第168話アルメリアル公国(不穏)
途中で分岐路を森に曲がった使者一行を慌てて追いかける公国騎士団
「隊長バイスル国の馬車が来ません!分岐を曲がったように思います!後方から来ていた部隊が慌てて追いかけています。」
「よし我々も反転して追いかけるぞ!お前はこの事を先で待機してる部隊に知らせろ!」
あわただしく追いかける騎士団だったがアイムの作った四輪駆動車は排気口から霧を発生させ追撃を遅らせる。
発生した霧は視界が1m先も見えず追撃部隊は完全に見失う
アイム達は騎士の乗る馬の速度に合わせて移動を続ける。
レイはアイムに入って来てる情報を教えてほしいとお願いするが、アイムにダメだと却下される
「レイママは何も心配しなくていい。教えるとママ暴走するのそしたらいろいろ大変な事になるだからダメ全てアイムに任せる」
アイラ達もボクが動こうとするのを止めて来る
「レイおママは運転に集中してください!敵はママを狙っています。」
はぁ?何言ってるの?ボクを狙ってる?なんで・・・
車タイプに変わってからこっちに乗り込んで来たミザリーお母様が事情を説明してくれる
「レイよく聞いて、この国は王族派と反王族派に割れているの。私達に救いを求めて来たのが王族派で、反王族派は民より貴族を優先する者達なの。
彼らは王族派で取り決めた奴隷制度の廃止に反対する者達で、人族絶対主義を唱えるかなり危険な者達なの。
当然彼らは私達がこの国を救うために行動しようとしてるのを知ってるわ。でも彼らは自分たちの利益や権利が奪われるのに怒り、私たちを特にレイとアイムを狙ってるのよ。」
え?何で?ボクやアイムを狙うの?意味わからない・・
ボクがいろいろ考えてるとお母様が教えてくれる
「レイを狙うのは私達にとって一番ダメージが大きいからだと思うの。それにあなたの容姿がね。この国は小人族の奴隷が希少で価値が高いらしいの。レイは神族だけど見た目はほとんど小人族だししかも可愛いから狙って来てるのだと思うの。
だからレイは絶対この車の運転に集中だけして!
何があっても外に出ない事いい?」
アイラやシルフィー王女も絶対出たらダメだと言って来る。
「お兄様はあの事故の後身体が大きく変化してステータスは低くなっています。絶対に外には出しません!」
「そうですわ!レイは私達が何があっても守りますから運転に集中なさって下さい。」
ボクはみんなに言われ頷くしかなかった。
「わかった。」
ボクが話している間も車は進みアイムの元には黒百合部隊からの情報が入った時点で車を止める。
アイムは情報を皆に伝えこれからの作戦を伝える。
「今後方からこの車の進路を変更に気づいた敵が、罠を仕掛け待ち伏せていた部隊と合流して追いかけて来ています。ここで護衛部隊を分けます。
後方から来る敵部隊にグランアリス率いるナンバーズ冒険者イエローチーム5名とフラワーガール6名で迎撃。
先行して付近の調査と安全確保はアスカ率いるナンバーズ冒険者ブルーチーム3名、そしてこの馬車の護衛は残りナンバーズ2名と剣聖・剣王の4名姫騎士で周りを警戒しながら森を抜けます。」
作戦が決まりそれぞれチームを組んで散っていく
レイたちの車はゆっくり警戒しながら進んで行く、後方を警戒したいからとアイムの車は後ろに回りボクの車が先行することになった。
アイムが安心させるようにレイに説明する
「後方からの敵は、最強部隊のグランアリスさん達が当たってくれています。まず突破されることはないと思う。
こっちの道アスカ達が調査しながら先行してくれているから問題ないよ。一応念のためにレイママが先行して、アイムは後ろを警戒するから」
アイムは森を抜けた先にある村に獣人が住む村があるからそこに行く事もレイび伝える。
「レイママこの森を抜けた先にね獣人の村があるみたいなの、この国の事を考えるとちょっと心配だから、森を抜けたら調査に向かうね。」
アイムがボクに説明してくれ納得しミザリーお母様と話をしながら車を進めてると道が急にえぐれたように崩れていた。
ボクは慌てて車を止める。
「これ道が削られてる?しかもかなり広範囲で、これじゃ車で進むの無理かな・・」
アイムもボクの横に来て崩れた道を見る。
「これってまずいかも・・誘い込まれた?でも先行部隊が索敵しながら進んでたはずなのに、それも読まれてた?」
ボクはアイムが考え込んでるので、とりあえず車に積んでる荷物を全部降ろしていた。
エレミアさんもグレープ王妃たちも車から降りる周りは剣聖ホタルたちと姫騎士が警戒してくれている。
アイムが隊列を考え先頭をナンバーズ冒険者ロロノアにして姫騎士達がその後ろに続きレイとアイムを真ん中にしてその後方にサリアス陛下や王妃達が続き最後尾にナンバーズ冒険者ララノアを指名する。
「皆さんこれは上手く誘い込まれたかも知れません。十分に警戒してこのままの隊列で森を抜けます。」
ボクたちは警戒しながら進む崩れた道を慎重に抜けやっと周りが木々に覆われた道になり、暫く進むと野営できる広い場所に出る。
エレミアもサリアスもほっとしてアイムにこの場所での休憩を提案する
「アイムちゃんみんな警戒しながら進んで来て疲れてるからこの辺で休憩したらどうかしら?」
「アスティ達索敵スキル持ちも何も言っておらんから、軽く食べて休憩するのはどうじゃ」
「アイムの眷属も何も言わないから、ここで休憩するママ手伝って」
アイムも眷属たちも何も言わないからエレミア達の提案を受け入れ干し肉とパンを収納から出してレイと手分けして皆に渡して行く
軽い食事も終え皆談笑してる時広範囲を索敵してた二人が叫ぶ
「「警戒!何か来ます!」」
空から氷の弾、石の弾が多数落ちて来る。その速度は速く広範囲にわたって落ちて来る。
ボクとアイムはナンバーズ冒険者のロロノアとララノアに抱きかかえられ落ちて来る範囲の外に出る。
グレープやシルフィー達王女はホタルさんやシャルテ達に守られている。
戦闘力のないメイド達は、姫騎士数人が盾の屋根を作りその下に逃げ込む。
戦える人達は氷弾を叩き落としている。
うーんここまでして来るんだ。こんなことしてたらまたファンティー怒るのになぁ・・
やっぱし知らない人達に警告して、それでも変わらないならもう助けるのやめた方がいいかもね。
なんかもうどうでもいい感じ・・
でも子供だけは保護してあげたい…
大人は自分で判断して貰う
ボクはクロアさんに抱き抱えられ移動しながらいろいろ考えていた。
完全に分断されちゃったな・・・
ボクは女神の使徒になったお母様に伝えた。
『ミザリーお母様聞こえますか?ボクとアイムはロロノアさんララノアさんに抱き抱えられて、森の外を目指しています。
お母様も使徒の力使ってもいいので、みんなを連れて森の外に出て下さい。』
『わかったわ、何か考えあるのね。サリアス達を連れて行くから待ってて、無理しちゃダメよレイ。』
ボクはアイムにもう一度この大陸の人達に、ボクが女神様の愛し子である事を伝えようと思ってる事を相談する。
アイムはこれ以上ボクを危険にさらしたく無いから、エレミア達とバイスル王国に戻ることを提案して来た。
『レイママこれ以上優しくする必要無い。この国はダメ!
すぐに脱出して帰るべき、ママは十分やった。後はサリアス達に任せる。
でないとまたママが悪い人間に深い眠りにつくような事されたら、女神様はママを連れて行ってしまう。
アイムはママと離れたくない!
ママは苦しんでる子供達を一人でも多く救いたいって気持ちわかる。
でもママが神界に戻ったらママが助けた子供達が悲しむ。
ミザリーやエレミア達も悲しむ』
ミザリーもレイに話しかけて来る
『この念話は、会話できないあなたの大好きなアイラやグレープたちにも伝わるようにしてるわ。レイ皆の思いはあなたが傷つき私たちの前からいなくなる事よ。
だからここまでして来るこの大陸の人間にこれ以上あなたが構う必要ないわ。
子供や虐げられてる女性の救出は、ナンバーズ冒険者に任せて貴方はホームの家に帰りなさい!これは母としての命令です。』
ボクはお母様に言われ考える。
『言ってることわかるよ。でも子供達が・・それにこの国人族絶対主義で貴族の態度が凄く悪いって・・・』
ボクが考え込んでる間にボクたちは森を抜ける。
「レイちゃん森抜けます。このままこの先の村まで走り抜けます。」
シュン
凄い!一気に速度が上がった・・これがナンバーズ冒険者の力・・
アイムが念話で後から来る部隊に念話で伝える
『ミザリーお母様、私達は森を抜けました。このままこの先にある獣人が集められてる村に向かいます。後方部隊のナンバーズ冒険者も皆を率いて来てください。敵を引き連れてても構いません。出来るだけ引き離してきてください。』
暫く走ると村が見えて来てボクたちロロノアさん達は速度を落とし二人はボクたちを地面に降ろし手を繋いで歩いて村に向かう。
「レイちゃん村が見えましたので速度落としますね。歩いて近づこうと思いますが、念のため手を繋がせてもらいます。」
警戒しながらが村に近づくと村の門番の兵士が剣を抜き止まるように叫ぶ
「とまれぇー---!ここは立ち入り禁止だ!」
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