第181話会議と不安な指導者

サリアスの発言に少し静かになり聖女ホーリアが発言する


「皆様お忘れになってるようなので今一度お伝えしますね。この世界は女神グランシア様が管理されています。

私たちはその許される範囲で生きているわけです。女神様は寛大な心で私たちを見ています。その女神様の大切にされている子供が傷つき心乱されればどう思うでしょうか、それでも今までと同じように許されると思いますか?」


各国の責任者が考え込む中聖女ホーリアとテレサラートが宣言する


「女神グランシア様の名の元に私聖女ホーリア「テレサラート」が愛し子ミレイ様の心乱す奴隷制度の廃止未成年の子供の虐待を禁止することを宣言します」」


「反対する者は女神様の背信者として対処いたします。すぐに退出してください。」


ほとんどの者は黙るがハートレイは自身の国が優位に立ってるのが自分の指導力と勘違いをしブツブツ呟く


それを見てエレミアが声を荒げる。


「ハートレイ!まだ不満があるなら今この場でおっしゃいなさい!もう一度言います。この世界は女神グランシア様が管理されています。その言葉は絶対です。

職業神託後の子供の奴隷廃止は何か困る事でしょうか?

未成年の子供に親が暴力を振るい虐待する行為は正しいのでしょうか?

女神様は決して私たちに無理な事を強いる事はしません。

それでも納得がいかないなら私たちが納得いく説明をしてください!」


今なお奴隷制度が行われてる小国ブロキア国、等一部の国が反論をする


「我々ブロキア国は長年に渡り奴隷制度で犯罪者を抑制してきた。職業神託を受けた後の子供も例外ではなく奴隷にして大人と同じように抑制してきた。それを廃止とはとても受け入れることは出来ません。」


ハートレイも意見を述べる


「確かに犯罪を犯す子供は少ないが罪は償わねばならんそのための奴隷じゃぞ!問題ないであろう!」


サリアスが意見を述べた二人に問いかける


「では二人に尋ねる。妾の国でも奴隷制度の見直す前はそのように思っておった。じゃが制度を見直し犯罪を犯す子供の状況を調べた結果、大半が領主の領地経営の問題、貴族の傲慢な態度、私欲による無謀な取り締まり等ほとんどが子供自ら罪を犯した者はおらなんだぞ!其方らの国はどうじゃ!」


ブロキア国国王ヴァルトラストが声を荒げて答える


「我が国は領主は健全経営している。子供自ら犯すのが大半じゃ!だから問題はない!」


メルティアがハートレイを睨み意見する


「まさかハートレイは我が国もだと言いませんよね。愚かな領主が己の私欲のせいでミレイちゃんがあんなことになったのですから、それにエレミアの諜報部の者が調べた結果、罪を犯した子供の大半は貴族の私欲によって罠にはめられた者だと言う事もわかっています。」


サリアスもヴァルトラストを睨み意見を述べる


「ヴァルトラスト国王よ、其方の国でナンバーズ冒険者が、貴族の横暴な行いで罪もに子供が捕らえられそうになってるのを何度も助けたという報告を聞いてる。

他にもいろいろと領主についての横暴聞いておるぞそれでも問題ないと言えるのか!この事はその方の国の問題だけではない!人類が滅ぶ事態になる事になってもそう言えるのか!」


ヴァルトラストはサリアスを睨み反論しようとするも側近になだめられる


そんなやり取りを見てマリーラ帝国のクアトラ陛下が立ち上がり全員に向け語る


「我がマリーラ帝国は女神様の神託に従い行動してきたその結果大きな犯罪も争いもなく健全な状態で今日まで来れた。

これも全て女神様の神託を受けた聖女ホーリアの意見に従った結果じゃ。

お二人に尋ねる何故そう言った私欲にまみれる者を許すのだ?

我々国家の指導者は自国民を守り正しく導かねばならんのだ。私欲まみれの事をして民はついて来んぞ!その点どう思うのだ!」


黙り込む二人にテレサラートが話しかける


「私たちは女神グランシア様の管理する世界の民です。その私たちが女神様が禁止した事に逆らう事は自国民が王の意見に逆らうのと同じですよ。」


静かになったことでサリアスが意見をまとめる


「現在この世界は精霊の加護消失の危機に直面している。この大陸ではまだ一部地域だけだが、女神の愛し子ミレイ様に何かあれば加護消失が早まる。

この事を忘れないでほしい!

加護の消失を早めないためにも、ミレイ様の保護と心乱す事を禁止するのが最善じゃ。

そのために奴隷制度の見直し、特に職業神託後の子供の奴隷の廃止と奴隷の解放、親等含め子供への暴力行為の禁止とする。反対の者は手を上げてくれ」


誰も手を上げず奴隷制度の見直しが決まった。


サリアスの決議の後エレミアが補足をする


「現在ミレイ様は落ち着いています。この機会に全ての国で孤児院の環境をバイスル王国基準にすることを提案します。そのサポートは我々が行います。

孤児院の環境を整える事はミレイ様の精神状態がいい方向に向かうからです。

鍵の調査が難航してる現在、出来るだけミレイ様の精神安定が優先されます。

皆様のご協力よろしくお願いします。」



サリアスは会議が終わった後ミレイの家族の者達で話し合っていた。


「ハートレイはまだ納得してないように思うが大丈夫かエレミア」


エレミアもサリアスの不安を払いのけることが出来ず口ごもる


「確かに・・最近のハートレイはちょっとね・・」


メルティアも不安に思いながら話す


「ハートレイはまだ大丈夫と思うけどヴァルトラストの方を気をつけた方がいいかもしれない」


サリアスはメルティアの言葉に不安を覚える


『ヴァルトラストか・・何も起こらなければよいのだが・・』

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