第172話アトラース大陸(腐敗した国々)
クロノラナを見送ったサリアス達はアトラース大陸に精霊の加護が消失して大災害が起こる事を告げて回る事にした。
全てはレイのためにだった。レイならこの大陸が環境悪化して人が住めなくなるとわかれば、助けるために行動をする。
サリアス達は話し合い、レイが戻って来た時に、精霊の加護が消失して苦しむ子供達がいるのに何もしなかったらレイの心が乱れ苦しむ。
そうならないように最低限の事をしょうと決めた。
サリアスが話し合って訪問国を決めそれぞれが移動を始める前に告げる
「皆わかってると思うが、今回起こる事の重要性を伝えるだけじゃ。
妾達国の代表が使者として赴くのじゃ。いかに馬鹿な者でも重要性がわかるじゃろ。
それで聞く聞かないは彼らじゃ。
国の責任者と面会中護衛数名以外残りは孤児の調査じゃ!
指導者の様子で判断!ダメとわかったら女神ミュミレイユに代わり連れて行く!
孤児がいたら移動が大変じゃろうが、アイムちゃんからレイの考えた荷車をそれぞれに渡す。
コンパクトにたためるから背中に背負えるし組立も楽じゃ。これなら10人くらいなら運べる。
指導者に伝えて、レイの救いたい子供たちを一人でも多く救出して、大陸の出発地点スローラルの港に集合じゃ。各護衛はしっかりと主を守るのじゃ!」
「「「「「はい!」」」」」
皆スローラルの港で会おう。
サリアス達は使者を四つに分け護衛も分け出発した。
メルティアとアイムは護衛に双子の娘のナンバーズ冒険者ロロノア、ララノアと他ナンバーズ数名が付きマリーラ帝国に向かった。
サリアスは剣聖ホタル、剣王シャルテとフラワーガールを従えアルメリアル公国王都に向かった。
エレミアは剣聖ミズキとシオンと、ナンバーズ冒険者メリ、マリを従え一番遠い小国ユーラスト国に、ミザリーはアイラやチェリアス王女ら残りの者で、アルメリアル公国の隣国スロアニア国に向かった。
行程が一番長いのはエレミアだが、エレミアはレイが闇に落ちて復活してからは、日々剣聖達と鍛錬し完全に戦う感覚を取り戻していた。
現在剣聖や冒険者達と一緒に、身体強化して馬車以上のスピードで、ユーラスト国を目指して走り数15日後ユーラスト国王都ナトララルトに到着する。
エレミアは、王都でリクラスト国王と会談大陸で起こる精霊の加護消失の影響による災害を伝える
「リクラスト陛下、緊急の面談に応じて頂きありがとうございます。バイスル王国国王代理のエレミアと申します。
緊急につきこのような恰好で失礼します。
陛下に至急お伝えしたいことがありお伺いしました。」
宰相のクダラナはエレミアが話そうとするのを遮る
「陛下に緊急の面会と言うのでお会いしましたが、一国の代表がそのようないくら緊急とはいえその装い失礼にも程がある!
バイスル王国ではそれでも問題ないようですが、ユーラスト国では通りません!」
エレミアは宰相に丁寧に対応する
「確かに私達の国でもこのような旅装での面会はめったに行いません!しかし今回は緊急です。至急にお伝えしたければならなかったからです。」
「それでもです。一国の代表者が「もうよい!話を聞こうエレミア殿」…」
陛下に話を遮られエレミアを睨み付ける
国王リクラストはエレミアの姿をニヤニヤ見ながら話すように促す
「それで緊急とはなんじゃ!」
エレミアは国王始め周りの貴族がかなり苛立ってるのを感じ簡潔に話す
「簡潔に申し上げます。この大陸から精霊の加護が消失します。お急ぎ対応お願いします。」
陛下も宰相も間抜けな声をあげる
「「はぁ~」」
「私達と同行していた幼い女神様が、この大陸で何者かに拉致され、精霊様が現れその事に激怒されたからです。
私達の大陸でも同様の事があり広範囲に渡り農地の加護が消失して大変な事になりました。すでにその被害も出始めています。
急ぎ対応をお願いします。特に弱い子供達の保護を優先的にお願いします。それが国を救う事になるかもしれません」
周りの貴族達はクスクスと笑いが聞こえる
宰相もあり得んと完全にバカにしてくる。
『この国はダメね。これ以上無駄なようだから急ぎ戻りましょう。
子供の事は気になるけど、情報くれそうにないわね。』
リクラスト国王は不機嫌になりエレミアに帰るように言ってくる
「ふん!国の代表者が緊急の面会を求めるから会って見れば、そんな話誰が信じるか!いくら他国の代表とはいえ訪問していきなり面会を求めその発言無礼にもほどがある。
それに救出は子供もだとバカか!もしそうなったら我々上位貴族が優先じゃ!
子供や病気の者は捨ておくに決まっておろう!さっさと立ち去るがよい!」
『ほんと屑ね。弱者は切り捨てるか・・レイちゃんなら・・』
エレミアは退出し城の外で二人の貴族青年に声をかけられる。
「エレミア様お待ちください!先ほど国王の発言で気分を害された事謝罪いたします。どうか先ほどの話しもう一度お聞かせください。」
「よろしくお願いします」
エレミアは二人を見て頷き彼らに一通り説明する。
「でききるならこの国の子供達をできるだけ助けて行動を起こして下さい。」
「わかりました。この国の孤児は全て王都に集められていますから孤児の子供達は私達が何とかします。それでエレミア様はどちらから戻られるのでしょうか?』
「私達は、スローラルの港から国に戻ります。もし救助が必要なら「エレミア様急がないと!」…」
珍しく冒険者のマリが遮り話しかけて出発を促す。
『なんじゃ?何かあったのか・・』
「?」
二人は一瞬マリを見て再びエレミアに挨拶をする
「ありがとうございます。私達も陛下にもう一度詳しく説明してみます。」
エレミアは頷きすぐに彼らから離れる
「では失礼します。」
エレミアは男達から離れたところで、マリに尋ねる
エレミアは会談中に護衛数人に王都の孤児達や町の様子を調べさせていた。
「エレミア様この国の王都に孤児院はありません!おそらくどこか周辺に集められてるのかと、治療院もありましたが誰もいませんでした。」
「ふーんそれでね・・・メリの方はどう」
メリは調査内容を報告する
「はい!この王都は貴族が不快に思う者達は強制的に排除されここから少し離れたカトマン村に連行されているようです。
村は兵士に監視され連行された者達は特別な理由がない限り出る事が出来ません。」
「ふーんそれでその特別な理由とは?何かしら」
「奴隷商に引き取られることです。」
エレミアの雰囲気が変わる
「全員黒のフード着用しなさい!これから女神ミユミレイアの名の元に孤児と病人を救出する」
「「「はい!」」」
エレミアはこの国の状況を報告、孤児を救出に向かう事をサリアス、メルティア、ミザリー達に告げカトマン村に向かった。
☆・☆・☆・
その頃ミザリー達はスロアニアに向かう途中で盗賊に襲われるも、盗賊を捕縛する。
ミザリーは盗賊の女性リーダーと話し合う。
「話を聞いてくれて感謝する。私はキャンディーこのレッドスコーピオンを率いている。
アルメリアル公国の貴族は屑だ!王族派も含めてだ。」
盗賊団レッドスコーピオンのリーダーキャンディーは、アルメリアル公国貴族から、奴隷にされる女性を救出するために活動していると語る。
話によるとアルメリアル公国の高位の貴族が、奴隷商を使い隣国の平民女性や子供を浚い奴隷にしている。
それに対して王族派は何も対処しない放置していると、彼らも同罪だ!
平民と言うだけで難癖をつけ捕らえ奴隷にしてるらしい。
「特に容姿の優れたスロアニアの女性が無茶苦茶な理由で捕らえられている。
だから私達はこの街道を通ってアルメリアル公国に運ばれるのを襲って女性達を解放しているんだ。」
ミザリーはレッドスコーピオンを取り込み、スロアニア国に移動し調査する。
結果スロアニアの町に入ったミザリーの目の前で、少女の対応が悪いと呆れる理由で男数人で少女を捕らえようとしたのをアイラが動き一瞬にして男達を倒す。
町の警備兵が来て事情を説明するも、倒れてる男達を見て逆に私達を捕らえようとする。
ミザリーは女神の使徒の力を見せ兵士達を黙らせる
ミザリーは無言で右手を水平に動かし付近を一瞬で凍らせる。
「私は女神ソレイユの使徒ミザリーこの国における非道な行い許す事できません!今後一切女性子供を捕らえ奴隷にする事を禁止します。」
アイラがへたりこむ兵士に声をかける
「この町の責任者をすぐに連れて来なさい!早く!」
兵士達は頷き走って行く。
ミザリーはアイラ達に指示をする
「私の護衛はサテラとノエルでいいから、貴方はチェアリスとフェアリーを連れて、この町の子供達と孤児達を見て来なさい!」
それを聞いてキャンディーがミザリーに進言する。
「それなら私達のヨラーサ、ネルアが案内します。」
ミザリーは頷きお願いをする。
アイラ達はヨラーサ達と挨拶を交わして町中に駆けて行く。
暫くして町長が馬車で到着する。
町長は馬車から降りて来てミザリーを見て完全に見下しミザリーを女神を冒涜する者だと言い兵士に捕縛の命令をする。
『やはりダメね。町のトップがこれじゃね。もういいわレイのためにこの町の孤児と女性を救いましょう。』
ミザリーは威圧し再び無詠唱で付近を凍らせる
「女神ソレイユの使徒ミザリーに対する暴言許せません!反省しなさい!」
町長と兵士は下半身が凍りつき動かなくなり町長がうるさく喚き散らすので、ミザリーは町長を麻痺させる
「黙りなさい!この国の犯してる罪は許しません!帝国の聖女ホーリアに女神グランシア様から伝えて貰います。」
アイラが戻るのを待って町長に女性と子供を連れて行く事を伝えアイラ達とレッドスコーピオンを連れ孤児と女性を救いに向かう。
一方のメルティア達は数日後にマリーラ帝国に到着し一行はクアトラ皇帝に快く迎え入れられ、聖女ホーリアを交え今後の行動を話し合っていた。
サリアス達は王都手前の山岳に入った街道で襲撃に合うも被害なく殲滅。
無事王都に到着し、幼い女神が何者かに浚われ、その影響で精霊の加護消失を伝える。
その事で陛下は慌て助言を求めてくるが、女神様の事は別の者が救出に向かっているので心配ないとこを伝える。
陛下とはその後の事を話し合っていた。
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