第189話陰で支えるサポーター達

孤児院の敷地にあるゲストハウスで定例の打ち合わせが行われた。

鍵の調査については進展がなく引き続きが行われた。

それが終わり昨日の見守りたいの報告が本日参加する者達に伝えられる。


1日目は様子見もあり少数の見守りたいが列に並びアイスクリンを食べてもらった。


その結果ミレイは販売に夢中で普段の装いでなければまずばれる事は無いと判断され、多くの者は平民の普段着で見守りたいに参加することにしたのだった。


アイスクリンの評価が凄く見守りたいのルールも決められた。


見守りたいは、それぞれの部署で班を作りミレイの列を見守る者、列に参加し購入する者を決めローテーションをして、決して全員が購入列に並ばないように注意喚起された。


1日目守りたいに参加した者の報告で、アイスクリンの評価は食した者全員が初めて食べる驚きの味と評価され、2日目以降はさらに行列が増えると報告された。


また別の者がミレイが並んでて売り切れて食べれなかった者に販売予定だったサクサクビスケットを配り、それを食べた貴族令嬢たちがサクサクビスケットも是非販売してほしいとお願いをして、それをミレイちゃんは了承したらしい。


そのサクサクビスケットを唯一食べた見守りたいの者はあれはヤバイ。日持ちしそうだから購入者が殺到しそうだと。

孤児院の子供達からの情報でサクサクビスケットの準備ができ今日から販売するとの事だった。


その結果人数が増やされ姫騎士と冒険者は人数も多いためローテーションは4班に分かれて行う事になった。

メイド達も王城の希望者のメイドが大勢参加することになりミザリーの屋敷のメイドとローテーションを組み参加。


それぞればれないようにほとんどの者は平民の服装に着替え守りたいに参加していた。


さすがにミレイと交流のある姫騎士やメイドはそうは行かず。王妃や王女、アイラたちは変装に苦労していた。


どうしても参加したいミザリーとメルティア王妃は男装し髪を纏めパンツスタイルの冒険者に変装して参加、王女達も髪を縛り平民の服を着て参加。アイラはめったに着ることのない貴族のドレスを着て参加したのだった。


皆いつもと勝手が違うため言葉使いやしぐさに苦戦していたが、ミレイの販売する物が食べたことのないお菓子と知り皆必死だった。


今日の見守りたい1班がメルティアの後に続いて孤児院をでていく。


「では皆行って来るわ。妖精アイスと妖精ビスケットを手に入れてくるわね。」


見送りの者達はうらやましそうに手を振り見送っていた。


レイが中央広場に来る前に屋台の近くでは、朝早くからブレイニー侯爵家のスティアとコルトン伯爵家のジェシカ嬢が、商業ギルドのギルマスルミナスたちと話し合いをしていた。


商業ギルドのギルマスのルミナスは朝早くに押しかけて来たスティアにミレイの屋台の事で相談があると言われ早番の部下2人を連れ中央広場に来ていた。


「それでブレイニー侯爵家のスティア様のお願いとは何でしょうか?」


スティアはあ昨日の事を伝えミレイの屋台を指さしお願いをする


「ルミナス様は昨日の妖精アイスを召し上がった事はあるようですが、どうでしたか?おそらく驚かれたと思います。

私たちも同じですわ。あのような素晴らしい冷たくて美味しいお菓子は初めてですわ。」


ルミナスも頷き懸念する


「まさかスティアお嬢様はあの妖精アイスを独占するおつもりでしょうか?」


スティアはきっぱり否定する


「まさかそのような恐れ多い事は致しませんわ。逆です!昨日帰り際に妖精様にお願いしたのです。もう一つのお菓子妖精のビスケットの販売を、確か正式なお名前は・・・」


コルトン伯爵家のジェシカ嬢が補足する


「スティア様サクサクビスケットですわ。私妖精アイスも驚きましたが、あのサクサクビスケットは食べた触感美味しさは今まで食べたお菓子の中で最高でしたわ。そのお菓子が今日販売されるのです。どうなるかおわかりでしょ。」


ルミナスは何度も頷くとすぐに対応する


「おっしゃることはわかりました。確かに昨日の妖精アイス以上のお菓子が販売されるのならすぐに対応しないといけませんね。」


スティアはルミナスの対応に感謝し自分たちも協力することを伝える。


「ルミナス様私たちの意見を聞いての対応感謝いたします。昨日の妖精アイスやお詫びで提供して下さったビスケットの事はすでに多くの者に広まっています。

それはこの王国中に広まってるはずです。恐らく多くの貴族女性もここに押しかけて来るでしょう。

貴族女性の対応は私達が無茶な事言わないように対応させて頂きますので安心してください。」


ルミナスたちはその言葉に驚いた。何故上級貴族令嬢がそこまでするのか尋ねてみた


「あの失礼ですがスティア様は何故そこまでされるのでしょうか?侯爵家は上級貴族です。誘拐などの危険が伴うため、平民の屋台の販売する物に並んで購入などしないと思うのですが、権力を行使すれば手に入れれることもできるのでは?」


スティアはルミナスの質問に微笑みながら答える


「確かにおっしゃる通りです。我が領地や他の領地の町で平民が販売する物には危険が伴うので並ぶような事はしませんわ。

でもここモルトンは違います。王妃殿下王女殿下がよく滞在され、愛し子様が住まわれる町です。王国で一番治安のいい所だからです。

それに銀狐族は森の守り人妖精のような種族と聞いています。

その子が作り販売するのですよ。並ばないでどうするのです。」


ジェシカも頷きながらルミナスに話す


「スティア様の言う通りですよ。ここは安全ですわ。それに妖精様と言われる方が不快に思わないように、私たちが責任を持って沢山押しかけて来るであろう貴族女性を整理いたします。

恐らく今日か明日にはバイヤー公爵家のマリアンナ様が来られますから問題ございません。マリアンナ様も私たちと同じ同志ですからフフフ」


ルミナスはさらに公爵家の令嬢ではなく婦人が来るのを聞いて驚く


『公爵家ってまさに貴族の筆頭・・王妃殿下も来てるって噂もあるしここは任せて我々は対策するか・・』


ルミナスはミレイの屋台の出す場所に留まり部下に指示をする。


「アテーナはギルドに戻り6人ほど応援と1号販売屋台を2台引っ張って来てくれ!この屋台は小さすぎる。間口最大の屋台を2台ここに並べる。」


アテーナは頷き急ぎギルドに戻る


「わかりました。」


それを見てルミナスはもう一人の部下ココロに、冒険者ギルドに中央広場の販売屋台の行列整理の依頼を出してくるように指示をする。


「ココロは冒険者ギルドに行ってこの依頼を出してきてくれ」


ココロも急ぎ冒険者ギルドの方に駆けて行く


「わかりました。行ってきます。」


屋台の側に立つルミナスにスティア達は自分たちも準備するからとメイド達を連れ戻っていく。





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