第203話国境の町メローナ

レイ達はモルトンを出てバイスル王国南の国境の町メローナに来ていた。


モルトンからメローナまで、立ち寄った町村は16、そのうち5箇所で、孤児が保護されず路地裏生活してるのを見つけ保護した。


保護した孤児はミルムが転移魔法でモルトンに運びミザリーに報告、ミザリーは孤児達の健康診断をして、孤児院の総責任者エレンに引き渡す。


ミザリーはこの事をエレミアとメルティアに報告、エレミアとメルティアは、王国内でまだ孤児が長く放置されていた事に怒る。


エレミアはハートレイに報告、ハートレイは孤児の問題には全く感心を示さず、前回の議会で決まった通り奴隷制度の一部を残し廃止。

未成人の子供の虐待禁止、未成人の子供の保護管理官にエレミア、奴隷法の管理官をメルティアに決まったのだから、自分たちで監視しろと言い部屋を出て行く。


エレミアとメルティアはハートレイの発言に呆れ、二人で話し合う


メルティアはハートレイの状態をエレミアに確認する


「ねぇエレミア今のハートレイの魔力のよどみ感じた?」


「ええ感じたわ。よくないわね。自分の思うように行かないから、かなり濁ってるわね。それに賛同者の影響もあるようね。」


エレミアはハートレイの状態を思い浮かべ話す


「何か企んでるのかしら?暴走しないといいんだけど・・」

「最近は私達の部屋にも来ないからちょっと心配ね。」


「それより奴隷と子供の件よ!」


エレミアは奴隷制度廃止について思い出すようにメルティアに話しかける


「あの人が私達が管理官に決まってからも猶予期間を設けて取り締まりは待つように言ってなかったかしらメルティア」



「そうね。私も記憶では待つように言われたのを覚えているわ。

と言う事は、思う存分やっても問題ないわね。」



「では本格的に動きましょうか。一応私たちに賛同してくれる半数以上の貴族にはすでに了承いただき補佐官として協力したいと言いて来てますから、集まってもらって話し合いましょう。」


「一応アイムにお願いしていろいろ魔道具作ってもらってるから、問題が起こっても安全なはずよ。」



その後エレミアとメルティアは急遽奴隷制度の監視、未成人子供の監視について協力貴族に集まってもらい、各監視菅と保護管を決め罰則事項も取り決めハートレイに認めさせた。


エレミア達は実質夫人が権力を握ってる。バイヤー公爵、ブレイニー侯爵、コルトン伯爵、スローレット伯爵ら中心に管理監視組織を築き、監視保護に任ってもらった。


すでに制度に賛成派貴族の領地は全て奴隷の廃止処置がとられていた。


犯罪者はその罪により監視された労働施設に振り分けられ、アイムの開発した監視制御魔道具を装着する事で、犯罪者の監視、暴走行為の抑制することが出来き。犯罪者奴隷の問題も解決できるようになっていた。


隷属首輪との大きな違いは管理所有は個人ではなく国になる事だった。


犯罪者の監視は管理は全て国が行い派遣も国が審査して派遣される。

当然性的目的の派遣は認められることは無く、派遣で目的外の事を行った場合

例え貴族でも処罰対象になる。


奴隷制度の反対派貴族はこの個人的に自由にできない事で、非協力的で爵位や王国での立場を盾にして、奴隷の解放を引き延ばしていた。


エレミア達は最終期限を通告しそれ以降は強制執行する旨を反対貴族に通達した。


その後エレミア達は王都に近い領地から強制執行を行っていったのだった。


強制執行が行われるようになって、反対派の貴族も仕方なく応じるようになり、エレミア達も安堵していた。


☆・☆・☆


レイたちがメローナの町に入って感じたのが初めて来たときのモルトンと同じ雰囲気だった。


メローナの町はノロアルト準男爵が町を治めているとアイムが教えてくれた。


町は孤児はいなかったが、なぜか犯罪奴隷が多くいたのだ。


レイは思い出す確か・・

奴隷は借金奴隷と奴隷商に売り込む奴隷と犯罪者奴隷に別れてて・・


前者は奴隷紋を身体に刻み強制隷属させて、犯罪者奴隷は周りからもわかるように首輪に隷属紋が仕込まれていて強制隷属させるって教えてもらった。


あの人達首輪あるから犯罪奴隷だよね。

でもあの人から感じる魔力綺麗だったけど・・なんで?


レイはミザリーからバイスル王国は奴隷制度が廃止されたと聞いていたので、町に入り奴隷がいたのに驚いていた。


レイはティムに尋ねる。


「ねぇティムなんで奴隷がいるの?しかも女の人ばかり、ほらあの人も隷属の首輪している。あれって犯罪奴隷って事でしょ?魔力きれいのに・・おかしいの」


ティムはわからないと首をふりエルム達も

わからない仕草をする。


すると隷属の首輪をしてる女性が近づいてゆっくり通りすがりに話しかけてくる


「貴方達すぐに町を出て!あいつらに見つかるとこうなるから早く!」


そう言って離れて町の中に歩いて行った。


え?どういう事?これ絶対なんかあるのね。


そうだ!エレミアお母様に聞いてみたらいいんだ。


「ティムこの町なんかありそうだから一応エレミアお母様に連絡して聞いてみる」


ティムはレイを隠すように行動する


「エルムお姉さま、ミルムお姉さま、メイド服を着てるので私がレイお嬢様を抱っこします。

お姉さまはお嬢様を隠すように横に立って下さい。」


「「わかった。」」


素直に従うエルムとミルム


それを見てレイが驚く


『えーー!問題児が素直に従ってる。なんで?』


まぁいいや。今のうちに携帯で連絡だ。


ポチっと。


『エレミア王妃様ミレイなのね。今メローナって町に来てるんだけど、ちょっと町の事で聞きたいことあるの…』


『…………』



『あれ?聞こえてます?』


するとエレミアがレイを叱りとばす


『こら!ミレイ!私の事はお母様と呼びなさい!でないと話しません!』


えーー!


そここだわるんだ…


これちゃんと言わないと答えてくれないよね。


はぁー


『エレミアお母様教えて欲しい事あるのです。いいですの?』


エレミアは嬉しそうに返事をする。


『はい!お母様ですよ。何でも聞いて頂戴フフフ』


はぁー


まぁ機嫌なおったならいいか・・


『エレミアお母様ここの町メローナは、首輪してる奴隷の女性が何人もいるの。これって問題ないのです?

さっき女の奴隷の人が、ミレイ達に早く町から離れてってアドバイスされたの。

この町なんかあるかも…』


エレミアはミレイの報告を聞いてすぐに行動を起こす。


『奴隷がいる?わかった。ミレイこっちで少し調べるから、貴方は動き回らず何処かに隠れてなさい。』


ダメなの?


『エレミアお母様冒険者ギルドとか行ってダメですか?』


『ミレイ!奴隷の女性のアドバイスは普通にしてても危険だと言う事よ!ティムがいるんでしょ。代わりなさい。』


うわーめちゃくちゃ怒ってる。

レイは携帯をティムに渡す。


『ティムエレミアお母様がお話ししたいって。』


ティムが携帯で話した後、バックからローブをだしてレイに被せる。


『エレミアはミレイ様の容姿を隠すようにと、動くならしっかり守り切る状態で動きなさいって言われましたので、ローブを被ってもらいました。』


そういう事ね。


『わかった。これなら動いていいのね。』


ティムはダカーポに声をかける


『ダカーポ出て来てミレイ様を守りなさい。』


ダカーポはミレイの影から出て来て横に並ぶ


ティムがみんなに話しかける


『皆聞いてください。今から冒険者ギルド、商業ギルドに向かいそこで情報収集をします。この町はどうやら魔力のくすんだ者が大勢いるようです。

エルムお姉さまと私が先に歩きミレイ様とダカーポは真ん中ダカーポはミレイ様と手を繋ぎ絶対離さないで!

後ろにミルムお姉さまが付いてください。後方はお任せします。』


3人は頷く



『『『わかった。』』』


レイたちが冒険者ギルドに入ると受付カウンターにいた女性がレイたちを見て走って来る。


女性は小声で話しかけて来る。


『あなた達すぐにここから出なさい。早く!』


お姉さんは何かを見ながらティムの方を掴み後ろを向かせようとする。


ティムは優しい口調で職員に話しかける。


『ありがとうございます。私たちなら大丈夫です。この町の抱えてる問題も解決できますよ。』


ティムは職員にモルトン冒険者ギルドで登録した時の冒険者カードを見せる



ティムが見せた冒険者カードはSランクの証プラチナカードだった。


ティムに続いてダカーポもエルムもミルムもカードを見せる


それを見て職員は驚き目を潤ませ懇願してくる


『私メローナ冒険者ギルド受付主任のルージュと言います。この町は準男爵と騎士爵の貴族が好き放題やっています。

見た目の綺麗な女性は皆貴族の奴隷にされています。強引なやり方で犯罪者にしたてて!私も狙われてましたが、この様に顔の目と頬を傷つけ醜くして逃れました。


他の女性も皆自分で顔や手足を醜くなるまで傷つけて逃れています。

どうか奴隷にされている女性をお助け下さい。』


それを聞いてレイの精神状態が乱れる。



「え?まだそんな酷い事してる人いるの!許せない!」


ティムたちは必死にレイを落ち着かせる。


『ミレイ様落ち着いて!絶対ティムたちが全ての女性を助けますから、落ち着いてください。』


『エルムたちに任せる。』

『そうなのミルム達に任せるのね。』


ティムは念話でミルム達に話しかける


『ミルムすぐにモルトンに行ってエレミアにこの事報告してください。エレミアは何人かこちらに派遣してくれるはずです。

この国の問題はこの国の責任者が解決するのが一番いいですから、ただしミレイ様がこれ以上乱されたり危害受ける行動は全力で対処します。

人間の欲望のためにミレイ様を害する行為は処分いたします。皆そのつもりでお願いします。』


ミルムは頷き動く


『わかったの。ティムミレイお願いなの。すぐ連れて戻る。』


シュン


ミルムが転移で消えるとティムはルージュに併設されてる食堂のテーブルにのところで待機するからといい食堂のテーブルに向かう。





 

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