第204話ノロアルト準男爵
メローナの町の代官ノロアルト準男爵は執務室で補佐官から町の運営報告を聞き商業ギルド、冒険者ギルド、鍛治ギルド、薬師ギルドからの収入は順調である事、マドラル商会から奴隷の督促が来ている事を報告する。
「奴隷か…王都近郊では最近取り締まりが厳しなくなって辺境のメローナによく依頼が来るが、この町にはもうめぼしいのはおらん!何か情報はないのか!」
ノロアルトは部屋の補佐官達に怒鳴る
補佐官達はいろいろ話し警備担当官が昨日新しく来た冒険者の事を伝える
「ノロアルト様その事についてですが、昨日この町にやって来た冒険者が10名入町してそのうち5名ほどが見た目も美しい冒険者です。うち一人が幼女です。」
ノロアルトは幼女の言葉に反応する
「おお幼女!いいではないか!幼女の奴隷は高く取引される見た目が可愛いなら余計じゃ!行動を追跡していつものようにやれ!」
補佐官は頷き答える
「わかりました。幼女は優先的に捕らえるように闇ギルドに依頼します。
他の女性冒険者は捕らえて官邸地下牢に運びます。幼女は捕らえて屋敷に連れて行きます。」
「ああそれでよい。フフフ楽しみじゃわい。久しぶりに怯える幼女をいたぶれる」
補佐官は一礼して執務室を出て行く。
「では手配してまいります。」
その頃レイ達は冒険者ギルドで情報収集した後、商業ギルドで情報収集した後この町に孤児がいないか調べ回る。
『ミレイ先程までの情報を整理するとこの町の代官は私達を狙って来るはずです。
私達は女神の使徒です。ですから人間が私達に危害を加える行動にでるなら警告を与えそれでも攻撃してくるなら処分します。』
レイは頷き答える
『うん。仕方ないよ。女神の関係ある者に攻撃するという事はこの世界の人達はそれがどういう事かわかってるはず。
だからできるだけこの世界の人達で悪い事はちゃんと処罰してほしいからエレミアお母様の使者を待ちたい。』
ティム達は頷く
『そうですね。ミルムが戻るの待ちましよう。』
ダカーポはレイと手を繋ぎ周囲を警戒する。
『わかった。ミレイはお姉ちゃんと手を繋ぐ。濁った魔力の人間近づいたらフード被る。後はお姉ちゃん達が守る。』
レイは頷きダカーポに手を引かれ歩いて町を見て回ってる。すると町の壁近くのぼろぼろの家の前で座っていた子供3人がミレイ達に近づいてくる。
3人の子供は髪はボサボサで汚く長く近づくと酷い臭いがした。
3人の子供はミレイ達を見て話しかけてくる
「お姉ちゃん達何か食べ物くれたら身体汚してあげるよ。」
「お姉ちゃん達皆綺麗だから警備隊に見つかったら連行されるよ。」
「そこの小さい子は絶対早く汚くした方がいい。あいつら何言っても無駄だから」
ティムが子供たちにお礼をいいながら事情を聞く
「ありがとう。だからあなた達もわざとそんなに酷い臭いさせてるのね。私は冒険者のティムよ。あなた達にいろいろ教えてほしいことあるの。勿論報酬は払うわよ。」
3人の子供たちは話し合い話しかけてくる
「私はマリモ、この子はハルナとソプラ。他にも私達の仲間いたけど、みんな警備隊に連れていかれた。
あいつら酷いの!何もしてない私達の仲間を無茶苦茶言って連れてった。」
「ルミネたち頼まれた荷物運んでただけなのに…」
「ルミネのメモに私達にもっと汚く嫌われるくらいにしなさいって書いてあったから私達汚くした。
ルミネは私達の見てる前で連れていかれた…」
それを聞いてミレイは感情が高ぶり呼吸が乱れフウフウと言って息をして魔力も溢れ出す。
ダカーポがミレイの感情が乱れ呼吸がおかしくなり魔力も溢れ出したので慌てて言葉をかけ気持ちを鎮める。
その様子をマリモが心配そうに見つめる
「その子大丈夫ですか?モヤモヤしたのも出てるけど・・・」
ティムはマリモ達に提案する
「この子はミレイちゃん私達の大切なご主人様よ。心配してくれてありがとう。
ミレイちゃんはとても子供を大切にする方だからあなた達の話を聞いてちょっと精神状態が乱れたの。
どうやら落ち着いたみたいね。あなた達に提案があるんだけど、聞いてくれる?」
「はい。何でしようか?」
「私達はモルトンから来たんだけど、あなた達モルトンに来ない?
噂で聞いたことないかな?妖精の孤児院の話し」
ハルナが食い入るように話してくる
「聞いたことある!私達みんなでモルトンに行こって行ってたの。でもルミネとモカとセイラが連れてかれて…
それをやめさせようとした大人の女の人も一緒に連行されて行ったの。」
「お姉ちゃん私達行きたいけどルミネ達捕まったのに行けない…」
ソプラがティムの手をつかみ懇願してくる
「お姉ちゃんお願いします。ルミネ達を町の捕まった女の人達を助けて下さい。
みんな悪い事してないのに連れていかれたの。」
それを聞いてレイが再び乱れる
「フゥー 酷い…何でそんなことするの…許さない…フゥーフゥー」
ダカーポがミレイを抱きしめ落ち着かせる
「ミレイダメ!悪い代官はエレミア達に捕まえて貰うけど先に私達が捕まってる人を助けるから心乱したらダメ!」
レイはダカーポに抱きしめられて少し落ち着き呟く
「何でこの国の人間の男はこんな人が多いの…そっか国王様がダメなんだ。
だったらレイのお父様がなればいいのね。子供を不幸にする国王様はいらないのね。」
レイの言葉にティム達が答える
「私達は皆ミレイの眷属です。ミレイはやりたいようにすればいいのです。
ただ今は女神の力を目覚めさせる事を優先させて下さい。
ですが、今の状態ではミレイが安心できないからこの町の問題は私達で解決します。」
エルムも頷きミレイに話しかける
「そうなのこの町のゴミはティムとあたしに任せるのね。ミレイはダカーポと一緒に見てればいいのね。」
「ミレイはお姉ちゃんが守るから大人しくしてる。捕まった人はティム達に任せる。」
「わかったの。絶対捕まった人達助けてほしいの」
エルム達の発言にレイは答え落ち着き表情が戻る
ティムはその間念話でミルムに連絡をして、エルムと先に捕らわれてる者達の救出に向かうことを告げる。
ミルムも連絡を受けその事をエレミアに伝える
「エレミアお母様メローナの代官はすぐに処罰した方がいい。ミレイの状態さらに悪くなった。町の孤児達と話をして、ミレイの心が乱れた。捕まった人を助けると、動こうとした。」
エレミアとメルティアはお互い頷き合いエレミアが立ち上がる
「ミルム私とメルティアはすぐに陛下に会って来る。黒百合部隊のカシアと貴族監査官ホラーナには伝えてあるから二人とその部下を連れてメローナに行って来れるかしら。
タニアすぐに二人に連絡してここに来るように伝えなさい。」
タニアは頷きすぐに部屋を出て行く。
メルティアはミルムに一言告げエレミアと共に部屋を出て行く。
「ミルム。メローナであの子達がどんな行動をしても、私とエレミアが責任を持つから、ミレイちゃんが安心するようにしてあげて」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます