第161話セイシール諸国(辺境の島の眷属)
「ん?ソナーに反応がある…これはかなり大きい…凄い勢いで近づいてる?」
これは…
一応知らせた方がいいよね。敵意はないけどかなり大きな魔物かな?魔力反応が大きい・・・
ボクは船内放送で知らせる。
ビービー
「戦闘員の皆さんはハーネスをつけ至急1階2階デッキに出て下さい。かなり大きな魔力反応がこの船に接近しています。
アイムはメルティアさんと一緒に1階運転席にお願いします。戦闘員以外の方は船内で椅子に座り安全ベルトを装着してください」
船内が急にあわただしくなる。
冒険者や騎士たちは装備を確認しハーネスをつけデッキに上がってフックを近くのバーにひっかけて行く。
アイムはメルティアさんに抱っこされ1階運転席に座りベルトを装着する。
クシャラ陛下たちも1階運転席に座りベルトを装着する
ソナーを見てるとどんどんと接近してくる。
ボクは注意を促す
「左前方浮上して来ます。警戒してください。相手が攻撃してきたら指揮はアイムに任せるので皆さん従ってください。」
冒険者達は戦闘態勢で返事をする
「「「はい!」」」
左前方の海面が盛り上がって来る。
大きな魔力が浮上し海面に姿を現す。
ザッパーーーン
ギャースギャース『やっと来てくれたぁー--』
うわーうるさ… はい?これ念話だ。あの魔物?
えー-
アイムも気づいてマイクで攻撃しないように命令する
「みんな攻撃待って!」
この蛇のような竜のような魔物シーサーペントだ。
でかぁーー
魔物はすぐ近くまで来て顔をボクに向け話して来る
声はギャースギャースしか聞こえないが念話ではっきりと伝わる
『女神様お待ちしてましたわ。もう魔物達抑えるの限界でしたのよ。見て下さいこの辺りの海凄く汚染されてるでしょ。』
ボクもアイムも周りを見る確かにだいぶ濁ってるけど・・・
アイムは運転席から離れ身を乗り出すように海面を見る
『確かに汚染が酷いこれ海流の影響でこの周辺の人間の汚した物が集まってる』
それを聞いたシーサーペントが驚いたようにアイムを見る
『あら?あなた妖精族ね。いいわね女神様に仕えれるなんて』
アイムはそれを聞いてシーサーペントに小さい身体を大きく見せるように胸をそらし答える
『アイムは女神ミユミレイアに仕える眷属なの。女神様をレイママって呼んでいる。レイママは生まれたばかりの女神様この周辺の島々の救済に来たの。この汚染も綺麗にする。だから貴方は大人しくしてて。』
このシーサーペントは雌?この辺の魔物が暴れるの抑えてくれてたの?一応お礼言った方がいいよね。
『あのシーサーペントさんこの辺の魔物が暴れるの抑えてくれてたんだよね。ありがとうなの』
すると嬉しかったのか『ギャースギャース』と声がやたら大きく皆耳を塞いでる
アイムが冷ややかに言い放つ
『わかったらここの浄化は、レイママに任せる。アイム達は忙しいの。貴方は深海に帰るといい。』
『えー-!嫌よ!あたしも手伝うわよ。あたしも女神ミユミレイア様の眷属にしてよ。じゃないと暴れるわよ。』
えー-暴れるって… 何を言ってるのこいつ
しかもでかいし…
何か面倒くさそうなのが眷属になりたいって…
ボクそんなに力ないよ?神力だって小さいし、ステータスも普通の子供だよ。簡単に死んじゃうよ。
暴れられると面倒だから眷属にする?
『アイムどうしよう・・』
アイムはあっさり眷属にすることを提案してとんでもない事もサラっと言っていた。
『レイママ。シーサーペント眷属にしてあげて、こいつ海竜だし利用しよう。馬鹿だから喜んでするはず。終わったら深海に帰らせる。』
アハハ…それがいいね。
『わかったシーサーペントさん眷属契約するから暴れないで!』
そしたら嬉しいのかそのまま叫びながら飛び上がり激しく着水し船がひっくり返りそうになる
ドッパーーーン
「「「「キャーーー」」」」
おいーー!
何してるのこいつ!
皆ハーネスつけてたから落ちなかったけど…なんか面倒な事になりそうな…
『じゃ契約するから近くに来て』
皆が注目する中シーサーペントと眷属契約をすることになる。
なんか無茶苦茶注目されてるし
シーサーペントが目の前に来る
「我は女神ミユミレイア我に従いしシーサーペント契約の言葉を共に・・・・」
『『§δδγηαα』』
シーサーペントの下に魔法陣が浮かび上がりそこから光が溢れる
シーサーペントの色が変わり契約が成立した事がわかる。後は名前を紡ぐだけ
「シーサーペント貴方に名を与える。名はシーリア」
ボクが名前を付けた瞬間虹色の強い光がシーサーペントを包む
え?スライムの時と違うこんな虹色じゃなかったような・・もっと光も弱かったような気がするんだけど
光が消えボクの目の前にビキニ姿の青い髪の大きな女性が立っていた。
えー--!
女性はボクを見てすぐに跪き腕を胸の前でクロスさせ頭を下げる
「マイマザー♡素晴らしき名前をありがとうございます。
あぁ…力が溢れてる… シーリアこの時をお待ちしていました。この力女神様のために…これから末永くよろしくお願いいたします。」
こいつ契約してからとんでもなく強くなったような・・
「はい。よろしくなの。一応アイムに任せてるからちゃんとアイムの言う事聞いてね。」
「わかりましたマイマザー♡」
何でマザー?面倒くさいからほっとくのね。
ボクはアイムのいる所までシーリアを連れて行って皆に紹介する
「さっき契約したシーサーペントのシーリアみんなよろしくね。」
「シーリアと言う名をマザーから頂きました。皆様よろしくお願いします。」
クシャラ陛下たちはひそひそと話し合っている
『女神様と眷属契約したらとんでもない事になるのじゃのぉ…さっきと溢れる魔力が明らかに違うのじゃ』
メルティアもシーリアを見て思う
『さっきともはや別次元ね。これが神族の力なの…』
アイムが指示をする。
「みんな今から目的の島に向かうから、武装解除して中に入ってなの船の守りはシーリアにさせる。」
ボク達は、シーリアを乗せ一番西端にある最大の島クレタトルタ島に向かう。
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