第174話魔人ホルツゴランとブルドラス公爵

我は魔人ホルツゴラン、女神により辺境の大陸に押し込められた我ら魔人族は大陸で平穏に暮らしていた。


誰も今の生活に不満を漏らさず暮らしている。


一部の者は大陸から出て新天地を目指した者もいるが、脱出できた者はほとんどいない。それが周りを取り巻く環境のせいだ。


魔人族の住む大陸は一番近い島まで数千kmある。

それに大陸から数百kmの所には激しい海流があり船での移動は不可能

飛行して移動しても、海流障害と同じ付近に激しいジェット気流が流れ、飛行での通過は出来ない!


我は飛行能力も戦闘に関する能力はない。しかし知識と物を作る能力には優れている。

我はその知識を使い何年もかけ調べ海流のある特定の場所が短い時す間だが、海流が弱くなる事がわかった。我は特殊な船を作り一人の協力者と海流の弱くなる場所に行きタイミングを見計らい船を進めた。


すると船は一旦海底近くまで海流に巻き込まれ沈み再び活発になった時に排出されるように浮かび上がるその時海流を超えた場所に出たのだ。


それから二人で船を進め人間の住む大陸に上陸し、協力者と別れ我は姿を偽装しある貴族と出会った。

その者の欲望が面白く協力してやることにした。


つまらない平凡な暮らしから抜けることができ人間の欲望に我の力を貸しその見返りに我の魔道具の実験体を手に入れる。


実にいい関係だ。そして面白い魔力を持つ者を捕らえるから協力しろと言われ魔道具を渡し見事捕らえることが出来た。


なのに欲深い貴族はぼやいている。何が不満なのだ。わからん。


☆・☆・☆・

ブルドラス公爵はレイを捕らえたにもかかわらず不機嫌にぼやいていた。



『おかしい!アルメリアル公国の王族派に影響をもたらす小人族のガキは捕らえた。

なのになぜ陛下は我々に何も言って来ないんだ!』



一人執務室でぼやく公爵


そこに小柄ででっぷりした体格の額に角のある魔人族の男が入って来た。


「失礼するよブルドラス公爵閣下何をぼやいてるのですか?ご指定のガキはちゃんと隷属して地下に閉じ込めていますよ。」


「ホルツゴランか、ガキを捕らえて隷属したら王族に救済することが出来なくなって泣きついて来るはずだったのになぜ来ない!

ガキは今回の救済部隊の中心人物ではないのか!」


魔人族の男はニヤニヤしながら話しかける。


「ブルドラス公爵残念ながらガキがいなくなって救済活動が出来なくなり諦めたみたいですよ。彼らは撤収の行動に移ってます。それよりあの小人族のガキはなかなか面白い魔力持ってるから嬲るとどうなるか楽しみですよ。」


ブルドラスはにやりと笑いフェルノア侯爵に連絡を取りいろいろ確認する


「確かに撤収してるみたいですね。仕方ないですね。ガキから情報でも集めて王族派を潰す案でも考えますか・・・」


ブラルドスは地下に降りて鎖で吊るされてるレイを見てニヤニヤする

配下の者が近寄り仕置き棒を渡す


「ほぉこれが小人族のガキかなかなか可愛い顔してるな。

これなら楽しめる痛め付けてどんな顔するか楽しみだなフフフ」


ホルツゴランもニヤニヤしながら鞭を持ちレイに近づく


「さてどんな声をあげるか楽しませて貰いましょう」


すると吊るされてるレイが二人を見る。


『こいつらが首謀者?なら挑発して何とか魔力使わせないと・・・ここ地下だから探知魔法で見つけにくいはず』


レイは覚悟を決め挑発する発言をする。


「ハゲのぶつぶついっぱいのガマガエルと臭い匂いするデブの頭ぼこぼこしてる…あぁそれ角なのね。プププ何するつもりかな?」


ピキピキ…


「なんだとぉ!クソガキ!そんな生意気な口を聞けなくしてやる!オラー!」



ホルツゴランは鞭を思い切り振り下ろすと バチン!

と甲高い音が響きわたる


「ほらガキ!泣きわめけ!」


レイは微笑みバカにする


「フフフ醜いガマガエルはゲコゲコうるさいだけで力弱いんだ。どこを叩いたのかなぁ」


「おのれぇー!」


ブルドラスはホルツゴランを諫める


「ホルツゴラン挑発に乗ってどうするんです!どうやって痛みを緩和したかわかりませんがこのガキは我々を怒らせるのが目的ですよ。鞭は効かないようなので違う手段を取りましょう。」


ブルドラスは手に持っている仕置き棒(鉄製のトゲが沢山出てる奴隷を叩く棒)を何度か素振りして胸目掛けて振り抜く


レイの身体に見事ヒットしレイの身体はサンドバックのように大きく振れる。

振りこのようになってるレイを目掛け再び棒を振り抜く


ビュン

グシャ


レイの身体から骨が砕ける音が聞こえレイは口から吐血する


ゴホゴホ・・・


『ぐぅ… こんな力が・・身体強化したのに』


ブルドラスはレイを見てあざ笑うように語る


「どうやら身体を一時的に強化したようですが、残念ですね。この金剛棒には魔法を弱める付与してあるんですよ。それに私も強化して振り抜きましたから当然の結果ですね。」


ゴホゴホ


『確かボクには神族特有の自然回復があるから時間かかるけど治るはず』


レイを見ていたブルドラスはレイがわずかに回復していくのがわかりにやける


「ほぉー回復魔法ですか・・・かなり弱いようですが回数を重ねれば完治しそうですね。では安心して傷つけれますね。」


それを聞いたホルツゴランは自分が傷めつけるとブルドラスに言う


「生意気に回復だとしかも無詠唱で!クソが・・私の作った金剛棒で回復が追いつかないほど殴ってやる!」


ブルドラスは金剛棒を渡しながらアドバイスする


「あのガキはかなりの身体強化をしています。金剛棒にホルツゴランの魔力を込めて出来るだけ身体強化もしなと効果ないですよ。」


ブルドラスは部下にホルツゴランに強化の付与をするように命令する


「あなた達はホルツに身体強化を付与とあのガキの魔法を弱めるように補助しなさい」


ホルツゴランは自分自身がと錬成と付与魔法に特化してるので戦う事はない。

だからこういった荒事はあまり経験がなかった。

自分が魔法で強化された事に喜び金剛棒に魔力を込め振り抜く


「おらーガキが泣き叫べ!」


ビュン

ガキン


ホルツゴランは金剛棒がはじかれた事に驚く


「なぁ・・何をしたガキ!」


レイは微笑み答える


「アハハばーか!全然痛くないよ。何かしたのかなぁプププ」


『あぶなかったぁ身体強化だけだとダメだったから狙って来た場所を硬化させたら何とかなった。これであのガマガエル闇魔法使うかな?とにかく強い魔法使ってもらわないと探知できないはず。

探知に優れたひとならわかるはず・・誰か見つけて・・』


ホルツゴランは完全に理性を無くしポケットから黒い箱を取り出しボクの足元に置く


ブラドラスは慌てて止める


「ホルツゴラン待ちなさい!何をしようとしてるのですか!その魔道具は闇の魔力を感じますが、やめなさい!あのガキは調教して我々の玩具にするのですよ」


ホルツゴランはブラドラスに怒鳴り散らす


「やかましい!貴様は私我の数々の道具のおかげで王族派を追い詰めることが出来たのだろうが!黙って見てろ!心配せずともこのガキは殺しはせん!」


ホルツゴランはブラドラスを黙らせた後、魔道具を起動させる


魔道具から黒い鎖と動きを封じる枷が出て来てレイの足に装着する


ホルツゴランは手元の道具を操作してレイを睨む


「まずレベル5で試してみましょう。これは相手の魔力を吸って足かせが絞まるのですよ。魔力が多いほど苦しくなるのですよ。今までレベル5を使った者はいませんが生意気なガキなら耐えれるでしょう。」


足枷から禍々しい魔力が溢れレイの足を締め付ける。


レイは苦痛にゆがむ


『なにこれ魔力が吸われる・・強化が・・ぐぅ』


ホルツゴランはニヤニヤしてレイを見てさらに道具を操作する


「おや!まだ耐えるのですね。ではレベル8まで上げましょう。」


その瞬間レイは耐えれなくなり悲鳴をあげる


ブチ


キャァーーーーー


レイについていた足枷が完全に絞まり足首から下がちぎれ床に落ちる。


ブラドラスはホルツゴランに怒る


「ホルツゴランやり過ぎです!どうするんですか!絶対殺してはダメですよ。貴重な小人族のガキなんですから・・」


「心配するな後でくっ付けてやるよ」


その時周りが騒がしくなる


ブラドラスは慌てることなくホルツゴランに早く止血するよう促す


「心配いりませんよ。この建物の周りはフェルノア侯爵の私兵と私の私兵が500人もいるのです。

相手がAランク冒険者でも近づくことは出来ませんよ。

それより早くそのガキの止血してください!死んでしまっては元も子もないのですよ!」


扉を守っていた兵士が叫ぶ


「誰だ!どうやってここまで来た!さっさと立ち去れ!」


叫んでた兵士の声が消え扉が破壊される


ドカーン



そこに二人の黒いローブに身を包んだ少女二人が入って来た。



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