第159話セイシール諸国(レイの魔道具)

ボクとアイムは、侍女さんに案内されてお風呂に入った。


南国特有のお風呂は腰までしか無くて、上半身は汗を流すだけらしい

これって半身浴?


侍女さん4人もボク達のために入ってくれて身体を洗ってくれて、半身浴で汗が出てきたらお湯をかけて流してくれる。


「パパと一緒アイム嬉しいの。」

「うん。ボクも嬉しいよ。

あのねアイムにお願いあるの。レイね前世の妹がこの世界に生まれ変わって来てるみたいなのね。

それでね、妹を見つけるまで美玲って名前封印するつもりなの。

だからアイムもボクの事はレイって呼んでね。」


アイムは頷きボクに抱きついて来る。


「アイムはレイパパとずっと一緒だからパパの妹見つけるの手伝うの。」



ボク達はお風呂を出て部屋にもどると…


「じゃんけんポン!ポン!ポン…」


えーー!まだ決着つかないの?

どんだけ必死なの?


知らないしレイは先に寝ちゃいます。


おやすみなさい…


…………


次の日目が覚めると身体が動かない…


え?何で?アイムは?


よく見るとボクの右に眠るアイラに腕を繋がれ左には、シルフィー王女がアイラと同じように腕を一緒に縛られている。


え?頭が何かに挟まれてる…

これっておっぱい…

えーー!誰れなのぉーーー!


何で目が覚めなかったの?

ボクが目覚めたのがわかったのかアイムが念話で教えてくれる


『パパはみんなに愛されてるの。アイム知ってたけどみんな凄く嬉しそうにしてたから黙ってたの。

アイムはメルティアさんと一緒に寝てるから心配しないでね。』


うぅ…これってアイラ達が目が覚めないと動けない…


ボクは仕方なくアイラ達が目覚めるのを待った。


1時間ほどしてやっとアイラ達の目が覚め、ボクを抱いて寝てたのはグランアリスさんだった。


グランアリスさんは、ボクにおはようのキスをして、何か凄く嬉しそうにみんなの所に行った。

アイラとシルフィー王女もボクにキスをしてまた後でと言って部屋を出て行く。


ボクは用意された服に着替えさせられた後、侍女さんが失礼します。と言って抱っこされた。


「今から食堂に向かいます。」


えーー!自分で歩けるから…


「あのボク自分で歩けます。」


「いえレイ様は昨日来る途中で歩けなくなり抱っこされたとお聞きしています。

食堂までかなり歩くと思いますので、抱っこさせて頂きます。」


えーー!何それ…どんだけ広いのここ…


ボクは侍女さんに抱っこされ食堂に向かって歩く…


恥ずかしい…


もう少し体力があれば…


でもこの城じゃ無理だ。一人で部屋を出たら絶対迷子になる。今でもうわからないの気をつけなきゃ…


侍女さんに抱っこされ歩く事10分ほどで食堂に着いた。


侍女さんに椅子に座らせて貰い待ってると、アイムもメルティア王妃に抱っこされ入って来る。


何かメルティアさんアイムがお気に入りみたい


ボクとアイムは子供用に用意された椅子で、他の人達は普通の椅子に座ってる。


アイムのすぐ横にメルティアさんが座り、ボクのすぐ横はミザリーお母様が座ってる。


みんなが揃い陛下の挨拶の後、食事が始まる。


料理は全て魚料理がずらり並ぶ


さすがに生の料理は並ばなかったけど、たぶんそういう食べ方してる人いるよね。


陛下が食べ始めボク達も食べる。

この世界って調味料が圧倒的に少ないんだよね…


醤油欲しいなぁ…

大豆ってないのかなぁ…

スパイスもできたら欲しいなぁ…


時間があれば調味料を作って見てもいいかも…


ボクがいろいろと考えてると陛下が話しかけてくる。


「レイちゃんあまり食べておられないようだが、口に合わなかったか?」


ボクは慌てて謝罪する。


「いえ違うんです。これだけの食材だから、ボクの知ってる調味料があれば違った味が体験できるのになぁって思ってたんです。

ごめんなさい。料理が不味いとかじゃないの… ペコリ」


クシャラ陛下は調味料の言葉に興味深そうにしてレイを見つめてくる。


「ほぉ…調味料か…まだ妾の知らぬ物か…」


じー


え?なんなの…


するとボクの後ろで控えてた侍女さんがこっそり教えてくれる


「レイ様クシャラ陛下は、ご自分で料理されるほど好きなんですよ。

だから先ほどレイ様がおっしゃった調味料に興味を持たれたのだと思います。

何か新しいメニューでもあれば飛びつくと思いますよ。」


クシャラ陛下は料理好きなんだ。女性らしくて何かいいなぁ…


クシャラ陛下がボクに耳打ちする侍女に文句を言ってくる。


「これ!ラニーニァレイちゃんにいらぬ事を言うでない!」


「お母様レイ様が気にしてたので教えて差し上げただけです。」


「えーー!王女さまぁーー!」


ボクは驚き侍女の姿の王女様を見る


周りの侍女さん達も笑ってるし


陛下がボクに謝ってくる。


「レイちゃん驚かせてすまなかった。娘が身近でレイちゃんを見たいと言うので好きにさせたです。」


ミザリーお母様も笑いながらクシャラ陛下に話しかける


「クシャラ陛下なかなか面白い王女様ですね。しかし陛下が料理好きは驚きました。

うちのレイも実は料理が好きなんですよ。特にお菓子は絶品なんですよ。」


ちょっとお母様何言ってくれてるのぉー


うわークシャラ陛下だけでなく周り全員ボクを見てるじゃん…


えーーどうするのよぉ


クシャラ陛下は嬉しそうに話しかけてくる


「レイちゃん♪もしよかったらお昼何か作って欲しいなぁ…」


可愛くおねだりしてくるクシャラ陛下


うぅ…そんな仕草ずるいです。


ボクはお昼に何か作る約束をして何とか納得して貰った。


ボクは、食事の後少し談笑した後、城の中にある錬成師達が集まる建物に向かった。

勿論アイムも一緒に、侍女さんに案内され剣聖のミズキさんに抱っこされてついていく。


部屋には錬成師が数名集まっていた。


錬成師のナホトカさんが代表していろいろ聞いてくる。


ボクはそれに答えるとナホトカさんも納得してくれる。

まず一番急ぐ濾過装置を説明しながら作り始める。

作るのは1/5サイズのミニチュア作り始めると、質問され答え、アイムに手伝って貰いながらミニチュアの濾過装置は完成する。


次に虫取香を作る。

これは島に自生してる浜千草にも成分が含まれているので、これをハンドミキサーですりつぶし島に自生してるカシュマルの木屑と混ぜ型に入れて乾燥させる。



錬成師達はこんなのであの虫から刺されないですむのかと呟いてる


問題は冷却の魔道具なんだよね…

試作品は既にアイムが収納して持っている。


ただこの島で作るのってできるのかな?

アイムも氷の魔石が手に入るのかわからないって言ってるし、大陸でも高い山とか寒い北の方に行かないと、氷系の魔法放つ魔物いないから、ここじゃ難しいよね。

それにこの魔道具に使ってる氷属性魔石は、Aランク魔物から手に入れたから、たぶんBとかCランク魔物では使えないと思うし、その事も含めて、ボクは試作品を出して冷却の魔道具の説明をした。


氷系魔石の特長風魔石の特長冷たい風が出る仕組みをわかるように説明した。

錬成師の人は皆さん熱心にメモを取り質問してくる。


「なるほどこの冷却の魔道具の能力は、2つの魔石で決まって来るのですね。」


「いえ違います。氷魔石は冷たくなって行くだけです。

それに風魔石で風を発生させて冷たくなった魔石に風を送るので、冷たい風がでます。

当然暖かい空気を当て続けると魔石の寿命も短くなります。それに暖かい空気を吸い続けても風がでてる所は冷たいですが、部屋は冷えません。」


たぶん難しいのかわかってないみたい…

ボクはこの部屋の窓を締め密閉空間にして、冷却の魔道具を動かした。


すると30分くらいすると部屋の温度が明らかに下がり快適な温度になる。


「これでわかったと思いますが、解放されたところでは、風がでてる所だけです。こうして密閉すれば部屋全体が徐々に冷えて、快適な温度まで下がり、魔石の寿命が延びます。」


皆頷いている。


「この部屋で30分です。小さい部屋ならどうなると思いますか?もっと大きい部屋ならどうなると思いますか?」


ナホトカさんがわかったみたいです。


「なるほどつまり風魔石は風を送るだけだから冷却はあくまで氷魔石だと、それも冷やすにも限界があると言う事ですね。」


ボクは頷き答える


「はい!今ある冷却の魔道具は、この大きさだけです。能力も決まってます。

大きい部屋ならこの装置を何台か置けばいいと思います。」


「なるほど、装置自体もそんなに難しくないから少し指導して貰えば私達でも作れるが、問題は氷属性魔石か…」


確かに問題は氷属性魔石なんだよね。

確実にこの大きさの魔石はAランクのホワイトキラータイガーやスノーワイルドベアでないと持っていない。


「とにかく魔石は10個あるのでこれで、皆さんで作ってください。

濾過装置や虫取香もあるので、もう少し人を集めた方がいいと思います。」


ナホトカさんは頷き宰相に相談するといい部屋を出て行く。


ボクとアイムは、濾過装置、虫取香、冷却装置を作る人達に分かりやすく説明する。



暫くしてナホトカさんが戻って来る。


「レイちゃん技術者、制作補助の人員は集める。それと必要な材料もこっちでできるだけ集めるから少し待ってくれるか。」


「わかりました。一応わかりますく書いた説明書と手順書を作ってるので、ここに今いる人はよく読んでその人達が来た時にサポートお願いします。」



ボクは、陛下にこれからの事をお願いに行くからと言うと、侍女さんが来て「ご案内します。」と言ってボクとアイムは再び侍女さんに抱っこされ陛下の所に連れていかれる。


事前に連絡してくれたみたいで、すぐに会う事ができた。


ボクは魔道具の状況を伝える。


「来ていただいた錬成師の人達には一通り説明して分かりやすく書いた設計図とか渡してます。

沢山作る必要あるので、今人と材料集めて貰ってます。

それでこの本島と近隣の島は大丈夫だと思います

ボクは遠く離れた島々を見て救済したいと思います。

それで誰か詳しい人に案内をお願いしたいのです。」


クシャラ陛下頷いた後とんでもない事を言ってくる。


「なら妾が行こう。」


はい?







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る