第157話セイシール諸国 セイルパラ島

うわー夏だぁー


海も綺麗だぁー


写真でしか見たことないけど、前の世界のバリ島のような所だぁ


ここが諸島連合で一番大きな島なんだ…案内の人いなかったら完全に迷ってたね。


美玲達は、出迎えの人の案内で城に向かった。


美玲達の乗った馬車は、馬ではなく牛だった。

スピードも意外と早く、馬の引くスピードと変わらなかった。


途中水汲み場の井戸の所に行列ができていたので、止めて貰って美玲とアイムは降りて水汲み場まで行った。


美玲は水を汲んでる人にお願いして水を調べさせて貰った。


分析鑑定した結果

☆鉄分微少・塩分微少

☆水質低

☆細菌あり

☆濁りあり

☆安全性C


これって駄目だ…本島でこれだと他の島はもっと酷い事になってるかも…

これは大至急何とかしないといけないね。


アイムは水以外町の人達も調べた。

ほとんどの人は、痩せていて全然元気がない。

寄生虫と高温の気候による南国特有の蚊等の吸血虫が原因の人達が多いようだ。


『美玲お兄ちゃんこの人達はまだ症状が軽いから動けてる。でも身体の弱い人や子供はたぶん倒れてる。』


やっぱりね。糞尿の匂いがないのは恐らく海に流してるからだろうね。


メルティア王妃様が美玲達を見て尋ねる


「レイちゃんその様子だと何かわかったようね。どうするまだ調べる?」


「だいたいわかったから王様の所に行きます。」


メルティア王妃は頷き案内人に指示をし美玲達は王城に入った。


城は、高くなく2階建てくらいの大きさだったが、敷地が凄く広かった。


城の中に入って歩いたけど、城は広く今の美玲は体力無くて少し歩いて座り込んでしまった。


「メルティアお姉ちゃん…『王妃様なのにこの呼び方でって言われたけど何か…』レイもう歩けないの…」


メルティアは、座り込むレイを見て護衛やナンバーズに一言呟く


「私達の可愛い王子様がお疲れみたいよ。どうするの?」


すると護衛やナンバーズの人達が一斉にじゃんけんを始めた。


激しいじゃんけんの結果剣聖のシオンさんが拳をあげ宣言している


「やったぁー!勝ったぞぉーー!」


そんなに嬉しいの?他の人達は凄く悔しそうにしてるし


美玲はてっきりおんぶしてくれると思ってたら違った。


これって抱っこ…


えぇーー!


いくら美玲が小さいからって恥ずかしい…お願いしないと


「あのシオンさんこれは恥ずかしいのでおんぶでお願いします。」


「後ろから襲われると対処出来ませんので却下です。これが一番レイちゃん成分を補給できる… ゲフンゲフン 一番守れるのです。」



シオンさんにあっさり拒否される。

今さらっと変な事言ってたよね。


美玲は落ちるかも知れないと思いシオンさんに手を回して強く抱きつく。


そしたら周りから何かいろいろ聞こえてきたけどはっきりとわからなかった。


でもシオンさんは何故か顔を真っ赤にして嬉しそうにして時々変な声出してだけど大丈夫かなぁ…


………


護衛騎士視点…☆


レイ様が広い王城を歩き出して少しして座り込んでしまった。


メルティア様はそれを見て発言される


「私達の可愛い王子様がお疲れみたいよ。どうするの?」


私達はすぐに意図がわかり、何も言わず皆無言で頷きじゃんけんを始める。


じゃんけんはレイ様が広めて下さった画期的な決着方法だ。

この方法なら武力は関係無くてほぼ運で左右される。

参加者はナンバーズ冒険者、剣聖のお二人、それに王女様までこの勝負に身分も何も関係ない皆真剣な表情で向かい合う。


余りにも人数が多いので2つにグループを分ける。


そして激しいバトルが始まる。


「「「「じゃんけんポン!」」」」



何とかグループの最後まで残ったが、ナンバーズのマリに負けガックリ項垂れる。


相手チームの勝ち残りは剣聖のシオン剣でもこの勝負でも勝ち残る強者…


勝負は…あっさりシオンに決まる。


勝ったシオンが雄叫びをあげる


「やったぁー!勝ったぞぉーー!」


マリは悔しそうに出した拳を見ている。


その気持ちわかりますよ。

これがチョキならってね。


そして座り込むレイ様をシオンさんは何と前に抱っこしたのです。


皆も驚いてました。


ナンバーズのグランアリスやアスカは騒いでましたね。


「おんぶじゃ!ずるいぞ!」

「抱っこは反則だぞ!」

「そうだ!ずるいぞ!」


周りは騒ぐもシオンさんは聞こえてないようにスタスタ歩いて行く。


そして途中からレイ様が首に手を回して強く抱きついた。


私はそれを見て声をあげてしまった。

他の人達も同じように声をあげていた。


「シオンずるいぞ!」

「羨ましい…」


ほんとにうらやましい…


周りからもとんでもない事考えてる発言も聞こえる。


「シオンめあんな方法でレイちゃんをたらし込むつもりかぁ…」

「あの方法なら下着を着けずレイちゃんをこの胸にうずめてグフフ…」

「あれなら合法キスもできるフフフ…」


シオンさんも顔を真っ赤にしてニヤニヤしてるし…羨ましい…


『次は必ず勝つ!』


…………☆


美玲はシオンさんに抱っこされかなり歩き、やっと王様の待ってる会議室のような部屋に着いた。


『うう恥ずかしかった…何とか着いたみたい。』


あれ?シオンさん着いたのに降ろしてくれない?


すると周りが騒ぎ出す。


「シオン。いつまで抱いてる早くおろせ!」

「レイちゃんを解放しろ」

「早くレイちゃんを自由にしろ」


シオンさんは騒がれてやっと美玲を降ろしてくれる。


ミザリーお母様は、シオンさんにお礼しないとダメよと言われる。

美玲は、降ろしてくれた時にお礼にシオンさんの頬にキスをしてた。


「シオンさんありがとうなの… チュッ♪」


それを見て周りが騒ぎ出す。

シオンさんは何かダメージ受けたみたいに両膝をつき下を向いている。


ダメだったのかな…そう思ってたらミザリーお母様がフォローしてくれた。


「シオンよかったわね。最高のお礼じゃないフフフ」


シオンさんは立ち上がり嬉しそうに言ってくる。


「レイちゃん次も頑張りますのでまたお願いします。」


「はい!皆もよろしくお願いします。」


「次は負けん!」

「次は私がレイちゃんと…」


皆が迷惑に思ってないからいいかな…



会議室では、クシャラ陛下が美玲達を出迎えてくれた。


「ようこそおいでくださいました。メルティア殿下、女神ミレイ様」


えーー!何を言ってるのおー!


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