第165話次の目的地はアルメリアル公国

ボク達は数週間かけセイシール諸国の島に、上下水道関連の装置を設置して、畑も改良して島の環境に合った作物を植えてまわった。


特にレイは人口の多い四島に、冷風扇、濾過装置、汚水浄化槽、給水装置、風呂等を備えた立派な孤児院を作り長老に託した。


更に安全通路や港も作り、小型高速艇を各島に置いて来た。


そしてレイ達が島の改修が終わる頃、ほとんどの島民が疫病から回復し、各島で感謝際が催され長老さん達や島民の人達から凄く感謝されまくるのだった。そしてレイたちは惜しまれつつ島を離れた。



後にこの島では可愛いワンピース姿で眠るレイの像が主要四島に作られ、レイの女神像に祈る者レイの像を撫でる者達が毎日のように訪れる者が増え島民全体に広がると、島は今まで以上の精霊の加護加わり幼女女神に守られる島として騒ぎになるのは少し後の事…


・・・・・・・・・

・・・・・・・


島を離れボクは、ミレー号の中で協力してくれた皆に感謝を述べた。


「パラ部隊・高速艇・船で補佐してくれたみんなさん、設備を作るのを手伝ってくれたみんなぁーお疲れさまでしたぁー。

みんなのお陰であの島の人達を救う事ができました。

ほんとうにありがとうございましたぁ。」


メルティアさんとミザリーお母様がボクとアイムを抱きしめ話しかけてくる


「何言ってるの。私達はレイの家族でしょ。協力するの当たり前でしょ。

二人共よく頑張ってくれたわ。後は、長老さん達がちゃんと管理してくれるでしょう。お疲れ様レイ、アイム」


ボクとアイムはメルティアさんとミザリーお母様に抱きしめられる。


「レイとアイムは大陸につくまで3階のキャビンに行って休みなさい… と言ってもレイは操縦あるからあまり休めないわね。

ゆっくりでいいから無理しないようにね。

次の場所については私達で話し合うからレイは心配しなくていいからね。」


「わかったのお母様後お願いします。」


ボクとアイムはお母様達に任せてアイムと二人で3階キャビンに向かった。




☆・☆・☆メルティア視点



レイとアイムがミザリー様に言われ3階キャビンに行ったのを確認して私達は全員1階食堂に集まった。


次の目的地アリメリアル公国について話し合うためだ。


私は集まった者達に着席を促しアルメリアル公国について話を始めた。



アルメリアル公国は、人族絶対主義の国で奴隷制度があり貴族の権力が強い国だと言う事を伝え、レイとアイムをどう護衛するか質問した。


するとミザリーが提案してくる。


「あの国に行くなら、もう少し守りを増やした方がいいわね。

残りのナンバーズやフラワーガールも同行して貰いましょう。」


「それなら私の娘も同行させましょう。あの子達も一応大陸ナンバーズ冒険者ですし、疾風のロロノア迅雷のララノアなんて呼ばれてるから多少役に立つでしょう。」


「そういえばメルティアの双子の姉妹は冒険者だったわね。」


護衛についてナンバーズ冒険者はわかってるから頷いて話し合ってるが、アイラちゃんや王女達はわかっていないようで質問してくる。


「お母様何故更に人数を増やす必要があるのですか?」


「メルティアお義母様それほど危険なのですか?」


私とミザリーはチェリアスの質問に答える


「あの国は人族絶対主義つまり差別が激しいのよ。それについ最近まで子供の奴隷が多かったのよ。

だからレイちゃんやアイムちゃんは身体が小さいから特に狙われると思うわ。」


アイラちゃんが聞いて来る


「つい最近までって事は今はないんですよね?それに身体が小さいと狙われるのは何でですか?」


私は、国王から奴隷制度が大きく変わる事を会議で聞いて、それを実行したことを知らされたとを話し、影からの情報も加える。


「それで、今実行されてるから、まだ国内では、取り締まりが出来ていないらしいの。潜伏させてる影の者によると、子供の誘拐は、未だ頻繁に起きているらしく、特に小さい子供が狙われるらしい。


何でも、小人族の奴隷は、貴族から大人気で、闇取引で相当高額の取引がされてるらしいのよ。

だからレイちゃんアイムちゃんが、狙われやすいし、二人とも小人族の特徴の手と足が小さいのと同じなのよ。


あの身長の人族の子供なら手はもっと大きいわ。それに比べ二人は明らかに小さいから、それに肌の色も小人族の青白いに近いから、小人族にしかみれないのよ」


ミザリーも頷き王女に話す


「そうね。特にレイは成人年齢であの身長は勘違いされるはね。

レイは鑑定で神族であることを隠蔽できてるけど、鑑定スキル持ってる者が多いあの国は、レイが男の子だとわかったら一気にその情報が回るから、確実に拐いに来るわね。」


私達の説明でわかったのかチェリアス達は青ざめアイラちゃんが質問してくる


「もしレイお兄様がその国に入ったらどうなるのですか?」


私は少し考えて率直に答える


「あの国では小人族の奴隷が一番高く取引されているらしいから、見た目可愛いレイとアイムは恐らく高額で取引されるはず…

それに…小人族は男の子が希少… ここまで言えばわかるでしょ」


5人は黙って頷く



「隷属の首輪のない二人を狙い誘拐する奴らが必ずいる…」



アルメリアルで潜伏させてる影によると、隷属の首輪のしていない子供の誘拐率かなり高いらしい。それが小人族なら100%、貴族が後ろについてる組織が動くか…

そうなればレイ達は必要以上に狙われる。

ならナンバーズに変装してもらって、組織ごと潰した方がいいわね。



私は皆に話す


「あの国は、王族とその派閥貴族だけはまともだけど、それ以外は屑よ。つまり貴族の後ろ楯で動く奴らにレイちゃんが拐われやすく、闇に落ちる要素が多いと言う事よ。」


ミザリーが補足するように皆に話す


「レイは奴隷でも孤児でも小さい子供が虐待されるのを見ると心を乱します。

おそらくそういった場面にあの国では多々みられるでしょう。

その時レイが暴走しないか心配です。」


確かに小さい子供が鞭打たれたりしてたら、レイちゃん大きく心を乱すわね。


世界会議の時、各国にはレイちゃんの事は伝わっている。

今度レイちゃんに何かあればこの世界は破滅に向かう事も伝えている。


だからアルメリアル公国のタイロント王は、帰国後すぐに王権を発動して未成年の奴隷廃止しを決めた。

当然のように半数以上の貴族から猛反発を受けるも王族派貴族の賛成によって、未成年奴隷は全て保護施設収容が決まったと連絡が来た。


アルメリアル公国は未成年奴隷だった者は現在保護施設や孤児院に集めていると連絡があった。

国内の反対派貴族はなかなか納得しない者もいて、理由をつけ未成年奴隷の解放を拒んでいる貴族が多いと・・・


落ち着くまでもう少し時間がかかりそうね。

その間にバイスル国に戻ってレイちゃんの護衛を増やしましょう。


私たちはバイスル国に戻るとフラワーガール達レイちゃんに深いつながりのある冒険者に招集をかける。何故かサリアス陛下まで来て同行する事となった。


レイちゃんは大喜びしていて、見てるこっちまで楽しくしてくれる、ホント女神様だと実感した。


3週間後再びクルーザーで出発し、船の中でレイちゃんとアイムちゃんは3階に行ってもらい、私たちは再びアルメリアル公国での事を話し合った。


今回乗り込んできたエレミアがアルメリアル公国からの伝言を伝えてくれる。


「現在アルメリアル公国は奴隷制度が大きく見直され、犯罪奴隷・借金奴隷は全て国の管理に入り、全ての犯罪奴隷は国から金銭受託後引き渡されることになった。

借金奴隷は国の厳重な管理の元一定期間だけ金銭の代わりに派遣されることになり、未成年の奴隷は全て保護施設・孤児院などに振り分けられ教育が施される。現在未成年奴隷を貴族や商人から回収中とのことよ。」


でも反発する貴族が多くてなかなか未成年奴隷の回収が出来ないらしい。

それに闇での奴隷売買組織が増えているとも影から連絡が来てる


私は皆にその事も伝える


「今エレミアの言った通り奴隷に関しては国に管理され厳しくなったらしいが、闇での奴隷売買はかなり増えてるらしいわ。だから安心はできないわよ。

レイちゃんが町中で、子供の奴隷が鞭打たれるのを見て、心乱す確率は少なくはなくなったけど、誘拐される確率は変わってないわよ。」


集まって聞いている者達に緊張が走る。


サリアス陛下が立ち上がり発言を求める


「皆も知っておるじゃろうが、レイはかなり弱い。だからちょっとした攻撃が当たれば必ず怪我をする。


そんなレイが傷ついたり誘拐されれば精霊王は怒りこの世界は滅びに向かう。

だから絶対守らねばならんのじゃ。敵がレイを誘拐しに来るなら、来る前に潰してしまえばいいんじゃ!


他国の貴族であろうと、女神に手を出すのがどんなに愚かな事か示すのじゃ。

恐らくマリーラ帝国のクアトラ皇帝に言えば間違いなく同行を求めて来るじゃろ。

クアトラ皇帝は熱心な女神グランシア信者だからのう。

その愛し子レイが誘拐されようものなら、怒り狂い帝国軍を投入するじゃろ。そうなればアルメリアル公国はしまいじゃ。」


私は、港に王都から王権を持った特別取締官が港に待機している事、私達に同行してくれる事を伝える。


「いずれにしてもレイちゃんを守る事が重要よ。陛下命を受けて王都からスローラル港に特別取締官が待機して私達に同行してくれるから、その者共相談しましょう。」


皆頷きレイちゃんの守りをどうするかいろいろ話し合っていた。


ナンバーズもいるし剣聖達もいるから大丈夫と思うけど…

ほんと何事も起こりませんように…


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