第179話大陸からの移動

アイムとレイが大陸からの脱出の準備をしている頃、女神様からの鍵となる謎を解くため、サリアス達は連日話し合っていた。


サリアスが意見を纏め皆に話す。


「皆の意見を聞いてもこのバチアス国・森の町・魔眼・ミレイの意味がわからぬのぉ… バチアス国がどこなのかがわからないし、ミレイがどう関係するかもわからん。

妾もバチアス国の存在は知らぬ。過去にも存在してなかったように思う。」


エレミアも頷く


「そうね。わたしも知る限り聞いた事がないわね。」


アスカが森の町について述べる


「ヒントにある森の町は恐らくエルフの隠れ里の事じゃないかと思います。

隠れ里はその里の出身でないとわからないからかなり見つけるのは難しいと思う。」


メルティアも頷く


「そうね。エルフの隠れ里は町に出て来ているエルフに尋ねるのが一番ね。

でも調べるのが難しいわね。」


サリアスは魔眼の意味について考えを述べる


「魔眼は真実の魔眼、鑑定の魔眼、魅了の魔眼、等あるが鑑定の魔眼だろう」


エレミアは頷く


「そうですね。娘も鑑定の魔眼持ってますが、主に魔力色と種族と人物名等わかる鑑定です。

隠蔽スキルのレベルが高ければステータスも隠蔽できます。

それを見るには真鑑定の魔眼が必要です。

恐らくこの魔眼の意味は隠蔽も見破れる魔眼の事ではないかと思います。」


サリアスやメルティアはそれを聞いて考え込む


「確かにその可能性は高いか…しかし真鑑定の魔眼なんて超レアじゃぞ見つけるのが大変じゃな」


「女神様の事です。私達を試されてるのかも知れません。今回の事は一人二人で解決できる問題ではないから、恐らくそうでないかと…」


サリアスは話を纏め皆に話す。


「今回の話し合った事を纏めると、妾達は国に戻り歴史書を調べ、真鑑定眼を持ってる者を捜す事、エルフの隠れ里の場所を見つける事じゃな」


メルティアも頷き捕捉する。


「そうですね。後は今わかった事をアイムちゃんに聞いてもらって意見を聞いた方がいいわね。」


話し合いは終わったが、グループに別れ話し合いは続けていた。


☆・☆・☆・・・


その頃アイムは難民輸送船の資材を集めに山岳地帯に来てせっせと鉱石を集めていた。


『うん♪鉱石はこれで足りるのね。後は虫さんや鳥さん蜘蛛さん呼んで糸や木の実集めて貰らうのね。』


アイムは資材集めに5日間レイ達と離れていた。


アイムは十分の資材と食糧を確保して帰路に着いた。


レイと合流しアイムは難民輸送船を作って行く。


出来上がった船は全てアイムの収納魔法で収納して行く。


アイムの生産スキルは凄く300人乗れる船を僅か6時間ほどで作ってしまう。


レイは船の内部設備を作って行く。

他の者達は、出来上がった。港の桟橋の増築と港までの道を整備している。


こうして約1カ月港と道と難民輸送船が大勢の避難民の待機場所が完成した。


レイは帝都にいるサリアスに連絡を取り、難民輸送の準備は整ったからと連絡を入れ


サリアスはクアトラ皇帝陛下に準備が整った事を告げる。


クアトラ皇帝は宰相のゲルハートに各領主に女性に子供、老人病気の者と言った弱者優先に帝都に移動させるように命令する


宰相からの命令を受けた各領主は命令通り馬車を用意して移送を始める。馬車の台数の少ない所は帝都からも派遣され迅速な対応がとられていた。

辺境の民の移動は数ヶ月かかったが全部の帝国民が帝都でチェックを受け大改良された港のある村ミストアの待機場所に第一陣が次々到着していた。


待機所にはチェックを受けた第一陣8000人が到着した。


第一陣は病人と女性幼い子供が多く設備の整った船に分散して乗せ出向していった。

帆船に魔石で動く動力を搭載した船は、レイの眷属シーサーペントの仲間たちの助けもあり、航行日数も短縮され2週間ほどでバイスル王国のシェノバの町に到着した。


シェノバの町ではエレミアから事前に連絡を受け町は受け入れ態勢が整っていた。

一旦ここで体調をチェックし問題なければ近隣の町に設けられた臨時避難所で受け入れ、現在準備している臨時のマリーラ帝国領となる場所の整備が終わるまで待機してもらっていた。


こうして大陸からの大移動は1年近くに及んで完了した。


バイスル国内で整備された臨時の帝国の領地は旧フォルマット領で7町村が整備され帝国民が移り住んだ。

その他の避難民はベルモルト辺境伯領で受け入れられた。



レイたちも無事モルトンに戻って来ていた。


レイは一緒に来てくれた主要メンバーにお願いをする


「みんなこの世界を救うにはボクが女神の力を使えないと救えません。ボクが力を使えるように協力してください。」


サリアスがそれに答える


「勿論じゃ。妾達は女神様からの鍵のヒントを頂いておる。これから皆で打ち合わせした通り動くからレイはここで待っていてくれ」


「うん。みんなよろしくお願いします。」


ナンバーズ冒険者たちはエルフの隠れ里の位置の調査にエレミア達は歴史書を調べに、王女達は護衛を連れ真鑑定の魔眼を持ってる人物の捜索にそれぞれ向かった。


レイは今回のファンティーの怒りのレベルがどれくらいかが気になっていた。


『もしファンティが、人間なんて全て滅べと思うくらい激おこだったら女神の力でなと戻らない。

前と同じくらいならボクがお願いして加護消失止めてもらって、再び加護与えてくれたら女神の力いらないかもだけど・・

確か加護を再度与えるのっていろいろ制限あるって言ってたような・・確か50年?だったかな精霊が加護与えれるのって』


ほんと馬鹿な人達のせいで大陸なんか帰ってくるとき何かほとんど荒地になってたし、忠告聞かずに残ってた人達どうなったんだろう・・



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