第192話ミレイの眷属たちの目覚め

ミレイが調子にのりモルトンで屋台でいろいろなお菓子を売り始めてからモルトンの町は大変な事になっていた。


ミレイがサクサクビスケットを貴族令嬢の要望通り販売し大行列を見せる人気になる。

その事でシルフィー王女の叔母様にるバイヤー公爵家マリアンナ、ブレイニー侯爵家のスティアがレイにお礼を述べる。


「ミユちゃんあのような素晴らしいサクサクビスケットを販売して下さりありがとうございます。

ミユちゃんはお菓子を考えるの好きみたいだから、もしよかったら他にも作って販売して下さらないかしら」


レイも上級貴族とは知らず気さくに話してくる令嬢たちと話が弾み流れで更なるお菓子を作り販売するのを了承する。



「うん。お菓子作るの好きだから作ってもいいよ。」



これがモルトンに大変な事をもたらすことになるが、結果レイの神力が凄い勢いで増えていた。


モルトンは連日大勢の人で賑わい、モルトンに7件ある宿は連日満室、急遽公園に簡易宿泊所を設けるほどにまで人が押し寄せていた。


大勢の人が集まってるにも関わらず混乱や暴動は一切起きる事はなかった。


みなレイの神力が上がり癒しの効果が町全体に広がってるからだった。

アイムはこの効果を継続するため、ミレイが整備した孤児院から100人の応援を呼び寄せた。


ミレイはアイムに言われ要望通り作るなら屋台を増やし販売も種類別に販売するように言われる。


当然商業ギルド急遽屋台の制作を急がせ孤児たちが販売する妖精のお菓子コーナーの屋台が出来上がる。


レイは町に来た人達が自分たちのお菓子を買ってくれる人をチェックしていたのだ。


先日お菓子を買った子供が倒れその親もやせ細っていて健康状態が良くなかったからだ


倒れた親子は裕福な家庭からアルバイトとしてお菓子を購入するために並ばされていたのだった。


賃金も十分渡されていたし強制はされてなかったから問題がなかった。

レイは屋台を子供達に任せ自分はそういった健康状態の悪い者達を助けて回った。


「二人ともこれ飲んでなの。元気になるのね。」


レイは栄養状態や健康状態があまりよくない者を見つけては回復させて行ったのだった。


結果連日大勢の客がミレイの屋台のお菓子やレイが飲ませた爽快ドリンクを飲んだ者がそれぞれの町に戻り、加護の効果の落ちた町でもわりと長く健康状態を維持する事が出来たのだ。


ミレイが屋台を始めて約半年がたった頃ミレイの神力に変化が起こり始めていた。


その影響かアイム達も能力が向上した事を感じ眷属のリンナを連れ情報収集を兼ねコルドバトスのダンジョンに向かう事にした。


その事をエレミアとメルティアに告げ二人はダンジョンのマスタールームに転移する。


「ミカン久しぶりなの。」


ダンジョンのサブマスターのミカンが嬉しそうに近寄りハグをする


「アイム~待ってたのぉ」

「リンナははじめましてかな。このダンジョンのコアミカンだよ。よろしくね」


ミカンがアイムに尋ねる


「アイム今日はどうしたのかな?」


アイムは事情を説明し古の情報の載った書物がダンジョンにないか尋ねる



「・・・・・・と言う事なの。アイム達は古の情報がほしいの」


ミカンはそれを聞いて一言言って暫く目をつむる


「マスターミレイが女神になるための鍵ね。少し待って。」


ミカンが目をつむってから5分10分と時間が経過していく、そして1時間が経過した時ミカンが目をあける。


「わかったよ。古代の文書はある。多分アイムの言う情報載ってる。」


それを聞いてアイムは喜ぶ


「おおー」


リンナも喜びアイムと抱き合う


「やったね。アイム~」


そんな二人を見てミカンが情報を伝える


「その前に大事な情報教える。マスターミレイは今神力が凄く上がってる。

神力は最低限満たしてるの後は鍵の人物が、マスターの奥の封印解けばマスターミレイが女神ミユミレイアとしてこの世界の崩壊を留めることが出来るの。

今回はたまたま馬鹿な人間がマスターを酷い目に合わせて精霊王が怒って崩壊のような事が起こってるけど、真の崩壊はこれじゃないのね。」


どういう事なの・・


アイムがミカンに尋ねる


「ミカンどうしてそんな凄い情報知ってる?ミカンは何者なの?」


ミカンは笑いながら答える


「そんなに警戒しなくていいのね。ミカンは古の知識を持つダンジョンコルドバトス。女神グランシア様によって与えられた知識。

来るべき者が来てクリアしたら古の知識を与え正しく導けと。

女神グランシア様は皆様が最初にこのダンジョンの踏破することはご存じでした。」


アイムは考える


『全て女神様の計画通りなの?でもミレイママがあそこまで酷い事になるのは想定してなかったと思う。でも最終的にミレイママが女神として目覚めるための試練がこれって事なの。』


「なるほどなのね。じゃ知識のミカン教えて、次アイム達はどこに行けばいいの。」


ミカンはまず目指す場所を教えてくれる


「まず古のワールドマップを手に入れる。場所は№9クランプラーダンジョン最深層の管理者が持っている。攻略者に渡される物ね。

クランプラーダンジョンは75階層の迷宮ダンジョン。

ここより魔物ランクは弱いけど意地悪、迷うライムがいないと攻略は難しい。」


アイムはそれを聞いて問題ない事を告げる


「それなら問題ない。今ミレイママの神力上がってる。一人なら目覚めさせること出来る。」


ミカンはそれを聞いて助言をする。


「迷宮ダンジョン攻略に向かうのはライムとリンナ後は罠探知に優れた冒険者回復アイテムが多数必要。アイムとマスターミレイは参加したらダメ。」


アイムがなんで自分とミレイが参加したらダメなのか尋ねる


「ミカンなんでアイムとママが参加したらダメなの?」


ミカンはダンジョンについて教える


「この世界のダンジョン特に№の付いてるダンジョンはそれぞれ特徴がある。

ミカンのダンジョンは高防御を主体のボスに防御が硬いドラゴン系を多く配置している。攻略には知恵と連携が必要。№9クランプラーダンジョンは迷宮つまり迷うそれに意地悪。

だから参加するのは記憶力と忍耐力と冷静な判断力が必要。大勢で参加したら余計複雑になって、クリアは難しくなる。」


なるほどなの。アイムは忍耐力が問題なの。ママは忍耐力、記憶力、冷静な判断どれもダメなの。

ライム姉様は全て問題ないね。メルティア母様も行けるけど母様偉い人だから無理なのね。後は冒険者のお姉さんかな。


「ミカン参加者決まったらすぐ行った方がいい?」


ミカンは頷く


「ダンジョンはまだまだ攻略しないとダメだからすぐに行くのね。ただライムとリンナが行くから残り8人までにしないと攻略が難しくなる。

攻略出来たらまたここに来るのね。次教えるから」


「わかった。」


アイム達はダンジョンからモルトンのミレイハウスに戻った。


アイムはこの事をすぐにエレミア達に報告した。


「この世界はいずれ崩壊する運命だったと。それを留めることが出来るのがミレイの女神として目覚める事だと、そのためには№クラスのダンジョンの攻略し鍵の人物を見つけミレイを目覚めさせるか・・」


サリアスもそれを聞いてエレミアに話す


「今回の加護消失はたまたまか・・いずれ崩壊させる事が起こると・・

たぶん我々人間同士のつまらぬ覇権争いじゃろ・・

我々だけでも結束し急ぎミレイちゃんを目覚めさせた方がいいじゃろ。」


エレミアも頷きこの件はサリアスに任せることを伝える


「ではこの件はサリアス姉様にお任せします。私はハートレイが変な事起こしそうなのでメルティアと共に一度王城に戻ります。」


サリアスは了解し自分も大陸の権力者に連絡を取り加護消失の対策について話し合うために国に戻って行った。


「アイムちゃん妾は他の国にも協力を求めるため国に戻り一度話し合ってくる。ミレイちゃんの事は任せたぞ。」


アイムは頷きエレミア達を見送った。


アイムは屋台から戻ったミレイを捕まえライムを目覚めさせてほしい事をお願いする


「ミレイママお疲れ様なの。ママにお願いあるの。隣の部屋で眠っているライム姉様を目覚めさせてほしいの。」


レイは孤児院に戻って来てアイムに呼び止められいきなりライムを目覚めさせてほしいと言われビックリする


「えー-!ライムは今眠りが深いから目覚めないよ。」


アイムはレイが連日の人々からの感謝で神力が上がってるからライム一人なら目覚めさせることが出来ると言う。


「大丈夫なの今のママなら出来るの。」


「アイムが言うなら出来るんだ。わかったやってみる。」


レイと一緒にアイムがライム達の部屋に入る


「ミレイママはライム姉様に口づけして魔力を流して下さい」


えー-!口づけ・・


恥ずかしいとか言ってる場合じゃないね。


レイはライムを抱き起し顔を近づけ口づけをする


ブチュー---

ー------


5分・・・10分・・・30分・・・1時間・・・2時間・・・


ヤバイ魔力枯渇するかも・・


3時間・・・


やっとライムに変化が起きる。


4時間・・


ん・・


「ご主人様・・」


「ライムおはよう・・」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る