第185話ミレイの見守り隊

ミレイがギルドから戻る前孤児院ではミレイの行動について話し合いが行われていた。


今回メリルが中心になり情報交換の場に孤児院の子供達、護衛騎士、ナンバーズ冒険者、フラワーガール、モルトン所属冒険者、アイラや剣聖ホタルに王女殿下まで集まっていた。


「皆さん今日私たちの愛するミレイちゃんが上手く変装をして認識阻害を施し孤児院を抜け出し、商業ギルドに来ていました。

そこで見たミレイちゃんは何と!銀狐の獣人の姿になっていたのです。

その姿を見て私はハートが撃ち抜かれました。」


銀狐獣人と発言した瞬間周りのテンションが上がり大騒ぎになる。


「皆さん静かにしてください!もう少ししたらミレイちゃんが帰って来るのですよ。気が付かれたらどうするのですか!

ミザリー様がミレイちゃんの事は静かに見守るようにとのことです。

何か考えがあるみたいですから夕食のときにお話があるかもしれません。とにかく皆さんミレイちゃんの事は知らないふりをしててくださいね。

多分暫く続くからミザリー様は護衛とかの事でお話あるかもです。」


メリルの護衛の発言に護衛騎士や冒険者組はテンションが上がりまた騒がしくなる

そこにメリルが思い出したようにボソっとつぶやいたのが全員の耳に入り収集がつかなくなる


「ミレイちゃんの狐耳ふわふわで気持ちよかったぁ~」


ガタッ


「「「「「!」」」」」

「「「「「!」」」」」

「「「「「!」」」」」


「「「「なんだとぉー」」」」

「明日は私が護衛に行きます!」

「嫌!私しかおらん!」

「わたいが行く!」


うわー-もう収集がつかない・・


暫くしてミザリーとエレミア、メルティアが入って来る


ミザリー達は騒いでいる者達を見て笑い話があるからと静かにさせる


「あらあらミレイちゃんの事で騒ぐのはいいけど、さすがに騒ぎすぎると戻って来てるミレイにばれますよ。

それにこの話聞かないと後悔することになるけどいいのかしら」


ミザリーの言葉を聞いた者達は静かになり席に着く


メルティアは部屋に入るとすぐにアイムを抱きかかえ席に着く


「アイムちゃんはお母さんと一緒よ。」


アイムも嬉しそうにメルティアに抱きかかえられ膝の上に座りミザリーを見つめる


エレミアは皆が席に着いたことを確認して話を始める


「硬い話はしたくないからさらっと言うけど、今この世界を救うために女神様のメッセージの鍵の謎を解くため皆交代で頑張ってくれてるのに凄く感謝しているわ。

私たちの大切なミレイちゃんも、心を乱す影響を避けるため孤児院から出ないように制限している。

でもさすがに我慢が出来なくなったようで、今日ミレイちゃんは町に出たみたいなの。」


エレミアの発言でざわつきが起こる


それを制してエレミアが話を続ける


「巧妙な変装をして、認識阻害のローブを纏って外出したみたいね。ミレイちゃんはアイムちゃんの作った銀狐の耳と尻尾をつけた銀狐獣人の姿で町をうろついたみたいね。

アイムちゃん曰くミレイの感情に反応して自由に耳も尻尾も動くからほとんど本物だそうよ。アイムちゃんみんなに見せてあげて」


エレミアに促されアイムは魔道具をテーブルに置いてスイッチを押す


「わかった。」


アイムが魔道具を起動させると白い壁にミレイの銀狐獣人の姿が映し出される


「「「「「きゃぁー-可愛いー-」」」」」


歓声があがりまた騒がしくなる


ミザリーが再び諫める


「子供達は我慢してるのに何ですか、大人のあなた達は!この後のエレミアの提案は子供達だけに任せますよ!」


騒いでた者達も静かに席に着く


ミザリーとエレミアは頷き話を始める


「今聞いた通りミレイは町に出る方法を見つけました。恐らく満足するまで続けるでしょう。

ミレイがまた心を乱してしまう可能性を考えるとすぐに辞めさせたいのですが、ミレイを成長させるために暫く見守る事にします。」


皆意図がわかったのか真剣に聞いている

それを見てエレミアが話す


「ミレイの母ミザリー母様がミレイの成長のためと言ったのには考えがあるのよ。

今鍵の調査は行き詰ってる状態、ミレイのストレスも考えると、ある程度ミレイちゃんを自由にさせてあげようと言う事にしたの。


ミレイちゃんが成長すれば何か変わるかもしれない・・

と言う事でミレイちゃんの行動を陰から見守ることにします。

もちろん状況によって直接サポートする事も考えています。」


「「「やったぁ」」」


エレミアは少しざわついたのを鎮める


「そこで!」


皆がエレミアに注目する


「毎日出かけるであろうミレイちゃんの見守り隊を毎日日替わりで行います。

これは冒険者、護衛、メイド、子供問わず希望者全員に見守り隊参加してもらいます。


アイムちゃん曰くミレイは何かを販売するらしいから、護衛として対応するのはもちろん状況によってはお手伝いサポートも必要になります。

更に変装してるミレイちゃんですから、知らないふりをして商品を購入する事も許します。


但し絶対に知らない振りをする事!正体を知ってるそぶりをして悟られた時点でその者は以後孤児院待機です。」


皆真剣に聞き何度も頷いている。


「状況に応じて毎日指示を出します。調査組守り隊それぞれローテーションします。

メイドのあなた達も頑張てる子供達も同じよ。引継ぎは必ず行うようにね。

そうそう、子供達は転移ゲート使って他の孤児院の子供達にも教えてあげてね。

今までミレイちゃんに関わって守ってくれた皆にご褒美です。ちゃんと伝えてあげて下さいね。」


「「「「はい!」」」」


・・・・・・・・・・・・・・・




皆が騒いでる頃ミレイはこっそりと孤児院の自室に戻り明日からの屋台で何を作るか考えていた。

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