第205話レイは子供達を助ける

代官の命令でミレイ達を探す闇ギルドの男達は、町の建物の上からミレイ達を探していた。


「冒険者って聞いたから冒険者ギルドを見てるがまだ来てねえな。」


「こっちは商業ギルドを見てるが来てねえ」


「くそあいつらどこにいる!」



闇ギルドの男達が必死に探している中ミレイは孤児を連れて代官の屋敷に向かっていた。


暫く歩いてるとティムが前から兵士がこちらに向かって歩いて来るのを見つける



「エルム向こうからぞろぞろ歩いて来ますわ。あれ代官のところの兵士のようですね。明らかに何か探してるようですね。」


「あいつら魔力凄く汚ないのね。目的はミレイみたいなのね。」



「あら私達を見てどす黒い色に変わりました。向かって来ますね。」


「後ろのミレイは認識阻害のローブ被ってるから見つかる事ないけど、あたし達に何かあったらまた乱れるからさっさと処分するのね。」



ティムとエルムは兵士がこっちに向かってるのを確認してミレイと距離をあけて歩いて行く。


「エルム先制攻撃はダメですからね。まずは屑兵士の様子を見ましょう」


ダカーポもミレイに言い聞かせる


「お姉さま達はまず様子を見るはずです。だからミレイはローブを深く被り黙って見てる。

兵士が理不尽なことしてきたらお姉さま達はちゃんと対処する。」


ミレイはダカーポの言葉に素直に頷く


「わかったの。悪い奴ら捕まえて乗り込むのね。」


警備隊と代官の兵士数人がティムとエルムに近づいて一人がわざとに目の前で声をあげて転倒する。


そして二人に文句を言って来る。


「おい!冒険者!俺に魔法を放っただろ!こんな町中で魔法を放つとは何を考えている!

明らかに暴走行為だ!警備詰所まで来て話を聞かせて貰うぞ!」


兵士の発言にティムもミルムも呆れる。



「あなた達は何を言ってるのかわかりませんわ。魔法を放つとその影響で手に魔熱が残り熱を帯びるのご存じでしょう。

私達は使ってないから熱もないですわよ。」


「何を根拠にエルム達が魔法を放ったと言ってるの。わざと目の前で倒れたくせに!」


兵士達は怒りティム達を取り囲み隊長らしき男がティム達に喚く


「貴様ら我々を侮辱してただですむと思うなよ。このまま連行して取り調べる!捕らえて連れて行け!」


それを聞いてティムとエルムは冒険者カードを示す。


「私達を捕らえるなら反撃しますわよ。私はティムナンバーズ冒険者です。これがそのカードです。」


「あたしはエルム大陸冒険者ナンバーズなのね。町の準男爵程度の命令は聞けない。やるなら容赦しないよ。」


ナンバーズのゴールドカードを見せられ一瞬怯むも兵士達はティム達を捕らえるように動く。


「ふん!それがなんだ!貴様らは怪しい!だから捕らえる!我々には代官様だけではない!侯爵様の後ろ楯もあるんだ!

たかがナンバーズ風情が偉そうに!構わん多少傷つけても官邸に連れて行くぞ!かかれ!」


兵士達はティム達を捕らえるため抜剣して襲いかかるが、ティムのボイスで一瞬に意識を刈り取られ倒れる。


「無駄なことを…仕方ありませんね。」


『ω∂§∋…』


バタバタ…


ミレイは心配そうに尋ねる


「ティムこの人達死んじゃったの?」


「言え。気絶してるだけです。魔力を削るように発声したので当分目覚めないでしょう。」


エルムが不安そうにするミレイに話しかける。


「私達はミレイが一番大切なの。だからミレイに害する悪い奴らは全て排除するのね。

それが例え国王でも関係ないのね。ミレイが嫌な思いさせる人間は全て排除するから安心してなのね。」



レイは自分の魔力の影響なのかここのところ精神的に不安定になってるのは感じていた。


だからティム達がミレイを不安にさせないように動いているのだと。


『ありがとうなのティム。エルム。ミレイ最近凄くおかしいから…力も上手く使えそうにないの…』


ティムは膝をおりミレイの手を握り話す。


『ミレイは今神力の影響で不安定になってるだけです。私達眷属もそれは感じています。

ですからミレイは、心配せず全て私達に任せてついて来て下さい』


『ミレイ今から代官の屋敷に乗り込むのね。ミレイはダカーポから離れず大人しく見ててなのね。

あたし達油断しない!だからミレイには近づかせない。ダカーポもしミレイに攻撃するやついたら容赦せずやって!』


『わかった。ダカーポのエリアに入った人間全て漆黒の闇に消す。』


ミレイはティム達に伝える


『ミレイの今は不安定なのは神力の影響なのわかったの。

人間の悪い人達特にお母様の作ったこの世界を混乱させるような悪い人間は処分しないといけないのわかったの。

それにここまでいろいろ見て来てミレイのやりたいことも決まったの。

ミレイは、女神の力使えるようになったらこの世界の子供を守るの。』


ティムとエルムとダカーポは跪く


『私達はミュミレイア様の眷属です。私達が手足となり動きお守りいたします。』


『ミレイの好きにするといいの。邪魔するやつはあたしが排除するのね。どこまでもついていくから安心するのね。』


『ダカーポはミレイを影からずっと守る。変なやつは近づけさせない。ミレイは心配せず好きにするといい。』


ミレイはティム達に命令する


『ティム、エルム、ダカーポこの町の悪い奴らに捕まってる人達を助けに行くのー』


『かしこまりました。ダカーポミレイをよろしく』


『任せるの』


『ミレイ。ダカーポの背中に乗って!』


ミレイはダカーポの背中につかまるとティム達が走りだす。



ティムは走りながらミルムに今から代官の屋敷に捕らわれてる人達を救出に向かうことを告げる。


『ミルム私達は先に捕らわれてる人達の救出に向かいます。取締官が揃ったら代官の屋敷に来て下さい。』


ティム達がかなりの速度で町中を走ると準男爵の屋敷が見えて来る。ティム達が屋敷の前に着くと警備兵が騒ぎだす。


「お前達ここに何しに来た!ここは代官様の屋敷だぞ!」


「おい!こやつら例の捕縛対象者だ!すぐに捕らえよ!」


それを聞いてミレイが認識阻害のローブを外しティム達の横に並び兵士達に告げる。


「この屋敷に捕らえられてる人達を返して!何の罪のない人達を捕まえるのは犯罪です。それが例え代官でもダメなのです!」


「やかましい!平民のガキが何を言ってる!ノロアルト準男爵様に向かってなんたる不敬!捕らえろ!」


ミレイは声に魔力を載せ発言する。


『黙って!ミレイは女神グランシアの愛し子です。そのミレイを準男爵の兵士が捕まえるの?

それがどういう事かわかってるの?

女神グランシアお母様に代わって命令します。すぐに捕まえた子供と女性を解放して!』


ミレイの声は屋敷全体に響き渡る。しかし純粋な者達ならミレイの言葉に従うはずだが、集まった兵士達は完全に汚れてるため効果はなく一斉に笑いだす。

更に責任者らしき男が前に出て来てミレイたちを捕まえるように命令する


「おい!お前らこの変な事を言うガキとその女どもを捕まえろ!」


兵士達が動きだしたのを見てティムとエルムが前に出る。


ティムが一言発して兵士達を無力化する


「女神様の愛し子ミレイ様を捕らえるとは愚かな…跪きなさい!」


『§∋∂ω∃!』


兵士達はその場で跪き動かなくなる。


それを確認してさらにティムが言葉を発する


『魔力が穢れてるあなた達は罰を与えます。無音で過ごしなさい!』


『ŧ§∋∃∂!』


兵士達は跪いたまま何度も耳を触りだす。



ティムはミレイに声をかける


「ミレイ終わりました。もうすぐミルム達も到着するので、あの者達は任せて私達は子供達を助けにいきましょう。」


ミレイは頷きダカーポに手を引かれティム達の後について行く。


屋敷入ってからもぞろぞろと警備の者達が出て来るが、ティムとエルムによって全て無力化される。


ミレイ達は捕らわれてる子供達の所に着くと先にティムとエルムが部屋に入り捕らわれてる女性と子供達を見て周る。

子供達の状態を見てミレイの精神状態が乱れることを心配しての行動だった。


女性と子供達はノロアルトによって鞭打たれかなり酷い状態だった。


『やはり先に入って正解ね。こんな状態ミレイに見せること出来ないわね。』


ティムが傷ついた女性と子供達に話しかける


「私は冒険者のティムと言います。皆さんを助けに来ました。」


捕らえられてた者達は皆安心したのか皆涙を流している。


エルムが収納してる回復ポーションを取り出し全員に与えて行く。


「皆よく我慢したのね。これ傷が治るポーションだから飲んでなの。」


皆まだ信じられないのか不安そうにしている。


ティムが安心するように事情を詳しく説明する


「私達はモルトンから来た冒険者のティムとエルムです。可愛い妖精の容姿の主様と一緒に、諸国を巡り女性や子供の状況を調査するために来ています。

ここの町の屑な準男爵が禁止されてる奴隷の売買していると聞いて来ました。皆さん安心してください。皆さんが捕らえられた状況もわかったので助けに来ました。

勿論心配は要りませんよ。私達の行動はこの国の王妃エレミア様が了承しています。それに女神様も見てますから大丈夫ですよ。」



それを聞いて安心して女性と子供達は回復ポーションを飲みエルムがだした予備の服に着替える




身なりが整い子供達も落ち着いたのでティムがレイを呼ぶ


レイは部屋に入ると自然に癒しの魔力が溢れる。


子供と女性達はレイの癒しの魔力で精神状態が改善され捕らわれる前の状態まで回復する。


ミレイが挨拶をすると皆安心してレイの周りに集まる



「ミレイはモルトンの孤児院からこの国の孤児と女の人を助けに来ましたの。お姉ちゃん。兄妹姉妹達、もう大丈夫だよ。

後はミレイのお母様達に任せてたら大丈夫なのです!

この町に残るの不安だったら、ミレイの孤児院にきてほしいのね。

大人の女の人も来ていのね。手伝ってほしいこといっぱいあるの。だから安心していのね。」


子供達がそれを聞いて嬉しかったのか声をあげ喜ぶ


「うわー妖精の孤児院だぁー!行く行く!」


「えーー!妖精の孤児院から来てくれたの?行きます!モルトンは子供と女性にとって楽園のような所だと聞いています。

私達も是非働かせて下さい。」


ミレイは嬉しそうに皆と抱き合っている。


ティムとエルムはお互い頷きダカーポに念話で伝える



『ダカーポ。ミレイの事お願いね。ミルム達が来たみたいだから手伝って来るわ。

屑も官邸から兵士を大勢連れて来たみたい。

ミルムに背後にいる誰がいるのかも聞きだして貰ってエレミアに処罰して貰います。』


『わかった。ミレイは絶対守る。安心して行くといい。』


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