第156話救済の旅セイシール諸国

ボクが目覚めてから3年の月日がながれた。

ボクは、話すことも、動く事も普通に出来るようになった。


この世界は精霊の加護はまだ戻らないが、孤児院の畑の土を、他の土地に散布する事で痩せて行く状態は止まり、少しづつだが収穫量も品質も戻りつつある。


野菜の品質収穫量も以前に比べまだまだだけど、酷い時に比べるとかなり良くなってるとエレミアさんは言っていた。


ライム達ボクの家族はまだ眠ったままで目覚める感じはない。


ボクは、普通に動けるようになったので、いろんな国の人が来て欲しいと言われてた。


世界にはまだまだ多くの国で子供達の死亡率は高く、国によって様子が違うから適切なアドバイスと知恵を貸して欲しいと言われた。


バイスル王国が、レイの設備や洗剤のおかげで死亡率が激減してる事が、他の国からの助けを求める理由の一つだからだ。


その声に答える代わりにバイスル王国を優位にしょうと、ハートレイはいろいろ要求しょうとしたが、二人の王妃に厳しく諌められる。


ハートレイは、激しく叱責され落ち込む。

実際レイの起こした奇跡や業績を見ていないハートレイは、受け入れる事が出来なかった。

それはレイの容姿も影響していたのかも知れない。


成人に近い年齢で、未だ身長も低く容姿も幼いから、ハートレイは王妃達の話も素直に受け入れられなかった。

どうしても最初に懐いた辺境伯家の屑スキル持ちのイメージがあるからだ。


そうした思いが強いため、レイ自身が女神様の愛し子であることも忘れ、未だに国王に挨拶に来ないレイに不満を持っていた。



『儂は国王じゃぞ!我が国が優位に立つために、何でそれぐらいの事要求したら駄目なのだ…

レイとやらは辺境伯婦人から生まれたのだろ?それが女神の愛し子?本当にそうなのかも疑わしいわい!

儂には何も感じんぞ。

それに屑スキル持ちとして廃嫡までなったのだろ…

それを儂が特別扱いしてるのじゃ。逆に感謝して貰わねばならんくらいだ。

全く二人の妃も娘よりも大事にしてるのも気にくわん。』


そんな事を思ってるとは知らず、メルティアは精霊様とレイの関係をわかるように説明するも、全く陛下は理解しょうとしなかった。


エレミアも呆れる。


『この世界は精霊達の加護がないと、薪を燃やすにしても、まず魔法が簡単に発動しない。

媒介してくれる精霊が助けてくれないからだ。

火を着けるのにも、石を何度も打ち小さな火種を発生させ燃えやすい物につけて初めてまともな火になるのだ。


水もそうだ。何の苦労もなく安心して飲めるのも精霊が水をそうしてくれてるからだ。


私達が労力なく安心して使ったり飲んだりできるのも、全て精霊様の助けがあるからだ。


それをあの馬鹿陛下はわかってない!


そうだわレイちゃんにお願いして王城から全ての精霊の加護を消して貰えばあの人もわかるでしょ。』


そしてレイは、精霊王ファンティーにお願いする。


『ファンティーさん、この国のお城の王様が精霊様の大切さをわかってないから、少しだけみんなの加護あげるのやめてほしいの。』


ファンティーはレイにお願いされすぐに行動に移す。


『ミレイ全部取り上げたからね。回復させる時いつでも言ってね。』


『ありがとうなの。』


レイは思った


『本当によかったの?

エレミアさんがいいって事だから任せてたらいいかな…』


美玲は明日セイシール諸国に出発だ。

しっかり準備しなきゃ、困ってる人沢山いるみたいだから頑張らないと。


一緒に行くのはアイムと妹のアイラと辺境伯家の美玲の護衛だったサテラとバイスル国剣聖ミズキとシオン何故かメルティア王妃殿下まで来る。


メルティア王妃は、美玲の事をもっと知りたいのと、契約精霊も美玲に興味があるから一緒に来るらしい。


『今の美玲は弱くて皆に迷惑かけるだけなのに…見たらきっとがっかりするよ』


ミザリーお母様は同行する気だし、メルフェルトとバイスル王国の王女様まで来るって…


『4人共美玲を見て何かいろいろ話ししてたから、嫌な予感しかしないんだけど…』


それ以外にも護衛騎士が10人とそれにナンバーズの冒険者…とにかく凄い人数で移動する事になっている。


いくらボクに何かあったら大変な事になるって言ってもアイムもいるし皆には見えてないけど精霊のファンティー様達もいるのに…


こんな人数になるなら、美玲は大人しく孤児院にいる事も考えたけど、ファンティー様が美玲は自由に動いて欲しいって、でないと人間がどこまで美玲を大切に思ってるかわからないからだと…


悪い事をする人間はいる。それは仕方ないと、ただ一部の国が美玲の事を知り守るだけでは駄目みたいなの。


美玲には自由に世界を目配りいろんな問題を抱える国を助けてあげて欲しいと。


女神グランシア様も美玲の知恵で助けて欲しいって言ってたの思い出した。


だから美玲はいろんな国に行く事にした。

環境が悪いせいで、抵抗力のない子供達が死んでいくのは絶対無くしたい。

国によっては、違う問題もあるみたいだからそれも何とかして、皆が安心して暮らせるようにしてあげたい…


それに思い出したの…


封印してた記憶前世のボクの大切な妹…美莉愛がこの世界に生まれ変わっているかも知れない事を…


だから世界を巡るのは妹を見つけるためでもあるの。

アイムはボクの全てを知ってるからその事もわかってくれた。


だからボクの知恵や助言をして欲しいと、待ってる国があるから、ボクが話を聞いて助けたいって思ったら動いて欲しいと…


でも無理はしたら駄目だって…


今のボクは、怖いって思ってた気持ち薄くなってるから、前と同じように困ってる人いたら助けたいって思って行動するのはいいけど、ほんとに前と違うから気をつけるように念をおされた。


美玲は、護衛の事は気にしなくていいと、みんな喜んでしてるからって…

それにボクの護衛をするといろいろいいことがあるらしい。


なんだろういいことって…


まぁいいかな、嫌々じゃなく進んで守ってくれるなら…




それでボクはいろんなな国の人の話を聞いて見たの


いろいろ聞いて小さい国は国民の死亡率が高く、子供の死亡率は特に酷かった。


その中でもセイシール諸国連合と言う国は、首都のある本島も他の島も飲料水の問題が深刻で、本島の井戸5箇所に頼ってる状態らしい。

本島から遠く離れた離島では、水はたまに降る雨水を貯めて使ってるらしい…


それに島国独特の疫病が大流行してると。

だから一番目の国はセイシール諸国連合国にしたのです。


大陸の港からミレー号を走らせる事1週間でセイシール諸島本島セイルパラに到着した。



うわー夏だぁー


海も綺麗だぁー


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