第183話ミレイと商業ギルド

アイム達が必死になって鍵の謎解きしてる頃レイは一人自室で退屈そうにしていた。


はぁ・・帰ってからずっと孤児院の敷地の外に出ないでほとんど部屋にいる。

ミザリー母様たちがハウスから出てはダメだと言われてずっと籠ってる。


はぁー前戻った時エレン先生と楽しく話しできたのに今回はいない・・どこ行ったんだろう気になるなぁ

聞いたら教えてくれるかもだけどララ達にまた結婚だとか言われて騒がれるの嫌だから・・


「エレンいないしつまんないよぉー」


外に出たら叱られるし、ララやネネ達は洗剤作り忙しそうだし

うーんどうしようかなぁ~


あ!そうだこの前作ってもらった獣人の狐耳と尻尾これつければ・・


おぉ・・ほんとに耳がある感じだぁ尻尾も耳も動かせるし髪型を変えれば・・よし!どう見ても本物の狐獣人だね。


認識阻害のローブを纏って出れば・・


やったぁー!誰も気にしていない


フフフ


お金少しあるしアイムに作ってもらったマジックバックになんかあったら嫌だからポーション全種類入れてるし・・よし


こんな気分の時は一人でお出かけだぁー

楽しみぃ~


今は前と違って悪い人いないし安全だし夜までに戻れば問題ないよね。


ボクは久しぶりにモルトンの町を散策した。孤児院から離れ管理エリア外に出るとボクはローブをマジックバックにしまった。ボクは短いパンツになんかの時に顔を隠せるフード付きの服を着ている。


ボクが歩いていても狐獣人が珍しいから珍しいのかよく見て来るけど、悪い魔力の人はいない。


うわー露店がいっぱい並んでる。


この店ジャガイモぽいの売ってるフカフカじゃが芋か・・


「おじさん1個下さい」


店の人はボクを暫く見て声をかけて来る


「お!珍しい銀狐獣人の子供か一人で来たのか?」


「はいなの!」


「今は大丈夫だけど気をつけるんだよ。銀狐獣人は珍しい存在だから路地裏なんか行ったらだめだぞ!ホイ!小銅貨10枚だ!」


ボクは銅貨を渡してお礼を言った


「はいなの!ありがとうおじさん。気をつけるね。バイバイ」


ボクは蒸したジャガイモを受け取り一口食べた。


うーんやっぱ味がぁ・・


バターあればなぁ・・


そうだ!空の容器あるから後はミルク売ってるお店に行けば・・

ボクがミルクを売ってる店を探してると親切な人が教えてくれた


「ミルクか、それなら中央広場に行くといいあそこは他の町の商人も来て屋台でいろいろ売ってるからそこに行けばあるぞ」


「ありがとなの」


ボクは言われた中央広場に行くとビックリの光景があった

販売屋台はきっちり区画整理されてごちゃごちゃしてなくて綺麗な光景だった。


うわー凄ぉい市が綺麗ってすごく変わったんだ。

これって商業ギルドの管轄だよね。いい人がモルトンに来てくれたんだ。


えーっとミルクの売ってる店は・・・あった。


「おじさんミルクください。」


おじさんは容器からボクが差し出した器に入れてくれた。


「これでいいかい?小銅貨20枚だ!」


「はい!20枚ありがとうなの」


ボクは場所を移動して広場のベンチに座り買ったミルクをフタの付いた容器に入れ替えて蓋をしっかり閉めてと


容器を上下にフリフリ

フリフリ

シャカシャカ

フリフリ


もっとなのぉー


フリフリ

シャカシャカ

フリフリ

フリフリ

シャカシャカ

フリフリ


振ること10分音がしなくなり容器を開けるとしっかり固まっていた。


やったぁー

バターができたぁー


これをさっき買ったジャガイモに・・

冷たい・・

これバックに入れてもう一度買いに行こう


さっきの店に着くとおじさんが覚えていて2回目だから少し安くしてもらった。


「おじょうちゃん小銅貨8枚でいいぞ」


「わーい!ありがとうなのはい!8枚」


ボクはホクホクのジャガイモを受け取り邪魔にならない所に移動した。


ホクホクだぁ。ナイフでここを切って・・ここにバターを乗せてジャガイモをほおばる


「ホクホクうまぁー-い」


ボクがじゃが芋を食べてると、綺麗なお姉さんが近寄って来て話しかけて来た。


「銀狐のおじょうさん、貴方凄いわね。バターがあんなに簡単に出来るなんて初めて知ったよ。

それになんだい!フカフカのジャガイモにバターってすごく美味しそうじゃないか!

そのアイデアお姉さんに教えてもらっていいかい?

ちゃんとレシピ登録して買わせてもらうから」


え?どういう事?


ボクが驚いてるとお姉さんが説明してくれる


「お嬢ちゃんが作ったバターの作り方とフカフカイモバターのレシピを商業ギルドに登録するんだ。

そうすればこのレシピを利用する人は使用料をギルドに払って作ることが出来るんだ。

勿論発案者のお嬢さんは登録してるから使用料が毎回入るんだよ。どうだい」


特許使用料って事かな?


でもこのお姉さんなんでボクに教えたの?

見てて簡単だから自分で登録すれば特許料が入ったのに・・


「お姉さんなんでわざわざボクに教えたの?

お姉さんが登録すればよかったのに、ボクそんな事知らなかったのに・・」


お姉さんは笑いながら話してくれる


「私はルミナスだ!小さい子供は国の宝なんだよ。我々大人は見守る義務があるんだ。

このモルトンに住む者はみんな思いは同じだ。子供を大切に育てる。

だからお嬢さんみたいな小さい子供を騙すような事はしないよ。

お嬢さんは女神の孤児院の子供かい?」


え?何それ・・女神の孤児院?


「違うの。違う町から来たの」


お姉さんは手を差し出してくる


「偉いねじゃ商業ギルドに行こうか?ちなみにお名前は何て言うのかな」


げっ

名前ど・どうしよう・・


そうだ


「ミユって言いますの。」


お姉さんは嬉しそうに頷き手を握りボクを商業ギルドに案内してくれた


「ここがモルトンの商業ギルドだよ。」


あれ?ここってこんな雰囲気だった?もっと暗かったような・・

変な煙も漂ってたしいい感じしなかったのに、今はめちゃくちゃ明るくて制服も全然違う


入っても歓迎されてるし前と全然違うよ・・


ボクがあまりの変化に驚いてるとルミナスさんが心配そうに訊ねて来る


「どうしたんだいミユちゃん遠慮しないで何でも言ってくれ」


ボクは親切にしてくれるルミナスさんに話をした


「ずっと前にお姉ちゃんと一緒に来たことがあってその時嫌な思いしたから・・あの時と違って凄く変わってたからビックリしちゃって」


ルミナスさんは前のギルドマスターと職員が汚職で全て入れ替わった事、今のモルトン常駐の領主夫人が商業ギルド冒険者ギルド共によく訪問され、領主婦人の指導もあり大きく変わったのだと言う事を教えてくれた。


「さぁミユちゃんこっちに来て登録しましょう。クラシスこの子の発明したレシピの登録お願いできる?」


え?


「わかりましたギルドマスター」


えー-!

このお姉さんギルマスなのー

凄く優しいんですけどぉ

前と全然違うよぉ



「本日の受付担当クラシスと申します。ミユ様ギルドカード提示願います」


ど・どうしよう・・

カードなんて持ってないし

名前も偽名だし

多分見た目の年齢だと5歳くらいだから登録できないはず・・だからレシピはお姉さんに譲ろう


「あの・・カード持ってません登録前できませんでした。だからレシピルミナスお姉さんに譲ります。」


すると受付にいたお姉さんが整列して謝罪してくる。

しかもギルマスのルミナスさんも頭を下げ謝罪してくる


「「「ミユ様以前担当した者が大変失礼なことして申し訳ございませんでした。」」」

「ミユちゃんごめんなさい!前のギルマスが迷惑かけてほんとごめんなさい。」


えー---!


「みなさん頭を上げて下さい!前の事ですから気にしてません」


この後ボクは商業ギルドでカードを登録してもらう事になった。

そう何度も断ったのに・・


「では確認させて頂きます。お名前がミユ様、年齢が15歳・・・種族は銀狐族でよろしいですね。」


やっぱこの身長だから年齢疑うよね・・


「はい・・」


「登録レシピがバターの作り方とフカフカじゃがバターでよろしいですか?」


バターと聞いて皆の注目がボクに集まり騒がしくなる。

え?何?これってダメなパターン?


「はい・・」


ルミナスさんは終始ボクの横にいてくれて不安にならないようにサポートしてくれていた


「大丈夫よミユちゃん。あなたに誰も近づけさせないから、うちの職員が守ってくれるからね。心配しないで」


「ありがとうございます。ボクこんな親切にしてくれて凄く嬉しいです。」


ボクがいろいろやり取りしているとボクを見つめる視線に気が付き目を向けると


え?

ヤバイ!

あれはボクの専属メイドだったメリル何で?


あっそうか。ミザリー母様と一緒にこっちに来てるんだ。

この格好だしバレてないよね。


は・早くこの場を離れないと


ボクは登録も終わり挨拶をする


「お姉さんありがとうございました。また来ます。バイバイ」


早く帰らないと・・


カツカツ


や・やばいやばい近づいてきたぁー-


逃げなきゃ


ボクは早歩きで出口を目指す


タタタタタタタタタ


カツカツカツカツ


「お嬢様少しお話よろしいでしょうか?」


きたぁー-

なんで来るんだよぉー


「あのボク急いでるので失礼「ミレイ様逃がしませんよ!」しま・・・」


えー--!

何でわかったのぉー-!






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