第169話アルメリアル公国(襲撃)

「とまれぇー---!ここは立ち入り禁止だ!」


村の中から兵士数人が出て来てボクたちに近づいて来る。


「この村はシイガー公爵の管理する獣人族の村だ!一般人は立ち入ることは許可されていないすぐに立ち去れ!」


うわーぞろぞろと出て来たよ・・


凄い魔力の色悪いやダメだこの人達一応お願いしてみるかな


「あのボクたち森で魔物に襲われてここまで逃げて来たんです。食糧も荷物もなくてできれば村に入れてほしいんです。」


ボクたちの前に立ちふさがる兵士の後ろから綺麗な鎧を身につけた少し大柄な兵士が出て来て拒否する


「この村はいかな理由があろうが立ち入り禁止だ!すぐに立ち去れ!でないと捕縛するぞ!」


いかな理由があろうとか・・これって中で見られるとまずい事あるって事だよね。


『レイママこのまま話を続けて粘ってて、ミザリーお母様たち急がせるから』


ボクは頷き兵士の人と会話を続ける。


「魔物に襲われた時荷物置いて来てしまって、食料もなくて少し分けてほしいのダメですか?」


「ダメだ!すぐに立ち去れ!」


「じゃ水だけでも・・」


「ダメだ!」


涙目で兵士を見つめ再度おねがいする


「えー-!お願いなの・・」


「ぐっ・・・」


おっ!

もう少し粘れば・・


「お願いなの・・ウルウル」



「・・・・・」


考えてる。よし!

するとお母様から念話が入る


『レイ後少しで着くから、後方の部隊とも合流したわよ。』


おお!粘ってよかった。


ボクと話してた兵士が考えてるところに、村から兵士が走って来る


「ケルガー守備隊長後方より一団が近づいてます。」


「なんだとー」


隊長さんは驚きボクたちを見て怒鳴る



「貴様らの仲間かあー!」


隊長が剣を抜いたのを見て、ロロノアとララノアがボクとアイムを後ろに隠す。


ミザリーお母様たちも追いつき、ボク達を囲むように並ぶ。

サリアス陛下とエレミアさんが護衛を伴ってケルガー隊長に対峙して話しかける。


「私はメルヘルト国女王サリアスだ!世界会議でこの国の国王陛下からの救済要請を受け訪問し移動してる。

なのに受け入れられないとはどういう事か、わかるように説明せい!」


サリアスの強い発言に兵士に緊張が走る。

さらにエレミアが追い討ちをかける。


「私はバイスル王国国王代理のエレミアです。

私達一団は女神グランシア様の愛し子様と共に、この世界を救済するための救済隊です。

その我々を拒む理由は何ですか?」


ケルガーは二人の威圧にたじろぐも何とかこらえ発言する


「いかな者でも我が国の筆頭貴族シイガー公爵様の許可がない事には立ち入りを拒否する」


こんなに強く拒否するって事は何かあるんだ。

アイムが眷属のヒイロマウスを使役して情報をさぐるから少し待ってと言って来る


ボクたちが対峙してる間に、後方からボクたちを捕らえようとした者達が追いつき完全に退路を塞がれる。


その数は200人・・・これって一つの貴族だけじゃないよね。

武具にいろいろな紋章見えるからたぶん複数の貴族が絡んでる。


黒百合や諜報部隊の情報によると、王族派の反対派貴族シイガー公爵家、ケーパー侯爵家、フェンダー伯爵家、ベリテレア伯爵家、オルトラン辺境伯家ら上位貴族他下級貴族6貴族が絡んでいることがわかった。


さらにこの獣人が集められた村は中で獣人の成人の男は人体実験にされ、男の子は虐待のためあっちこっちで吊るされている。


成人の女性は兵士たちの一部は性欲処理にされ残りと女の子は貴族に差し出されるための教育をされていることがわかった。


サリアス陛下どうするんだろう後ろにも敵の兵士いるのに強気にでるの?


『アイムよここは妾に任せてもらうぞ。』


『わかった。蜘蛛とサソリの眷属待機させてるから心配ないいつでも麻痺させれる。』


サリアスは頷き追いかけて来た後方の敵にも聞こえるように魔道具を使い話す


「世界会議で決まった救済部隊は、この大陸の最大のマリーラ帝国のクアトラ皇帝も支援してくれている。

国王陛下からも女神の愛し子様が、全ての町や村を救済して回る事は伝えてると聞いている。

たかが一公爵に拒む権利はないぞ!

女神様の愛し子の訪問を拒むという事は、女神グランシア様を否定する事じゃぞ!

後ろの部隊もよく考えて行動せよ!」



おお!凄いさすが一国を導くだけあるね。

さぁどうするかなぁ・・敵さん


「…暫し待たれよ。通信具にて確認を取る」


隊長がなんか指示して部下が村に入って行く。後ろの部隊も数人ボクたちの脇を抜けて村に入って行く。


普通に考えれば拒否できないはずだけど、多分なんか理由つけて拒んで後ろの部隊も攻撃を仕掛けて来る?

ボクが考えてるとアイムからお願いをされる


『レイママ今から周りから見える位置に立ってほしいの。あいつらにママが女神の愛し子だと証明する。ママは立ってるだけでいいから』


ボクはアイムの指示で見えにくい板の上に乗せられて立つと3mくらいの所にまで見えない板が上げられる。


『え?これどうなってるの?たぶん周りからは空中に浮いてるようにも見える

ているはず。』


アイムいったい何をするつもり?


ボクが空中に浮かんでる状態になりざわつく兵士達、ボクの直ぐ近くではナンバーズ冒険者が何時でも対処できるように控えてる


兵士が村から出て来たところでアイムがお母様にお願いをする


『ミザリーお母様お願いします。』


ミザリーは頷き周りに聞こえるように静かに語る


「今貴方たちの前に浮かんでるのは女神グランシア様の愛し子レイ様です。

過去に愛し子レイ様を傷つけようとした者達は、精霊様の怒りにより関係する者達の土地から加護が消失し、収穫量が激減し今ではまともに作物が育たない状況になっています。


精霊様はおっしゃいました。愛し子様を傷つけし者は、全ての精霊の加護を失うだろうと・・

それでも貴方は愛し子様を奪う行動を取りますか?

精霊様の全ての加護が無くなれば、人は生きていけなくなります。

それでも愚かな行動を取りますか?」



兵士は剣を抜き前後から近づいて来る

これがこの人たちの答えなんだ。ほんと馬鹿だ。

多分信じてないんだろうなぁ

ボクは痛いの嫌だけどファンティが怒らないとダメだから我慢するかな、多分ボク瀕死になることはあっても絶対死なないと思うから・・なら


『みんな聞いてください!敵が攻撃してきたら全力で応戦してください!

村の中の獣人の人達はすぐに助け出して下さい。

ボクを傷つけたらどうなるか警告しました。ボクが傷ついた時点でこの大陸から撤収します。

最低限の救出はみんなにお任せします。』


ボクの話しが終わりアイムが指示を出す。


「今から最終勧告して尚も相手が行動を起こすなら全力で潰します。

捕縛の必要はありません!後方部隊は対処した部隊にお願いします。

前方の部隊は残り全員でお願いします。」


ボクをはみんなを見ると強い意志が伝わってくる。

うわーみんなやる気まんまんだ…


ボクは相手兵士に向かって声に魔力を込め話す。


『私は創造神女神ソレイユの子供であり、女神グランシアの妹ミユミレイアです。

あなた達に伝えます。この世界の全種族の子供に対する虐待行為、売買行為は私ミユミレイアが禁止します。

即時実行してください。

破ればあなた方に災いが起こるでしょう』


これでこの世界のグランシア信徒に聞こえたはず。

神族に性別ないから妹で問題ないよね。さてどうするかな?信者でなくても距離が近いこの人達には聞こえたはず・・


あ!ダメだ魔力が凄く汚れだした来るかな


ボクは村から出て来た兵士を見てると剣を抜いてた手が下がる。

ボクがそれを見てほっとした瞬間背後から攻撃を受ける。

これって魔力弾?ボクの背中から胸に突き抜けたの?


チュン!


ぐっ!

い・痛い攻撃された・・けど外傷はない


え?何でこんなに苦しいのに多分内臓が傷ついてる・・


超高速で周りの護衛が気が付いていない?それだけ速いって事?ここにいたらいい的早く降りなきゃ



チュン!


ぐっ!


まただ・・どこから?かなり遠くから狙って来てる?魔力探知に優れた人いるのに気づいていない。これかなり特殊な魔力弾攻撃…

身体の皮膚を傷つけず、内臓を破壊する魔力の弾・・


ゴホッ・・


ボクは血を吐き台の上から落ちる


ボクが落ちてきたことでアイラたちが驚き駆け寄る


「お兄様!」

「レイちゃん!」


ボクは念話でアイムに伝える


『アイム後ろから攻撃された。なんで攻撃されたかわからない!遠慮の必要ないから全員やっつけて獣人の人達助けてあげて・・ゴホッ』


ボクはみんなの見てるところで血を口から吐き倒れる


「ママ!」

「「「レイ!」」」


アイムは慌てて指示を出す。


『みんなレイが遠距離の魔力攻撃受けた!警告は無視された。

すぐに殲滅行動して!レイはアイムが見てるから!女神の愛し子への攻撃は女神に敵対行為生かす必要ない!

ナンバーズの索敵に優れた人はレイの後方を広範囲に探して!』


シャルテがレイを抱きかかえアイムの側に連れて行く


アイムはシャルテからレイを渡され抱きしめ回復ポーションを飲ませる。

その周りをサリアス、エレミア、メルティア、ミザリーが囲みさらにその周りをメイド達が盾になり隠す。


グランアリスが怒りを露わにし全員に告げる


「私たちの愛しいレイが攻撃された!ここにいる屑は全員殲滅する!各々全力でヤレ!行くぞー!」


「「「「やぁー--!」」」」








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