第176話救済の鍵

グランシアは地上の魔人族と魔物が住むアフラカーナ大陸を見ていた。


『おかしいわね。ここの魔人たちはみな大人しく暮らしてるのにどういう事なの?』


グランシアはソレイユに尋ねる


『私の言いつけ通り静かに暮らしてるみたいだけど、ソレイユ様どういう事でしょうか?』


ソレイユはレイを攻撃したの者に魔人族が絡んでいるのはわかっていた。

ここからでは詳しい事はわからないわね。


魔人族の住む大陸は一番近い島まで数千kmある。

それに大陸から数百kmの所には激しい海流があり船での移動は不可能

飛行して移動しても、海流障害と同じ付近に激しいジェット気流が流れ、飛行での通過は不可能だから脱出方法ないはずなのに…


以前シルフェルト国内で魔人の存在確認できたけど、ミレイの仲間が倒してくれたからよかったけど、今回もまた魔人の存在が確認できたわ


今回もまた闇の深い人間にすり寄ってるみたいね。

今は隠れててわからないけどあの魔人は魔道具の製作に特化してるのか強さがあまり感じられなかったわ


ソレイユはグランシアに急いでミレイを探すように言う


『ねぇグランシア今回嫌な予感がするのよ。ミレイが酷い事されてると思うの。一応神族だから自然回復するから少々の傷では問題ないけど、万が一何らかの方法で瀕死になるような事があれば自然回復ではどうにもならないわ。万が一死ぬような事があったら・・さすがの私も力を行使してしまう・・』


『そうですね。瀕死でも私は耐えれそうにありません。そんなことになったらファンティーは完全に暴走するでしょうから急ぎ探ってみます。』


ソレイユは最悪の事になったことを考える


神族のミユミレイアは瀕死になることはあってもまず死ぬことはない・・

しかし瀕死の状態で発見された場合確実に地上のファンティーやクロノラナは暴走する。

二人が暴走すれば確実にあの世界は荒れ果てる。

ミレイを傷つけた者がいる大陸は、確実に人が住めなくなるほどに不毛の大陸になる。


下手すればミレイが眠ってる間に大陸のほとんどの人間が滅ぼされるかもしれないわね。

当然ミレイの戻る大陸にも影響があるのは間違いないし、ファンティーはもう人間は信用しないだろうし、ここはミレイの神力を一気に上げるしかないわね。

慈愛と豊穣の女神として目覚めれば世界は救われる。


ミレイの神力を上げ目覚めさせるには眠っている核が解ければ女神の力を使える。

それは地上でいろいろな経験を積めば解けるけど数百年の年数がかかる。

一時的にで核を解いて力を使う方法がある世界がファンティー達が暴走したらもうそれしかない・・


ミレイちゃんが深く封印してる記憶


『お兄ちゃん…今まで守ってくれてありがとう…最後にお兄ちゃんを守れてよかった…

美莉愛はね死んだら神様にお願いして別の世界に連れて行って貰うの。

美玲お兄ちゃんが話してくれた夢の世界に…

だからお兄ちゃんが夢の世界に来たら美莉愛の事探して…そこで二人で楽しく暮らそう…

美莉愛待ってるから…ずっと待ってるから…』


そうこの美莉愛に、グランシアもこの子の記憶を残してくれた見たいだし、後はこの子に少し力を授けてミレイの核を解いてもらうしかない・・

この子の身体に影響のないように与えないと・・


『グランシアあなたの管理する世界を救うための手段があるんだけど、ミレイが瀕死にになってファンティー達が暴走したら、どうにもならないからその時に唯一の方法を教えるから、あなたにそのきっかけをお願いしたいの』


グランシアは最悪の事態を救う方法があると聞いて喜ぶ


『よかったわたしの世界はまだ滅んでほしくないから、救う方法があるなら是非やらせて下さい。』


ソレイユは方法をグランシアに教える


ミレイを一時的に女神の力を使えるようにする事、その力を目覚めさせるためにミレイに一人の少女を会わせる事、その少女にグランシアが力を授ける事、ただし私達女神が全てを助けてはならない事。


『わかりました。その力を授ける少女の行動と思いがミレイの女神の力を目覚めさせる力になるという事ですね。わかりました。それでその少女は誰ですか?』


『ミレイの地球にいた時の実の妹名前は美莉愛よ。あなたが前世の記憶を残して封印してあげた子よ。』


グランシアはそう言われ思い出す


『ああ…あの酷く辛い思いをして転生してきた子供ですね。覚えています。

あの子のお兄さんが、もし転生してきたら記憶を戻して会わせてあげようと思ってましたし、そのお兄さんを助ける力を授けましたから。


でもあの子の願いがお兄さんが気づいて声をかける事。


そのミレイが深層に妹の記憶を自ら閉じ込めてた。

それを私は気がつかなかった。』


ソレイユは落ち込むグランシアを擁護する


『グランシア落ち込まないで、あなたが記憶を残してくれていたから、この方法がとれたのですよ。

ミレイが心の奥深く妹の記憶を閉じ込める。並大抵の思いでは出来ないことですから…』


あの子は私が時間をかけて魂を癒してからよくわかってる。

奥深くにある記憶は本人の強い意志で閉じ込めてた。

だから私は何もしなかった。

奥底の記憶を解く鍵は妹…

私達ができるのは存在を示す事だけ…


『私達はミレイの大切な存在を示すだけ、あとはミレイが気づいて名前を呼べば妹も封印が解けるのでしょ?

大切な妹に会うことでミレイの感情が大きく動きます。

その時に貴方が妹に授けた助ける者の力が、ミレイに女神の力を一時的に目覚めさせることが出来るのですよ。お願いしますねグランシア』


『はいお任せ下さいソレイユ様』


そしてグランシアがミレイの状況を見ていると、最悪の事が起こった。

噓でしょ。あの人間ミレイの足に足枷つけて切断したわ!


それなりの事は教会の神官に伝えてたでしょ!何で?

最悪の結果になってしまったわ

ソレイユ様に言われた通り上手く伝えなければ・・・


あとは地上のミレイの仲間達が彼女を見つける事ができるか、その前に彼女の事を伝えないと…誰かミレイの仲間がグランシアの教会で祈ってくれれば…


全て伝えることできないけど、ミレイの大切な存在を伝えるのは影響ないはず


『グランシア教会にミレイの仲間が来ても鍵となる存在の名前だけ教えてあげなさい。それくらいなら彼女に授けた力に影響はないはずよ』


『わかりました』

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