第177話レイの回復と鍵のヒント
メルティアとアイムは、聖女ホーリアと一緒に教会に向かった。
教会に入ったホーリアとメルティアは女神グランシア像の前で跪く
メルティアは現状の報告とレイを拉致された事を謝罪する。
『女神グランシア様貴方の大切なミレイを拉致された事、申し訳ございません。
今回の事でファンティー様が怒り加護消失の影響で大陸が不毛の大地になるのは仕方ないと思います。
しかしそのスピードが早いと私達が救った者も死んでしまいます。
それに一旦全ての加護が消失すると再び加護が戻っても元に戻るのに数年かかると聞いています。
何か救いの方法はないのでしょうか』
グランシアは最低限の言葉を伝える
『方法はあります。鍵はバチアス国・森の町・魔眼・ミレイです。残念ながらそれ以上は教える事ができません。
よく考えて… ミレイをよろしくね。アイムならわかると思います』
メルティアは頷く
『グランシア様お任せください。』
ホーリアも感謝を述べる
『グランシア様私にまで力を授けて頂きありがとうございます』
メルティアとアイムは聖女ホーリアと共に聖女の館に向かう。
グランシアへの祈りを終えた時に、クロノラナから念話が入る。
『アイムよミレイは助け出した。ただ両足が切断されて瀕死の状態だ。
聖女に 回復と切断された足を繋げてほしいのじゃ。
どこに行けばいいか教えてくれるか』
アイムはその事をホーリアに伝える
『ホーリア様クロノラナ様がレイを助け出したけど、瀕死の状態らしいの。
ホーリアにレイを助けてほしいって言ってる。
どこに行けばいいかって』
ホーリアは少し考え答える
「それなら静なところがいいですね。私の館に来てください。アイムちゃんが一緒に来たらわかるのかな?」
メルティアとアイムは聖女の館に向かった。
聖女の舘では侍女たちがホーリアの命令でレイたちを迎え入れる準備をしていた。
クロノラナから連絡が入るまでメルティア達はグランシア様からの鍵の言葉を考えていた。
メルティアは言葉を思い出しながらつぶやく
「バチアス国・森の町・魔眼・ミレイ
・・・うーん何かしら?」
ホーリアも同じように呟き考える
「バチアス・・うーんそんな国私たちの大陸にありませんよ。わかるのは森の町だけ」
アイムは驚く
「凄い凄い!あたいは言ってることがわかっただけで誰かまではわからなかった。」
メルティアはアイムに尋ねる
「アイムちゃん私たちが全く気が付かない事がわかったの?」
アイムは頷き答える
「バチアス国はたぶん昔そう呼ばれてた国で、森の町に住んでて真眼の魔眼で鑑定しないと名前が隠されてるって事だと思うの。
女神様が言った名前の人物が鍵となる人だと・・でもまだなにかある今はわからない・・」
ホーリアが感心してアイムを見る
「凄いねアイムちゃん女神様はその人物がわかってて教えてくれた。ならその人見つければいいのよね。簡単そう・・」
アイムは二人に教える
「メルティア母様、ホーリア様女神様は簡単にこの世界に介入できない。だから簡単でないはず。」
メルティアも頷く
「確かにバチアスと言う国はない、それにミレイが関係しているのわかってて何故ミレイの名前があるのか?きっと意味があるはず…」
メルティアは思った。
これは大変だと、エレミアやサリアス達の協力が必要だと…
メルティア達が考え込んでいると、アイムに念話が入りアイムが答える
「ホーリア様今からクロノラナ様がレイを連れて来る」
その時部屋の空間に黒い点が現れ、みるみるうちに広がる。
そして、レイを抱きかかえるダカーポと、切断された足を持つクロノラナが現れた。
聖女ホーリアはクロノラナの女神のオーラに跪き頭を下げる
「女神クロノラナ様わざわざお越し下さりありがとうございます。ホーリアと申します。」
クロノラナは跪くホーリアに話しかける
「ホーリアよそのような行為は不要じゃ。妾はお願いに来たのじゃ。妾の大切な妹を治してほしいのじゃ。」
メルティアとアイムは傷付き両足が切断されたレイを見て叫ぶ
「レイちゃん!」
「レイママ!」
空間が戻り二人はダカーポに駆け寄る
ダカーポは謝罪しホーリアにお願いする。
「ごめんなさい。間に合わなくて、レイ様がこんな状態だった…ホーリア様お願いします。隷属は解除してある。ただ切断場所呪い少しある」
ホーリアは頷きベッドへ寝かせるように指示する。
「ダカーポさんあちらのベッドに寝かせて下さい。」
ダカーポは頷きレイをベッドに寝かせる
クロノラナレイが寝かされた後、足を元の位置に置くと、メルティア達とダカーポに言葉をかける
「聖女ホーリアよ、よくミレイの状態を見て治してほしいのじゃ。
メルティアよミレイの事はその方に任せる。
妾は今から、ミレイをこのようにした者達全てを、この大陸から出さぬための印を付けてくる。
警告を無視した愚かな人間は、この大陸と共に苦しみながら滅べばいい!
ダカーポよミレイたちが助けが必要になるなら、妾の使徒としての力使ってよい。
頼んだぞ!」
皆それぞれ頷く
「わかった。」
「ミレイ様は必ず治して見せます」
「ミレイちゃんのケアは任せて下さい」
クロノラナはそれを聞いて頷き空間に消える
聖女ホーリアはレイの状態を診断する
それを見守るメルティア達
「ミレイ様は切断された足首、傷ついた胸と内臓数箇所に闇の呪いが取り付いています。恐らく攻撃された時に呪いが付与されてたのだと思います。
普通に聖魔法で回復をかければ呪いが強くなるような仕組みです。
心配の必要ありません。
私もグランシア様からレイ・・・ミレイ様を助けるために加護と力を頂きましたから、以前ならこのような闇の深い呪いの解呪は無理でしたが、今なら・・」
ホーリアはベッドで眠るレイに両手を広げ目をつむり回復の呪文を唱える
レイの下に魔法陣が現れホーリアの唱える言葉を紡いでいくと魔法陣は形成されて行く。
詠唱が終わると魔法陣が光り輝きレイを包む
レイは光に包まれ暫くすると光は治まる
そこには傷が完全に消え綺麗な身体のレイが眠っていた。
「ホーリア様ありがとうございます。素晴らしい回復ですね。」
「以前なら欠損、呪い、臓器腐敗と言った回復は軽度な分しか治せませんでした。今なら死者蘇生以外は全て回復が出来ます。
これで私も幼い女神様のサポートが出来ます。」
ホーリアとメルティアがこれからの事を話す
「私も皆様と一緒に女神ミユミレイア様と共に行動させて頂きます」
メルティアは驚き確認する
「え?本当によろしいのですか?」
ホーリアは頷きレイを見つめる。
「この幼き女神様はこの世界で病気で苦しみ死んでいく者達を救うために降臨されたのです。女神様は病気の原因となる物の対処と知識を与えて下さっています。
特に幼き者に過敏に反応される女神様が心乱さぬようにサポートするために同行させて下さい。」
メルティアもホーリアの発言に感謝をする
「ホーリア様ありがとうございます。回復のサポートして下さるホーリア様が同行してくれるのはホントに助かります。これからよろしくお願いします。」
翌日レイは目覚めアイムが抱き着く
「ママー!うわーんよかったぁ グスン」
レイは優しくアイムを撫でる
「心配かけてごめんねアイム」
そこに別室にいたホーリアとメルティアが入って来る。
レイは二人にも感謝を述べる
「メルティア様、ホーリア様心配かけてごめんなさい。」
メルティアはレイの雰囲気が変わったのに気づきレイに尋ねる
「レイちゃんなんか雰囲気が変わった気がするけど何かあった?」
レイは微笑みながら答える
「はい!眠ってる時に神界に呼ばれてソレイユお母様に叱られちゃいました。いろんな人にボクが心配かけてると、もっとしっかりしなさいと、だからこれからボクがみんなが困ってるこの世界を救うために行動します。
これからのボクの行動を手伝って下さい。よろしくお願いします。」
『ソレイユ母様言われた通りボクがんばるから・・』
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