第166話アルメリアル公国
アルメリアル公国フレイアル王妃は病で急に倒れたクラシカ国王に代わり、全ての貴族に伝える
「皆よく聞いて下さい。この度我が国の疫病、食糧不足を対処してくださるバイスル王国からの使者の中に女神様の使者もいらっしゃいます。
いいですか、絶対この方の扱いは慎重にお願いします。
この方は非常に子供を大切にされる方です。その事をよく踏まえ未成年奴隷の解放そして即時孤児院や保護施設へ入居させて下さい。」
頷いているのは王族派の貴族のみ、半数以上が納得いかず王妃を睨み付けている。
『はぁ…やはり半数以上反対派ですか…
彼らは自分達の行動が、世界が滅亡へ至るかも知れない事、わかってないのかしら…
この大切な時にあの人が病で倒れたのは気になりますが、もしかしたら今回のバイスル国の使者の訪問に関係してるのでは・・・』
ほんと馬鹿な人達です。
この国の状況を救うために女神様の愛し子様が来られるのに・・
何かあったら我が国だけでなく世界が滅亡するのですよ
我が国は奴隷制度が大幅に変わっても、闇の組織は潰れていない!
愛し子様を否定する彼らは、見た目可愛いい愛し子様を恐らく誘拐する暴挙に出るはず・・・
しかも港から王都までの領地は全て奴隷制度反対派勢力権、今回の件で反対派貴族がかなり活発になっていると聞く。
騎士団を護衛に派遣したいが、今王都も不穏な空気に包まれていて騎士団は動かせない
一応バイスル国のエレミア様には、こちらの事情を説明し護衛を送れないことを伝えてある。
一応ケトルに常駐している騎士には護衛するように伝えているがたった数名では案内ぐらいしかできぬか・・・
愛し子様には強力な護衛がついているその方々にお知らせして警戒してもらいましょう
☆・☆・☆・
奴隷制度廃止反対派筆頭ブルドラス公爵はフレイアル王妃の話をつまらなさげに聞いていた。
『フン!何がバイスル王国からの使者だ!女神様の使者?そんなのはおらんわい!』
確か我が影の情報によると、バイスル王国の使者の中に、かなり可愛い小人族がいるらしい、オークションに出せば特Aランクというから、王都までの道中でかなりの組織が動くじゃろうし、儂はそ奴らの邪魔をせぬように指示するだけじゃ。
後は闇オークションで、その捕らわれた小人族を落札するだけじゃ。
幸い王都までは、全て我が派閥の領地ばかりじゃし奴らにも奪いやすい状況をつくるように指示すれば闇奴隷組織も上手く攫ってくれるじゃろうフフフ・・・
そして後日反王族派の集まりで今後について話す。
「フレイアル王妃殿下が、国王が倒れたにもかかわらず上手く王族派を纏めたのは誤算じゃった。
あの状態で奴隷制度を排して、使者を迎え入れることになったのだから、不安も多いじゃろう。すぐに綻びそうな貴族を揺さぶって見れば面白かもしれん。それにバイスル国からの使者に何かあれば王族派はしまいじゃフフフ・・・」
集まった者は頷きバイスル国の使者を傷つけ王族の信用を落とし我々が実権を握るのだと騒ぐ
今騒いでるのは実力のある貴族が多い、使者を叩けば王族派が信用を無くし国が乱れるのは確実。
これを機に一気に王族派を退け新政権を樹立させる。
ふん!何が女神の愛し子だ。そんなガキに何ができる!周りに優秀な者がいるからだろう
我が領地の教会の者は誰ひとりそんな子供は存在しないと言っておったし偽りの使者だと言っておる。
ブルドラスは来る使者への対処を通過領地の貴族に命じる
「フェルノア侯爵よバイスル王国の使者はまず其方の領地を通過するはずじゃ。強力な護衛や冒険者もいると聞く、魔物を上手く使役し罠を仕掛け使者を分断するのだ。闇奴隷組織が動きやすいようにな・・」
フェルノア侯爵は頷き考えを述べる
「ブラドラス様お任せ下さい。魔物使いは十分に人数はそろっています。後は闇ギルドの者を手配していただけたら十分でございます。使者が我が領都に入ればいかようにも理由をつけて捕縛します。その辺は闇奴隷組織と連絡して上手くやります。では私準備のために失礼させて頂きます。」
フェルノア侯爵は笑みを浮かべ退出していく
ゲルトラ男爵、イオセント子爵もブラドラスの前に行き意見を述べる
「ブラドラス様我々も領地に戻り使者一行をさらに罠にかけ分断しましょう」
「最終我が領地のアサシンの部隊を使ってガキの周りを始末します。そすれば後は闇奴隷組織に使者のガキを任せます。」
ブラドラスは笑みを浮かべ二人に言葉をかける
「ゲルトラ男爵よ其方の領地は更なる分断に適して居るから期待しておるぞ。」
ゲルトラ男爵は頷き退出していく
「イオセント子爵よ決して油断するでないぞ!上手く分断できてもナンバーズ冒険者も残ってるかもしれんそこをよく考えて行動してくれ、他の者も協力を惜しむな!これが上手くいけば我々が王族を排してこの国を治めるのだ!」
ブラドラスの発言で反王族派は纏まりを見せる。
イオセント子爵らと隣接する領地の貴族が支援を申し出て、大規模な組織が編成されることになった。
『小人族の子供か・・・楽しみじゃわいフフフ・・・』
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