエレミアが激怒するのに苛立ちを覚え反論する
「精霊の加護の一部消失はたまたまだろ!それにアドラド侯爵は祖父の代よりこの王国に多大な功績を残してるのだ。たかが奴隷の問題で捕縛なぞ儂が許さんぞ!」
「いくら国王でもそれは通りませんよ!貴族評議会にてこの件を議題にして決めて頂きます。」
「ならん!国王権限でアドラド侯爵の捕縛は認めん!」
エレミアはそれを聞いて呆れる
「ハートレイ陛下それは通らないと言ってるのです!
いい加減王国法を把握なさい!半数以上の貴族が貴方の決定に意義を唱えればアドラド侯爵は捕縛できますわよ!」
「そんなこと儂は認めん!」
「どうあってもですか!」
「ああ!そうじゃ!」
エレミアはメルティアと顔を見合せ頷きハートレイに提案をする
「ハートレイこのままでは話し合いになりません。どうしてもとおっしゃるなら私達にこの王国の半分下さい!貴方は自分についてくる貴族を纏めればいいわ。
私とメルティアは私達に賛同してくれる貴族と共にバイスル王国より分離独立致します。
そうすれば私達に何も言われなくてすむわよ。
もちろん貴方とは離縁させていただきますわ。女神様の意志に反する行動をとる貴方とは一緒に行動は出来ません。」
メルティアも冷やかに答える
「ハートレイ貴方今まで何を見て来たの?お義父様からこの王国を引き継いだ時の志はどこに捨てて来たの?
私利私欲まみれの貴族達に言いように煽てられてもう冷静に判断できないようね。
私には多くの民を守る役目があるから、滅び行く貴方の国にはついて行けません。
私も離縁します。私達の子供達も連れていきますから…」
ハートレイは怒り激しく罵倒する
「ふざけるな!そんなことができると思ってるのか!王国から分離独立だと!お前達について行く貴族がいるわけないだろ!皆儂賛同するはずじゃ!」
エレミアが合図すると3人の武人が入って来る。
「バトラー・ベルモルトです。陛下ご無沙汰しています。陛下の先ほどの発言情けのうございます。
全く国を統治する者の発言ではないですぞ!先ほど宰相殿に緊急の議会を開くようにお願いしました。宰相殿は快諾してすぐに召集をかけました。
幸いこの時期ですから殆どの領主貴族は王都にいますのですぐに集まるとおもいます。」
「ガスリー・ポートレイトです。陛下先ほどの発言まさか本気ではあるまいな。女神の愛し子の事件は我々にも多大な影響をもたらしたのですぞ!」
「グレイシー・サザンクロスです。アドラド侯爵の件は本物ですぞ!我が領地は隣接してる故に逃げて来た平民女性を保護し事情を聞き部下に裏もとらせました。
それでもアドラド侯爵を擁護するのですか!」
ハートレイはベルモルト達3人の辺境伯を睨み付け呟く
「己れ余計な事をしおって!」
結果ハートレイはバイスル王国9割の貴族が集まった緊急議会に出席する事になる。
議会では侯爵達の処罰か出来ないのであればバイスル王国の分離独立を容認するかで話し合われた。
結局ハートレイ陛下は侯爵達の処罰を認めず、分離独立で採択の結果ハートレイは敗北しバイスル王国の実に7割の貴族が分離独立に賛同し新国家ミレイア共和国が誕生した。
そしてハートレイが一番驚いたのがブロキア国以外の国が新国家ミレイア共和国を承認したことだった。
「馬鹿な!エレミアが国家の代表だぞ!テオラート聖教国もメルフェルト国もフォルクス国にシオク公国まで認めるだと!
それに分離独立してすぐの国にアリーラ帝国が共和国に併合されるじゃと!
まぁよいわ!我が国には軍の大半の男達がバイスル王国を選択して来たのだ。
軍備を整え1年の不可侵の期限が切れたらエレミアの国を攻め落としてくれるわ!」
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